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七夕と伝統的七夕

七夕は7月7日ですね。
けど、北海道は8月7日とも言います。なぜでしょうか?

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七夕はいわゆる『旧暦』である太陰太陽暦(天保暦)で行われたいた行事で、月廻りが重要になります。

旧暦が月を基準にした暦なので、新月の日が1日で1日で、15日は満月になります。
と言うことは、7日は月齢が7でなければなりません。
こうして『日にち』は決まります。

月はどうでしょうか?
太陽を使った二十四節気というのがあり、太陽の黄道上の見かけの位置を24等分しており、夏至や立春、大寒などがそれになります。

立春から啓蟄までが睦月(=1月)で、立春から穀雨までが春、、、と、月が決まっています。
(これ以上は長くなるので別の機会にしましょう)

七夕は二十四節気ではありませんが、五節句と呼ばれ、3月3日の上巳(桃の節句)や5月5日の端午(菖蒲の節句)のように特別な行事とされました。
(他は1月7日の人日(七草の節句)、9月9日の重陽(菊の節句))

これらの日付はすべて旧暦ですので、今の暦には合いません。
(7月7日に至っては梅雨の真っ只中です)
そこで2001年に国立天文台が旧暦の7月7日を「伝統的七夕」と呼び、広報しています。
旧暦は非公式なものであり、国の機関である国立天文台が旧暦を扱うことはできません。
そこで、「伝統的七夕の日」を旧暦の7月7日に近い日として「二十四節気の処暑(太陽黄経が150度になる瞬間=8月23日頃)を含む日かそれ以前で、処暑に最も近い朔(=新月)の瞬間を含む日から数えて7日目」と定義しました。

というわけで、2020年の処暑は8月23日なので、最も近い朔は8月19日だったので、19日を含めて7日目の8月25日が伝統的七夕の日となります。
ちなみに2019年は2019年の処暑が8月23日で、最も近い新月が8月1日だったので、8月7日になりました。
2021年は8月8日が新月のはずなので、8月14日が伝統的七夕の日になります。

七夕のお話は、夏の観望会では鉄板です。
天の川を挟むように輝く織り姫星(ベガ)と彦星(アルタイル)。
年に一度会うためには天の川を渡らなければなりません。
その川を渡るための舟が、月齢7の月になります。
ちょうど、半月の1日までですので、明るい面を下に見ると船のように見ることができます。
(月齢7だと、うまい具体に西の空で船に見えるように輝いています。)

もし月が隠れていたとしても、天の川には橋がかかっています。
白鳥が大きく翼を広げて飛んでいるはくちょう座。その白鳥の翼が天の川を跨ぐように広がっています。
翼の星を繋ぐ橋がかかっているので、月がない夜でも織り姫と彦星は会うことができるのです。
(橋があれば、月の船がなくても毎日会えるじゃん。ってのはいいっこなしです。
 そもそも、天帝に年に一度しか会うことを許されていないので、こっそり会うなんて出来ませんね。)

夏の大三角


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