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サステイナビリティ思考についてのマガジンをはじめよう。

1. noteを書くときに大事にしていること


久しぶりの投稿になりました。私のnoteでは、これまで世の中の動きのなかで気になったことや、サステイナビリティや、ぎっくり腰になった話などを書いてきました。扱うテーマはバラバラでしたが、note記事を書くということについて、3つほど大事にしていることがあります。

1つ目は、テーマについての文章を、「世の中の片隅に置いておく」ということ。世の中は日々目まぐるしく変わっていくわけですが、それを受け取る人々の感性もまたそれぞれ。ある出来事について、自分と同じような感想を持つ人もいれば、誰とも同じ感覚を共有できないということもあります。私が文章にしておきたいなと思うことは、そういう共有できなかった感覚についてで、文章にして世の中の片隅に置いておくことで、同様の感覚を抱いた方の目に触れ、そのことが安心感を生むことがある。そうした偶発的な出会いのために、書いておきたい。

2つ目は、「前提を問い直す」ということ。社会的に日々を過ごしていると、実に多くの「〜でなければならない」とか「それはそういうもんだ」という慣習に影響されてしまうものです。そうした慣習は人が自由に考えたり、創造性を発揮するときには、足枷になってしまう。これをどれだけ取り除けるか。私の取り組み方としては、議論の前提になっているもの(=何かしらの慣習の理由が潜んでいる部分)を、詳らかに開いて問い直す。なるべく自由に考えるために、なるべく前提を解放していく文章を書いていたい。

3つ目は、「考え方を示す」ということ。大上段に構えた言い方をすれば、社会に新しい考え方をインストールしていくこと。それは、自ら考えられる社会を作り出せるかという壮大なミッション。逆を言えば、何か具体の課題に対して解決策を提案する、というような課題解決型の文章は書かないということでもあります。示された考え方を習得したコミュニティは、行動指針を持った自律的な存在であるはず。さらに、そうしたコミュニティ間での対話の増幅が、社会を変容させていくきっかけになるのではないか。そんな目論見を持った文章を書いていきたい。

2. サステイナビリティ思考のマガジン

こうした意図を持って、今日から「サステイナビリティ思考」というマガジンをはじめることにしました。自分が書いていく考え方の最初にサステイナビリティ思考を選んだ理由は、2つです。

まずは、私の研究者としてのアイデンティティでもあるサステイナビリティ(Sustainability)という概念(=考え方)が、日本では、どうも「ひたすらに分かりにくいもの」や「モヤっとして掴みどころのない感じがするもの」として認識されてしまっていることを憂いでいるということです。これはサステイナビリティ学を専門とする者としては、とても残念な状況。せめてきちんと体系化した形でこの概念を紹介する機会をつくりたい、というのが1つ目のモチベーションです。

そして、2つ目の理由は、システム科学の視点、価値規範や倫理、社会デザインという視点を複合的に持っているサステイナビリティ思考が、課題解決型思考を補完したり、場面によっては越えていく新しい視点を提供する考え方として、多くの人々の感覚をアップデートすることにつながると考えている、ということです。鳥の目と虫の目の両方を持っていたり、問題を設定する段階の価値観の議論を掘り下げたり、システム全体の変容を誘因するテコ入れポイントを見出したりなど、サステイナビリティ思考が持つ視野の広さをぜひ知って頂きたい。

3. こんな読者の皆さまへ

上記のようなモチベーションで、サステイナビリティ思考についての記事をストックしていきます。これを1年くらいをかけて、書籍化できたら嬉しいなと思っています。

このマガジンは、日頃から気候変動対策やSDGsに関心を持っている方々にも読んで頂きたいですが、実はいちばん読んで頂きたいのは、いつもと違った発想や思考方法を知りたいと思っている組織の方々、なかでもマネイジメント層にいらっしゃる皆さまです。なぜなら、サステイナビリティ思考が組織単位でインストールされていったなら、それは社会の変容への近道と考えているからです。

壮大なサステイナビリティ思考の世界へ、ようこそ。

さて、何から語ろうか。

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