フランスに行って不食者になりたくなった話(2)
友人の誕生日がきました。
お祝いする場所は有名な高級レストラン。
数か月前、予約を入れる時に「何か食べられないものある?」と聞いてくれたんですが、その友人がいつか行きたいと長年夢見ていたレストランです。まさか「小麦と乳製品と酒類」なんて言えるはずもなく、「特にないよ。何でも大丈夫!」と言ってありました。
出てきたのは、それはそれは高級そうなコース料理。
シャンパンで乾杯。
前菜とスープ。
白ワイン。
ここまではよかったんですが、
次に出てきたのはフォアグラとブリオッシュ。
唯一、全員一致で不評だったのがこのブリオッシュ。それそのものはおいしいけど、クリーミーなフォアグラとフカフカのブリオッシュの食感が似すぎていて合わない。やっぱりトーストがいいよね~って、みんな言ってました。
そしていよいよメインの鴨肉。
分厚い!
しかも2切れも!
皮はパリッとしていながら中はレアに近いピンク。濃厚で、やわらかくて、今まで苦手だったけど、なるほど鴨肉の魅力ってこういうことなのね、と感心しました。みんな「これはすごい」って感動してました。
でもフォアグラに続いて全部食べたら確実に胃もたれする量だったので、半分以上を他の人にあげました。おいしいけど重かった。お誕生日の友人も半分でギブアップしてました。
次はパレットクレンザー。
ゆず、キウイ、青りんごのシャーベット。
さっぱりしててすーっごく美味しかった…!
この後、本当はチーズコースの予定だったけど、みんなもうお腹いっぱいで断りました。大柄なフランス人の男性でさえ断っていたので「よかった、私だけじゃなかった」と安心しました。
リンゴのデザートにもバターたっぷりのパリパリのパイ生地が。
この後でチョコレートとブランデーが出てコース終了。
セーヌ川沿いの老舗高級レストランで夜景を見ながらのバースデーディナー、それはもう一生の思い出になる夜でした。言うまでもなく全部おいしかったです。
だけど…
どうか切り抜けられますように。
どうかお腹が痛くなりませんように。
顔には出さなかったけどハラハラものでした。
無事にホテルの部屋に戻った時には心からホッとしたのでした。
(続く)
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