気候|第2章 40年前のニューイングランド地方|アメリカでの40年間(1821-1861)
Forty Years of American Life 1821-1861
Thomas Low Nichols
気候
私の生まれ故郷の州は記憶の中でまぶしく輝いています。ごつごつとした山々が連なり、その頂は太陽に照らされてきらきらと輝き、森と丘の間に抱かれた銀色の湖は青く遠くのほうに消えていきます。水晶のように透明な泉、さらさらと歌う小川、轟音を立てる滝、そして春には増水して壮大な激流となる透きとおった矢のような川。 最も美しい緑の渓谷では、すばらしく雄大な断崖絶壁の山脈に囲まれ、白いコテージが建ち並ぶ村や、緑の葉に覆われた邸宅があり、そこには大きく広がるニレや輝くサトウカエデの木陰があるのです。
森は松、ツガ、トウヒ、香りのよいバルサムモミ、大白樺(その樹皮でインディアンはカヌーを作り、私はそれを丸めて夜釣り用の松明にした)、ブナ、カエデ、オーク、ほかにも私が覚えていられないほどたくさんの木がありました。地面には松の葉、苔、そして鮮やかな赤い実がなるウィンターグリーンの香りが漂っていました。リスが戯れ、鳥がさえずるのを間近で楽しむことができます。池には魚がいっぱいで、山や牧草地はベリーで覆われています。夏は光り輝く風景、冬はきらめく雪の衣が見られるのです。
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