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小説「対抗運動」第8章5 夢の中でのように動く世の中

舞ちゃん「おいさん、陸、海、空の3自衛隊は、イラクに派遣されるんやねえ。これは、私らの責任なん?」

おいさん「政府が派遣命令を出したんやから、政府の責任やろ。けど、その責任を追及するんは、舞ちゃんやおいさんの責任やね。」

舞ちゃん「どしたらええんやろ?」

おいさん「舞ちゃん、代表制いうんは、夢の中での出来事によう似とるね。代表者は選ばれたんやから、自分が正しいと思うことを決定する権利がある。けど、選ばんかった人らから見たら奇妙やね。どうして代表者が派遣命令出したか納得がいかんのに、確かにわれわれの代表者ではある。出来事は見えとるけど、なんでかは解らん。」

舞ちゃん「選挙制度を変えたらええんやろか?それとも、派遣反対のデモに参加した方がええんかな? 次の選挙で違う代表が選ばれるように。」

おいさん「日本政府は、アメリカに追随するんが国益じゃと判断しとるね。トヨタを筆頭に、大企業の利益はアメリカの利益とまあ連動しとるね。けど、アメリカは年に50兆円もの財政赤字じゃ。イラク戦争や復興関連費用などの出費と大型減税で、今後10年間の累積赤字は250兆円にもなるそうじゃ。まあ、途方も無い浪費家と仲良うしとるんじゃね。」

舞ちゃん「おいさん、何が言いたいん?」

おいさん「政治と経済はつながっとる。違う代表を選んでも、経済を簡単には変えれんよ。何ができるか言うたら・・・・」

舞ちゃん「協同組合(笑)」

おいさん「舞ちゃん、政治と経済はつながっとるんじゃ。この途方も無い経済は、利潤追求を原動力にしとるんじゃ。誰も逆らえん。協同組合も、同じ経済の中にあるんじゃけん、競争せんとつぶれる。けど、原理的に、その利潤を皆に分配しようとしとるんや。そうすることで、この気狂いじみた政治経済の流れを変えていけるはずなんや。」

舞ちゃん「おいさん、大学、受かったら政治経済の勉強、ちゃんとやるよ。けど、受かるかなあ? 受験勉強は英語だけやからね。Transcritique の誤植見つけたよ(笑)」

おいさん「ほう、どこよ?」

舞ちゃん「P205からP206。buyerとseller 、売りと買いの立場が入れ替わっとる、大事なとこなんやけど(笑)」

おいさん「そら、すごい。舞ちゃん、きっと受かるよ(笑)」

続く
執筆:飛彈ゴロウ、2004年2月8日

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