トランスコミック

21世紀の新たなアート・アクション 資本主義=国民国家による抑圧を吹き飛ばし、使用価値、個人のケイパビリティ、シェアに基づく世界を。 「セカイノカラクリ」を改めて、「倫理的」で「経済的」なより良い生き方をするにはどうすればいいか。 ゆっくりでもいいから確実に「セカイノシュウリ」

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21世紀の新たなアート・アクション 資本主義=国民国家による抑圧を吹き飛ばし、使用価値、個人のケイパビリティ、シェアに基づく世界を。 「セカイノカラクリ」を改めて、「倫理的」で「経済的」なより良い生き方をするにはどうすればいいか。 ゆっくりでもいいから確実に「セカイノシュウリ」

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    • アーカイブ集

      トランスコミックエクスプレスのサイトに掲載された記事のアーカイブ集です。2001年から2011年ごろまで執筆されたものでも、いま読んでもおもしろかったもの、人気があったもの、を選び出しています。

    • 回帰する核家族の未来

      トッド『家族システムの起源』が描く生態としての家族。家族と恋愛と芸術がベースにある対抗運動の姿。筆者:田辺龍二郎の渾身作。

    • 『探求』をめぐって

      柄谷行人が『探求』執筆時にめざしていた「教える-学ぶ」の、特に「教える」立場の重要性を考察します。 子供や外国人に「教える」立場に立つことを考えるのが本書のテーマであって、それによって「話す-聞く」という思想的なパラダイムを「教える-学ぶ」というかたちに変更したい。しかし、それは「学ぶ」立場(後者)に立つことではない、と言っているのです。「学ぶ」立場に立ってしまっては、本著でテーマとする「教える-学ぶ」という関係性そのものが消失してしまうのです。(執筆:田辺龍二郎)

    • セカイノカラクリ・セカイノシュウリ

      どうして、今の「世界のカラクリ」はこうなのか? それはどうしても変えようがないほどの「世界のカラクリ」なのではないか? どこから「世界のシュウリ」を始めたらいいのか?  それが問題だ。

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    最近の記事

    小説「対抗運動」第6章3 シュマイザーさんの訴え

    おいさん「舞ちゃん、先月、カナダのシュマイザーさんが日本のあちこちで講演してくれたんやけど、おかげでモンサントのやり口がようわかるようになったね。」 舞ちゃん「おいさん、シュマイザーさんはナタネの栽培を50年以上もやってきた農家なんやね。地域に合う耐病種子の開発者としても知られとったのに、突然モンサントから告訴されたんや。モンサントのGMナタネを違法に入手して、ライセンスなしで栽培した、特許侵害やと。シュマイザーさんはそれに対して、当然のことやけど、50年以上かけて育ててき

      • 小説「対抗運動」第6章2 茨城でGM大豆騒動

        舞ちゃん「おいさん、茨城いうたら水戸納豆やろ、これは大変なことになったね。」 おいさん「おう、もう知っとるんか。おいさんも詳しい情報を集めとるとこじゃ。よりによって、国産大豆の牙城でGM大豆の作付け実験をするとはね。まあ、それもええけんど、フェアーにやってもらわんとね。GM汚染が拡がったら取り返しがつかんのやからね。やむにやまれず近所の篤実な老農夫が行為に及んだらしいんじゃ。舞ちゃんは毎日新聞の記事を読んだんか?おいさんはまだ読んどらんのじゃが、何と書いとるんかいね?」

        • 小説「対抗運動」第6章1 ポトスのトポス

          おいさん「舞ちゃん、来週のアースガーデンにTCXで出店を出すことにしたよ。もみがらミネラル炭の鉢と枕を世に問うてみるんじゃ。」 舞ちゃん「そんな大げさな。」 おいさん「舞ちゃん、自信あるんじゃ。ネモッチャンのTシャツも出すよ。四国にも送るけん、フリマで売ってみてよ。ペットボトルや空き瓶に、もみがらミネラル炭をたっぶり入れて水を加える。これで鉢は出来上がりじゃ。今回は、生井さんが、自分のビールを分かち与えて育てたポトスを活ける。インテリアとして鑑賞に堪えるだけやないで。ミネ

          • 回帰する核家族の未来 3.1 家族形態と人口

            より続く 先進諸国における人口減少と家族形態の因果性 現代の、とくに先進諸国における人口減少と家族形態の因果性について語るのは難しいし、立証するのはそもそも不可能に違いない。だが、トッドが言及する限りでの主張からこの相関について仮説をまとめ上げるならば、次のようになる。 農地開発と直系家族や一時的同居を伴う核家族 まず初めに、直系家族の伝播力に注目する必要がある。つまり、直系家族は財産の不分割相続と、両親と長男夫婦とその子のみの同居が条件となっており、長男を除いた次男

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            小説「対抗運動」第5章5 がんばれ、フェアトレードショップ、有機農家

            舞ちゃん「おいさん、市民通貨Cを発行するんは、加盟しとる商店やね。LETSが対抗運動の道具になるんは、参加者全員がLETSを発行できるからやないん?」 おいさん「舞ちゃん、今の世の中では、誰でもが対抗運動家になれるわけではないんや。・・・LETSなら参加者が誰でも発行できる。その内部では、フェアーな取引が行われとる。けど、LETSは広がっていって、今の世の中の経済を変えるような対抗運動の道具にはならんよ。じゃがね、消費者としての労働者は対抗運動家になれるんや。Cを発行出来る

            小説「対抗運動」第5章4 閉じた体系と開いた体系

            舞ちゃん「おいさん、地域通貨はいっぱいあるやろ?」 おいさん「いっぱいあるねえ。」 舞ちゃん「なんで種類だけ増えるのに普及していかんのやろ?」 おいさん「狭い地域で、とか仲間内とかボランティアがやっとったような仕事にしか使われんね。種類が増えとるんは、今の経済に疑いを持つ人らが、とにかくやってみようとするからじゃろね。交換する時、今の地域通貨を使うなら、人は相手と向き合わざるを得ない。これは、フェアーなことや。けど、すべてに地域通貨を使うんは、面倒でかなわんよ。いちいち

            回帰する核家族の未来 2. 理念モデルと多様な核家族の形態

            より続く トッドの家族形態論 トッドの家族形態論が有名なのは、この共同体家族のあり方と共産主義のあり方の類似性を指摘し、ロシアの他にも中国やキューバなど20世紀の共産主義国家が建設された地域は共同体家族が優勢だったことを立証したからだ。 これらの国々の共同体家族は父方居住であり、家長の絶大な権力の元で兄弟夫婦が力を合わせて生計を立てる父系傾向が強いので、これが共産党の支配下における民衆の平等という構図と一致したのである。この構図は、ツァーリズムとも親和的であり、専制下の

            小説「対抗運動」第5章3 価値形態論

            おいさん「舞ちゃん、も1つ考えないかんことがあるんじゃ。」 舞ちゃん「まだあるん?」 おいさん「王様はなんで王様か、いうやつじゃ。舞ちゃん、人はなんで王様に仕えるんじゃろ?」 舞ちゃん「それは、相手が王様じゃから・・・」 おいさん「王様に、なんで王様か聞いてみたら、臣下が私のことを王様、と言うて仕えるからじゃ。」 舞ちゃん「えっ、? おかしいね。」 おいさん「今、アメリカが王様、じゃね。どこの国も仕えようとしよるね。これまでは、桁外れの経済大国やから、と言いよった

            小説「対抗運動」第5章2 ものの値段・・・「転形問題」

            舞ちゃん「おいさん、考えたんやけどね、フェアトレードしょう思たら市民通貨が要るね。」 おいさん「・・・・・」 舞ちゃん「私が貯金使うて仕入れたら、何倍も儲けてしまうことになるよ。バングラデシュの人らは1カ月2000円位の賃金で働いとるんやから。」 おいさん「そうじゃね。国内で仕入れるより格安で仕入れることができるね。けど、儲かるかどうかはわからんよ。舞ちゃんが仕入れに使うたお金より高く売ることができんとね。売れるじゃろか。」 舞ちゃん「もうちょっと聞いて。私が言うとる

            探究をめぐって 4.資本主義と共産主義の境界

            必要に応じて与えるとは? マルクスは、能力に応じて与えるのが資本主義であるのに対して、共産主義においては必要に応じて与えるのだといいました。しかし、ここで必要とは何でしょうか。障害者には障害者の、健常者には健常者の必要があります。大事なのは、個々人それぞれに、つまり特異的な存在者の一人一人に固有の必要なり、能力がある、ということです。そして、それは世の中の、つまりその個々人を取り巻く環境の変化によっても刻々と変わっていく。それらは、個人の能力と環境との外面的事実、つまり「関

            小説「対抗運動」第5章1 サスティナブル

            舞ちゃん「おいさん、庭園美術館の国際フェアトレード・デー、どうやった?」 おいさん「まや・ラミスさんの歌、よかったよ。中でもね、6曲くらい歌いよったけど、おいさんは、レゲエの曲でね、まやさんの作った歌やないんやけど、まやさんが訳したんかな、反戦歌がよかった。歯ぎしりしもってね、けど、後悔するんは、わたしらやない。盲目にアンフェアな戦いを続けるやつらや、と歌うんじゃ。今だけやない。子供や、そのまた子供の審判をうけるんや。死んだ人らのもね。 今度、TCXで出す冊子も32ページ

            回帰する核家族の未来 1・決まり切った幸福と様々な不幸

            レフ・トルストイは、『アンナ・カレーニナ』 を「幸福な家庭は決まり切ったかたちしかないが、不幸な家庭のかたちはさまざまである」という著名な文章で書き始めている。19世紀後半のロシアを舞台とするこの小説は、政府高官の妻であるアンナと恋敵キティの対照的な生涯を描いたものだ。アンナは、人妻であるにもかかわらず、キティとヴロンスキーを取り合い、ペテルブルクの社交界にその噂が広がって締め出されてしまう。アンナとヴロンスキーが結果的に悲惨な最期を迎えるのに対して、その後のキティは地方地

            小説「対抗運動」第4章5 国際フェアートレード・デー

            おいさん「舞ちゃん、5月の第3土曜日は国際フェアトレード・デーやね。今年は17日じゃ。グローバル・ヴィレッジは東京都庭園美術館でイべントやるんじゃが、プログラム見たら、反戦デモで知り合うた人らが大勢参加しよる。ファッションショーやライブも楽しみなんじゃが、フォーラムに期待しとるんよ。おいさんは、トランスナショナルな対抗運動のヴィジョンが生まれる、これが第2回目の機会じゃと思うとる。」 舞ちゃん「ワールド・ピース・ナウの4月30日のシンポが第1回目・・・」 おいさん「『未来

            小説「対抗運動」第4章4 もみがらミネラル炭、生産―消費協同組合、市民通貨、万置き

            おいさん「舞ちゃん、ミネラル炭の引き合いがきたよ。」 舞ちゃん「えっ!大山千枚田の人達から?」 おいさん「いや、庭師の親方からなんや。秋にお寺の土壌改良をするんやて。菅原さんいうてね、ルソーやマルクス読む庭師がおるんやけど、親方に宣伝してくれたんじゃ。豪い庭師でね、小説書いたり、在日のペルー人やコロンビア人とアソシエートしたりしよるんよ。おいさんはよう知らんかったんやけど、病気になった欅の治療にもみがら炭が効くらしい。最近は炭焼く人が少のうなってしもて、炭を手に入れるん

            小説「対抗運動」第4章3 田植え

            舞ちゃん「おいさん、ワールド・ピース・ナウのシンポジウムは、どうやった?」 おいさん「うーん。まだ、これまでの総括いう感じでね、1歩踏み出す、とこまではいかんかった。トランスナショナルな対抗運動のビジョンが出てくるのには、あと2~3回はやらなあかんやろね。」 舞ちゃん「ふーん。東金の方は?」 おいさん「こっちは始まったばっかしじゃからね。第1部はフリートーキングが中心で、夜の第2部では10人くらいの人がね、それぞれどんな知恵出したか報告したんじゃ。いろいろあったよ。窓ガ

            小説「対抗運動」第4章2 自由が丘のグローバル・ビレッジ

            おいさん「舞ちゃん、ター博士が奮起してね、『トランス・コミック』の英語版が出来たよ。嬉しかったんで、NGOのグローバル・ビレッジにメール出して、万置きさせてくれんか、と頼んだら、フェアトレードカンパニーからええ返事が来たんじゃ。それで昨日事務所へ行ってきたよ。グローバル・ビレッジはワールド・ピ-ス・ナウの賛同団体じゃったけんね、広報担当の人がネモッちゃんのボイコットフラグに注目してくれとってね、うまいこといったよ。自由が丘の直営店に置いてくれることになった。活気ある事務所じゃ