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【3Days of Designレポート|デンマーク編】デザインイベントの考察<後編>

こんにちは、TRAIL HEADSのインテリア部長の櫻井です。

6月7日(水)〜6月9日(金)にデンマークのコペンハーゲンで開催されたデザインフェスティバル「3days of design」。展示会やトークショー、新製品発表などを通じて新進気鋭のデザイナーや著名デザイナーが様々な場所で紹介されていますが、年に一度ということもあり現地は非常に盛り上がっていました。
こちらを訪れた様子について、レポートでお届けしていきます!
前編は以下よりご覧ください。

後編では、新進気鋭の、個人的にも注目の新しいブランドをご紹介します!


6.「KOYORI(コヨリ)」

まずは天童木工と飛騨産業が協働し、昨年に日本でローンチされたまだ新しいブランドです。Ronan&Erwan BouroullecやGam Fratesiなどがデザインを担当。今回は新作の発表でした。

会場構成はGam Fratesi。コペンハーゲンで展示するなら絶対に和の雰囲気で構成する方がウケが良いということでブルレックの反対を押し切ったそう。間の取り方だったり、枯山水の表現がめちゃくちゃ素敵な展示でした。カウンターも今回のために設えたそうです。

7.「yoonede(ユーデネ)」

市街地の古い小さなアパートを会場にしたyoonede。
Sofie ØsterbyLine ØhlenschlægerMaaria Repoの3人のデザイナーによって今回の3days of designのために作られた展示です。まだ作り途中かのような雰囲気のある空間に20人弱のデザイナーやアーティストの作品が展示されていました。

普通グループ展というと、一角はあるデザイナーの場所、違う一角はまた別のデザイナーの場所と決めて表現されることが多いですが、yoonedeは全てが調和するように組み合わせ、多様性を統一するような表現でディレクションされていました。

会場にちょうどSofie Østerbyがいたので声をかけたところ丁寧に展示の意味など説明してくれました。英語が話せるともっと理解度が深かっただろうと、、、英語は来年またリベンジします、、、汗

家具だけでなく照明や織物、オブジェなど様々ですが、それらが上手にコーディネートされています。こじんまりとした庭には、北欧の古い建築と庭を彩る植栽に映えるように佇む白い彫刻も印象に残る場所でした。全体的に有機的で色もベージュ、オフホワイト系でオブジェ、アート系が多く、クリエイティビティを感じる展示でした。

8.「NINE(ナイン)」

&traditionverpanStellar Worksなどの親会社であるNINE unitedが、今回の3days of designで発表したコレクション。文字の通り9人のデザイナーのプロダクトがディスプレイされていました。各方面で活躍しているデザイナーだけでなく新進気鋭のデザイナーも起用しています。
各プロダクトはシンプルだけど何か惹かれるものがそれぞれあって、もっと一つ一つのストーリーを知りたいと思いました。

3days of design全体を通して印象に残ったのが、発色の良い青を取り入れている展示が多かったこと。NINEも青を打ち出しています。プロダクトは青の他、赤や白も多くyoonedeとは対照的な色使い、展示方法でした。
青は今後注目ですね!既に取り憑かれそうです!

9.「Tableau(タブロー)」

ギャラリー兼フラワーショップというスペースで、ここではフィンランドのパイン材を使って家具を作るvaarniiの展示を行っていました。それだけでなく、GUNIAWILLEM VAN HOOFFの陶器作品から Sarah Rosemanのファブリックのシェルフなど、個性的なプロダクトと共にスタイリングされていました。

パイン材で作る家具のシンプルな力強さ、周りの有機的なシルエットのプロダクトのメッセージ性、既存の建物のポテンシャルもあると思いますが、統一感があるわけではないからこそ表されるセンスの良さを感じられました。

そしてここでも床には青、これがコーディネートが全てに影響を与えているのは間違いないです。青いいな。

●全体を通しての考察

以上、前後編を合わせて9つの展示をご紹介しました。
このような展示会では「トレンド」を偏重する雰囲気もありますが、背景がありそこにものづくりのストーリーが乗っているのが各展示から見えました。出店しているブランドは各々の世界観で新商品が作り出されているので、俯瞰して見ると、特にトレンドを意識しているようには感じられませんでした。

強いて言うなら、今までもあった石や革などの素材感は引き続き多く、発色の良い色が今までよりも強く表に出ていました(特に青や赤)。上にも書きましたが、個人的には青は今後注目していきたいカラーです!また環境に配慮した素材利用も大きく謳っていないものの、個々で意識して取り組んでいる様子は感じられました!

また、誰もが自由に参加出来るイベントということもあり、一般の人も街を散策するように回れたり、ミラノサローネとはまた違ってゆったりとした時間を過ごしながら楽しめるイベントでデンマークの国民性が現れているイベントだなと思いました。

早速来年の日程も出ているのでまた参加したいと思います!
以上、櫻井よりレポートでした!!

集合写真!左からトレイルヘッズ増田、栗井、muutoディレクターのJaeさん、櫻井、山口


Writing: Masayuki Sakurai (TRAIL HEADS)
Editing: Shizuka Murakami(TRAIL HEADS)
Photo: TRAIL HEADS

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