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【3days of designレポート|デンマーク編】デザインイベントの考察(前編)

こんにちは、TRAIL HEADSのインテリア部長の櫻井です。

入社してから早5年が経ち、一貫して海外のデザインイベントに参加したいという願望を抱いていました。コロナの影響もありなかなか機会が訪れず、今年になってようやく行けるチャンスをいただきました!(TRAIL HEADSって良い会社だなぁ)

今回は訪れたのは、デンマークのコペンハーゲンで年に一度開催される「3days of design」!3days of designをご存知無い方も多いかと思いますので簡単にご説明すると、毎年デンマークのコペンハーゲンで3日間に渡って開催されるデザインフェスティバルです。展示会やトークショー、新製品発表などを通じて新進気鋭のデザイナーや著名デザイナーが様々な場所で紹介されています。今年は6月7日(水)〜6月9日(金)に開催され、今回で10周年ということで昨年よりも出展者も多く盛り上がりを見せていました!!

我々にとって、新しいデザインを見たりそこからインスピレーションを得ることは働く場を作る上で重要なことです。
個人的に立てた目標は、
 ・歴史ある街並みとそれらに溶け込むデザインを数多くインプットして、今後のクライアントワークへ昇華すること
 ・トレンドに留まらず長く愛され続ける家具の魅力の発信方法を知ること
 ・そして幸福度の高い国の働く場の様子などを知ること

こんな感じで、行く前からたくさんの期待を胸に、現地を訪れました!ここから先はその様子をレポートしていきたいと思います!私なりの解釈でかなり主観も入っていますのでご注意ください笑


序章

●コペンハーゲンについて

もうみなさんもご存知かと思いますが、デンマークはスカンジナビア三国の内の一つ。ヨーロッパ北部に位置しており、北はノルウェー、東はスウェーデン、南はドイツと国境を接しています。

この時期は湿度も低くとても過ごしやすい白夜のシーズンです。日がなかなか沈まなかったので気付けばもうこんな時間!?と毎日言っていました、、、
日中は半袖、夜はロンTにシャツでも少し肌寒いくらい。寒暖差があったけど、毎日ピーカンでめちゃくちゃ気持ち良い!冬は日も短く雨も増えてすごい寒いみたいです。

街中は近代的な建築もあればレンガ造りの歴史的な建築も数多く残り北欧独特の素敵な雰囲気は、歩いてるだけで楽しかったです。以前TRAIL HEADSメンバーで幾度か訪れたヘルシンキと人口はほぼ同じ。だけど市街地は少し都会的で人も多かったかな(イベント中だからかも)。
街中のお店を覗くと至る所に名作家具を見かけてテンションも上がります!
早く本編へ行きたいけどもうちょっと我慢して、、、

今回デンマークへ訪れたのは4日間。メンバーは私の他に山口、増田、栗井の4名です。デンマーク後はエストニアやフィンランドでサウナの追い視察の時間を過ごすなど、内容がモリモリな旅でした。話が脱線する前に少しずつ本題に入っていきましょう!

●3days of designの構成

「3days of design」では290もの展示が行われています。コペンハーゲンは小さな街だけど、単純計算してもたった3日間では全て回ることは不可能でした、、、なので、会場の一つ一つにピンを付け、行きたい展示の翻訳と、同時にインスタも確認しながらピックアップ。これがまた結構大変な作業で1週間くらい夜なべしました。(やっぱりTRAIL HEADSって良い会社だな!笑)

HPでは13の地区があるとのことですが、体感的には大きく分けて5個くらい。市街地の南部、中央、北部と、運河を挟んで東部中央とその北部湾岸エリアって感じ。日本で見かけるブランドも数多くあるけども、現地での世界観の表現、その土地や建物を活かした魅せ方などに期待して回りたいと思います!


本編

●展示についての考察

お待たせしました、ようやく本題の展示紹介に入っていきます!全部は紹介しきれないのでいくつかピックアップします。
私の拙い英語力では全てを理解しきれなかった部分もあるので、で予めご理解ください。

まずはだれもが知っているビッグネームから!!

1.「Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)」

デンマーク王立芸術アカデミーの会場を貸し切っての展示をしていた地元Fritz Hansen。

1872年から続くこのブランドは日本でもお馴染みセブンチェアやアリンコなどを始め様々な著名デザイナーの家具が世界中で幅広く愛されています。会場構成は素材や色、シルエットなどのテーマを丁寧に見せるインスタレーションでした。美術館のように贅沢な空間の使い方と、部屋ごとにテーマを分けた構成が圧巻。

ポール・ケアホルムのアイテムに絞り、鉄骨のフレーム内にパーツ一つ一つの素材を際立たせるように吊っている。
暗闇の中に真っ白なチェアをスポットライトで照らしシルエットを際立たせている。めちゃくちゃ美しい。
フレームの中に同じ色の家具を配置してダイナミックに積んだ構成が力強い。
セシリエ・マンツのテーブルを中心に、全て木製品で統一したスタイリング。

中庭には、最近仲間入りしたというSKAGERAKのアウトドア家具を配置してドリンクの提供を行い、自由に座れるようになっていました。

ここで飲んだワインとコーヒーがめちゃくちゃ美味しかったな。LA CABRAというコペンハーゲンのコーヒー。お土産に買って帰ろうと思ってたけど、時間無さすぎて買えなかった、、、

本社は市街地から少し離れた場所にあるそうなので見れたのは展示だけでしたが、素敵な美術館を訪れたような余韻が残りました!

2.「HAY(ヘイ)」

HAYは日本では株式会社ウェルカムが運営しています。今回案内してくれたのは、日本から出張で訪れているというHAY Japanの殿川さん。私も以前CIBONEに勤めていたので彼とは元同僚です。
会場はHAY HOUSEと呼ばれるショップ兼オフィス。今年から2フロア拡大して丸々1棟解放していたので、見どころ満載な展示会場でした。最上階は食堂兼会議スペースで、建物の古さとHAYのパキッとしたデザインのバランスが素敵な世界観を生み出していました。

Muller van severenのワゴンやキャビネットの新作やStefan Diezのテーブルなどももちろん展示していました。個人的にはテーブルが良かったな。太いアルミ管でシンプルに構成される脚で、ボリューム感と抜け感はあるけど、重量は持ち運びが出来るくらい軽い。neworder同様に、独特な組み立て方が印象的でディテールにも気を配っているのを感じられました。

パジャマや寝具も独自のカラーで発表。パジャマと言っても外にも着れるような可愛いデザイン。

(画像はvogue japanより引用)

HAY HOUSEで働くスタッフはこの期間はこれがユニフォームだそうです。HAYは色使いも秀逸で毎回素敵なバリエーションのカラー展開を見せてくれます。その他にもHAYはインテリア小物も多く取り扱いしているし、上手にトレンドを取り入れているので、若者にも支持される理由が分かります。店内はお客さんも多く活気に溢れていました。

そしてここは、オフィスエリアも公開されていました。
家具は全てneworderですね。アメリカではHAYはHerman millerの傘下だからか椅子はcosm chairを合わせています。肘掛け無しの椅子はスッキリしていて個人的には結構好き。フローリングのオフィスって良いですね。

オフィスの様子(イケメンと目が合ってしまった・・・汗)

3.「GUBI(グビ)」

このブランドは、クラシックなフォルムながらも現代的な要素が絶妙に取り入れられているデザインが個人的にも大好きなブランドで、今回一番楽しみにしていた展示です。
会場の中でも1番北部にあるため、初日に辿り着いた時には夕方でギリギリ閉店で入れず2日目にリベンジしました、、、泣
港沿いに面しており景色も良く最高なロケーション。気持ちの良い場所でkvadratやvitraと並ぶように店舗兼オフィスを構えています。

NYのアパレルブランドのNoahとコラボした、アウトドアチェアやブランケットなどの5つのファッションアイテムの発表でした。

オフィスが併設されていますが、イベント中のためかスタッフは2割ほどでしたが全員が昇降デスクを利用しているようでした。しかも勤務中も結構皆カジュアルに後ろ向いて話し込んでいたりと自由な雰囲気。なんとチェアはOKAMURA社のバロンで統一。ワークスペースで日本のメーカーが活躍しているのは、嬉しいですね。

物件は天井が高く開放的な建屋で、オフィスともほぼ仕切られてなくて行き来も自由で全てがオープンな雰囲気。オフィスエリアはかっこつける感じも無いし、全然整頓されているわけでもないけど、それも含めて自然体で、GUBIを支えている裏方の人達の顔も見えるショールームは透明性あって潔くて良いなと思いました。(セキュリティ的な観点は気になるけど)

もちろん展示も素晴らしい。自由なスタイリングに、気取ってなくてゆるっとしているんだけど適度な緊張感がある。展示からも人からも、「普段からきっとこうなんだろうな」と感じるものがありました。デンマークの文化でもある"ヒュッゲ"の表れなのかもしれません。

4.「Michael Anastassiades(マイケル・アナスタシアデス)」

ロンドンを拠点に活動をしているアナスタシアデスは、北部エリアでDansk mobel kunstのスカンジナビア家具とともに新作展示を行っていました。

歴史的な雰囲気のあるこの場所は、元船舶修理倉庫だったそうで広さは120㎡、天高も9mと抜け感が印象に残る会場。タイトルはstilleben2(1は2016年にパリで開催)。
静けさと生命のバランスの考えを指しているそうで、所有者がちょうどここから立ち去ったかのような状況を表現している。ちょっと難しいけど言われてみればそんなようにも読み取れる。家具の静けさと照明のパワーの相殺により調和を測る展示がなんとも厳かで素敵な空間でした。思わず写真を撮りたくなる展示です。

空間を暗くすることで照明が美しく見え、同時にDansk mobel kunstの家具も心地よく映えていたのが、皆の脚を止めていたのかもしれません。

5.「muuto(ムート)」

最後はmuutoです。インターオフィスさんにお願いして、muutoのオフィスも見せてもらいました〜!(木村さんありがとうございます!!)
案内してくれたのはmuutoでディレクターを務める韓国籍のJaeさん。めちゃくちゃパワフルな女性で英語が分からない我々との会話も不自由さを感じさせないコミュ力で大変ありがたかったっす〜!押忍‼︎
ショールームはmuutoの世界観が抜群に表現されていて、トレンドをキャッチしながらインテリア小物も素敵に配置しています。

小さな庭にはアウトドア用の家具照明も展示されており、思わず一息ついてしまう空間でした。建物も北欧の古き良き古民家という雰囲気。建物から家具小物までの全てが一つになっている印象です。

歩いて3分ほどにあるオフィスにお邪魔すると、3 Days of Designの為にバリスタが派遣されていて、ラテとクロワッサンをご馳走になりながら休憩。デンマークのコーヒーとパンめちゃくちゃ美味いっす‼︎押忍‼︎
ここでは社員の方たちも自由に休憩時間を楽しんでいる様子でした。

オフィスにもショールーム機能があり、パートナーなどにmuutoの世界観の共有出来る場があります。

彼女に「トレンドは意識しているのか?」と質問したところ、muutoはトレンドを追っていないと。その時代背景や状況によってカラースキームなどが割り当てられる。例えばコロナの影響でリモートワークが取り入れられる企業も増えると、家でも落ち着きを得られる色とブランドの価値観が合わさり新色が発表される。それが次第にトレンドになっていくそうだ。私たちがトレンドを作っちゃってるのよね〜テヘペロ♡という感じです笑 押忍‼︎

オフィスフロアもお邪魔させていただきましたがここでも全員が昇降デスクを利用しています。立ちながら仕事している人は見かけないけど、全員高さを変えて仕事している感じが見受けられ、各々の働くスタイルに企業が合わせているように感じます。これらが幸福度ランキング上位を争うデンマークの理由の一つなのかもしれません。

屋上もあり、前日にはDJを招いてパーティをしていたそう。夜中の1時まで踊って騒いでポリスも来たわ〜テヘペロって言ってました。押忍!!

この3日間はどこの会場でも夜はパーティを開催している模様。みんなパーティー好きなんだなとしみじみ感じました!デンマーク最高っす‼︎


櫻井がピックアップした、ビッグネームの展示を紹介する前編はここまで!
後編では、目を引いた新進気鋭のブランドをご紹介したいと思います。
お楽しみに!

Writing: Masayuki Sakurai (TRAIL HEADS)
Editing: Shizuka Murakami(TRAIL HEADS)
Photo: TRAIL HEADS

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