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はじまりは山登りとともに

What's JAM?

「仕事も、暮らしも、遊びも。全部を楽しみながら、シームレスに生きること」を掲げるトレイルヘッズ。
新企画の「JAM 」では、そこで働くメンバーやパートナーがどのような想いを持って働き、暮らし、遊んでいるのかを発信していきます。
オフィス作りについて調べるうちに弊社を知って頂いた方はもちろん、偶然知って興味を持っていただいている方にもこの企画を通してトレイルヘッズについて知っていただけると嬉しいです。




はじめに

「一年の始まりに、私たちは山登りをしました!」
このような会社は、多くはないと思います。
アウトドアのギアを作る会社でも、全員が日頃から山登りに勤しむというわけでもないトレイルヘッズ。働く空間をプロデュースする私たちが、なぜ一年の始まりにアクティビティをするのか?
今回は入社2年目にしてnote執筆に初挑戦した石黒が、キックオフでのアクティビティで感じたことを通して、その理由を考えてみます。

一年のはじまりは山登りとともに

一つ前のnoteにて、毎年期初に開催されるキックオフの今期前半の様子をお話ししました。ミーティングにキャンプ、焚き火にサウナ。しかし私たちのアクティビティは、これだけではありません。

「今年のキックオフでは、2日目に山登りをします!」
そうアナウンスがあったのは、確か7月くらいのこと。
昨年とその前は群馬県の丸沼高原にてSUP。今年は日本で一番高い場所に位置する野温泉を目指し、片道約2時間から2時間半の山登りをすることになりました。
山登りに慣れているメンバーもいれば、どちらかというと波を求めて週末を過ごすメンバーもいるトレイルヘッズ。比較的気軽な道のりだとわかっても、どんなギアを揃えればいいのか少し迷いながら、慣れているメンバーに知恵を貸してもらい当日まで準備を整えます。

迎えた当日の朝。
前夜飲み物を片手に語り合った跡と、一日お世話になった寝床を片付けていきます。
当然のことかもしれませんが、誰かが起きてこないなんていうこともなく、1人また1人と「おはようございます」と増えていく。自分の支度もしながら周りを見て動くメンバーたち。
大人なら当然のこと、と感じるかもしれません。しかし広く時に厳しい自然の中で、その時に必要なことを自分で判断し行うことは、必要不可欠でありながら、自然が私たちをそう動かしてくれるのではないでしょうか。
そうしているうちに、あっという間に私たちのベースは広い地面に元通り。
ついに山へと出発します。

一日、お世話になりました!

そして山へ

車から降りると、持ち物を最終確認。全員で写真を撮り、緩やかな道を歩き始めます。

しばらくコロコロとした石の多い道が続きます。そして少し急な上り坂が続いたり、平坦になったり。
歩いていくメンバー同士の会話が途切れることはありません。山であった事故の話、もし熊に襲われたら。前職の話、家族の話、最近の過ごし方、考えていること…
難易度の低いルートだから会話も容易なのかもしれません。
しかし、頻繁にサーフィンやスノーボードに一緒に出かけ、楽しさ、環境、高揚感を共有しているメンバー達だからこその関係性、そして自然という環境が普段の緊張やガードを取り払ってくれるからこそ、会話が途切れることはないのだと感じました。

歩みとともに途切れない会話

途中、メンバーが突然声を上げて足を止めます。
「鹿だ!」
手前に一頭、そしてよくみると奥に一頭、そのまたさらに奥にも一頭。
少しこちらを警戒しつつも、逃げる様子はありません。私たちをじっと見つめて、なんだかこちらが諭されているような気分になりながら、レンズを構えたりとしばしその場に止まります。

「いってらっしゃい」と言ってくれているようです

『阿吽の呼吸』

鹿達に見守られながら、目的地まであと半分を切り再び歩み始めます。
ここで気づいたことがもう一つ。
会話は途切れることがないが、あえて言わない部分もある、ということです。
山登りは、歩いているうちに隣にいた人が後ろや前にいることがあります。通常の生活の中で、突然その場から移動するときは一声かけたり、何も言葉がないと違和感がある場面もありますが、このときはあえて「後ろに行きます」「前に行きます」ということはありませんでした。そこに違和感もありません。
まるで元からそうであったかのように、起きていた会話は途切れることなく、心地よく歩みが進みます。
山登りというアクティビティは、時間をかけて目的地を目指します。サーフィンやスノーボードのように一瞬の出来事ではなく、その連続した時間の中で協調性を育むからこそ、会話を楽しみつつも『阿吽の呼吸』のようなもの
が存在する
のかもしれません。

汗を流し、硫黄の香りを纏いに

硫黄の香りがだんだんと近づきました。
一歩一歩進むにつれ強烈になる香りと、最後の登りに心躍らせること数分、ついに野温泉に到着。
思っていたよりもこじんまりとした温泉に、恐る恐る足を入れるメンバー達。熱い。慣れるのには少し時間が必要な温度で、温泉に浸かっている部分だけ身体が赤くなってしまったメンバーも。
とはいえ2時間半の道のりの後の温泉は、空もちょうど晴れ渡り、風も涼しく心地よく至高の時間となりました。
チームで山に登り、そして小さな温泉に肩を窄めながら入る。
トレイルヘッズらしい。そう感じた瞬間でした。

こじんまりとした温泉はメンバーがぎりぎり入るくらい

硫黄の匂いを纏って温泉を出て、来た道を戻る前に、みんなでお昼の時間です。朝受け取ったドライフードにお湯を注ぎ、残り半分の道のりのエネルギーを補給します。
温泉に入る前ここを通過した際、「温泉はこの上ですよ」と教えてくれた男性の手元にあったカップラーメンを見てしまったメンバー達。やっぱり山の上で食べるカップラーメンは外せないと、数人が山小屋に向かいます。
山の上で食べるご飯は、どうしてこんなにも美味しいのだろうか。
そんなことを考えながらコーヒーで口直しすると、残りの道のりに向けて出発します。

カップラーメンの話で盛り上がるメンバー達

雨の予報があったこの日、急ぎ足で下山した私たちが登山口に到着した時に、ちょうど遠くで雷が聞こえました。
メンバーの顔には、達成感と楽しさ、「お疲れ様!」という清々しい表情が浮かんでいました。


だから今年もアクティビティを。

わたしたちをありのままにし、お互いの関係性を深め、そして直感のままに動かしてくれる自然。そんな環境の中で過ごし、遊んでこそ感じられること、学び、そしてその偉大さ。
オフィスという空間で、机に向かっていてはわかることのない体験がそこにあるからこそ、私たちはチームでアクティビティをするのだと、この山登りを通して実感しました。

訪れた日本最高所の温泉。皆様もぜひ!

Writing: Yuri Ishiguro (TRAIL HEADS)
Photo: TRAIL HEADS




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