『あの夜を覚えてる』は、ラジオ好きな人の"あの夜"の話だった。
オールナイトニッポン55周年記念公演『あの夜を覚えてる』
ニッポン放送の館内から生配信で届けられた この演劇公演は、ラジオリスナーとして、物凄く刺さるものだった。
もうすぐ記念すべき100回目の放送を迎える『藤尾涼太のオールナイトニッポン』を創っている、パーソナリティ、スタッフ、リスナーたちの、ラジオが好きな人たちの"あの夜"のお話。
公演概要
キャスト&スタッフ
劇中には細かい演出や小道具で、ANNリスナーが じわじわニヤニヤする要素が散りばめられており、しかもこれが、生で演じられていて、観客側のリスナーもメールやチャットで参加しながら展開されていき、画面越しの私に届けられていたなんて信じられない。物凄いものを観た。観れて本当に良かった。
3月20日(初日)・27日(千穐楽)二公演とも観劇した。とても感激した。
そして、泣いた。
これは、泣く。
毎度の放送を楽しみに深夜ラジオを聴いているリスナーとして、沁みる"あの夜"がいっぱいある。
笑った夜、泣いた夜、刺さった夜、面白かった夜、孤独が少し和らいだ夜…
私が最初にオールナイトニッポンを聴いていたのは中学生の頃で、ずっとではないが時に飛び飛びで高校生くらいまでは聴いていたと思う。それからウン十年は聴かずに離れていたが、2017年1月 星野源のオールナイトニッポンを初めて聴いたのをきっかけに、再びANNリスナーとなった。
そこからまた5年超が経った2022年 現在、リアルタイムとタイムフリーも含めて、毎日ラジオを聴いている。主にANNが好きで聴いている。オードリーのオールナイトニッポン、佐久間宣行のオールナイトニッポン0、Creepy Nutsのオールナイトニッポン0(2022年4月から1部ANNへ)、YOASOBIのオールナイトニッポンX(2022年3月末終了) 等々、好きな番組も増えた。
ラジオは、話し方や声にのって人柄が伝わってくるメディアだと思う。そして、距離が近い。パーソナリティとリスナーの間柄は、テレビで観る出演者と視聴者の距離感とは、まるで違うように感じる。グッと近くなる。
特に、耳も心も澄まして聴く深夜ラジオは、より近づく…気がする。
リスナーはパーソナリティを友だちのように慕う。パーソナリティも友だちのようにリスナーと接してくれる。くだらない話をしたり、人生相談したり…そんな仲だからこそ、親しき仲にも礼儀ありで、メールする時やTwitterで呟く時は気をつける。パーソナリティやスタッフさん、リスナー仲間が嫌な気持ちにならないように。
そんなラジオと人の繊細に絡まる素敵な関係性が『あの夜を覚えてる』には練り込まれて描かれていた。
だから、泣いた。
あちら側のパーソナリティ・スタッフ、こちら側のリスナー、電波で繋がった馬鹿真面目たちで創る忘れられない最高の夜がある。いくつもの あの夜を覚えてる。
パーソナリティ藤尾涼太とスタッフがリスナーに届けて繋がった"あの夜"は、私の"あの夜"に重なる。
ふと出た一言、ポロッと零れた言葉、一瞬の間、喉が鳴る音、吐息、声色…
トークを形成する要素の細部までイヤホンから伝わってきて、私の鼓膜と心を震わせる。
電波にのって伝わってきているパーソナリティの言葉には、そういう物凄くパーソナルなものが含まれていて、とても貴重なものを受け取っているんだと、この公演を観て芯から気づかされた。
ラジオ聴いてて良かったなあ。ラジオ好きだなあ。
『あの夜を覚えてる』観れて良かった。
主題歌『ばかまじめ』
Creepy Nuts × Ayase × 幾田りら
"辛いきついもいつかは
笑い話にできると信じてるんだほら"
"馬鹿真面目な僕らに幸あれ"
馬鹿真面目な私たちの毎日を明るく弾ませてくれる歌♪
りらさんのクリスタルみたいな綺麗な声と、Rさんの優しい成分抽出し柔らかく仕上げましたみたいな声、本当に相性抜群で絶妙な融合具合。耳触りが、とても気持ちいい。
リリースされてから毎日聴いている。
本当嫌んなる毎日を、なんとか弾ませて、がむしゃらに今を生きている。
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