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子どもを枠内にいれてあげないと可哀想 〜子どもを叱れない全ての人へ〜



ゴールデンウィークを利用して、大学の友達と遊びに来ていました。

旧友と会ったらまずは何を話すか。当然、恋バナですよね。その中で友達がこんなことを言っていました。



👦「俺、付き合う人が優しすぎる人だとダメだわ。わがまま暴君になる。そんな自分が嫌になる。」



これを聞いて思い浮かんだのは一昨年と去年、暴君になってしまった児童たちの顔。友達が言った友達と恋人との関係はそのまま、担任と子どもの関係にも当てはめることができるなぁと思いました。

担任は優しすぎるとダメなのです。理解してあげようとしすぎたらダメなんです。


っていうかむしろ、叱ってあげるのが優しさなのです。

教員になって3年目。叱ることの大切さにやっと気付いた僕が、以前の僕に向けて書く:記事です。未来からのタイムカプセルです。

この記事が優しすぎて叱れない、全ての人に届くことを願っています。それではよろしくお願いします!!





拝啓

この手紙を読んでいるあなたはきっと、「全ての子供を認めてあげるぞ!」「全ての子どもが活躍できるアベンジャーズみたいなクラスを作るぞ!」と理想に燃えていると思います。

とてもキラキラした理想です。ぜひ目指してほしいなって思います。

ところで、このような思いをもっている背景を以前話してくれましたね。

・自分が受けてきた(と感じている)ような、先生にとって都合が良い子供だけされる評価されるような教育はしたくない。全ての子どもが自分の価値を信じることができるようにしてあげたい。

・子ども食堂に通ってくる児童のように、なかなが学校で認められていない子供達を認めてあげたい。

・自分は苦手なことが多いから、できない児童の気持ちがわかる。この子達に寄り添ってあげたい。

・自分はクラスの異物としていじめられたことがある。その時に僕を認め、受け入れてくれた友達たちのように、ひねくれたような子どもでも受け入れて、寄り添ってあげられるような先生になりたい。

・子どもの意見に聞く耳をもたず、高圧的に接する先生ではなく、子どもの主体性を尊重しできる物分かりの良い先生になりたい。

あなたはたくさんの経験を通して、このような想いを持ったのですね特に、子ども食堂で接した子どもとの日々や、いじめられた経験はあなたにとってものすごく大きなインパクトだったようですね。

たくさんの立場を経験し、人一倍他人の気持ちに共感できるあなたです。子どもの気持ちに誰よりも寄り添うことができるでしょう。


そんなあなたから見ると、先輩先生方の指導は人権を無視したような、児童のことを全く思いやっていない、酷いものに映るかもしれません。

「自分は絶対にああならない」と思うかもしれません。先輩方を否定するべく、知識を集め、理想の学級経営を実践していくのかもしれません。

ただ、そこで一歩立ち止まって考えて欲しいのです。本当に先輩方は子どものことを思いやっていないのでしょうか。実は僕はそう思いません。そう思わなくなりました。

先生方は子どもを思い遣っていないから、酷い叱り方をするのではないのです。子どもを社会の枠の中に入れてあげないと、子ども自身が辛い思いをするのがわかっているから酷く叱るのです。そこには「自分は嫌われてでも、、、」という覚悟があります。

学校は一つの社会です。社会には見えない枠があります。この枠からはみ出る人が出てくると、嫌な思いをする人が出てきます。

そんな僕の意見にあなたはこう言ってくるでしょう。

🧑‍🏫「それは分かる。だけど、毎回毎回叱られる子が固定化してしまって自信を失ってしまうじゃないか。僕は社会の枠から外れて、いじめられたことがある。そんな僕を救ってくれたのは僕を認めてくれた友達たちだった。だから、僕はそんな子でも認めてあげたい。」

そうですね。いじめられた経験が有るあなただからそう思うのでしょう。でも、こうも思いませんか?

「社会の枠から外れる前に、誰かが止めてくれてたら。」

社会の枠から外れると、みんなから白い目で見られたり、認められなかったり、辛い思いをするのはあなたが1番知っていると思います。暴君のような自分が心底嫌いになるのはあなたが 経験したことの中で最も苦しかったことだと思います。

先輩方は社会の枠からはみ出ることが不幸を招くことが分かっていて、枠から飛び出さないように、飛び出さないように指導に当たられているのではないでしょうか?


ただし、、、。学校という社会の枠が今の子どもにとって狭いものになりつつある可能性は僕も捨てきれていません。明らかにこれらの枠内に適応できない子どもが増えています。

だから、今後学校はこれらの枠を広げていく努力をするべきだとは思います。

ですが、今すぐに学校は変わりません。現時点ではこれが子どもにとっての社会なのです。ここからはみ出ないように、指導するのがあなたが発揮できる最初の優しさなのだと思います。

それでも枠内に収まらなくなった時、あなたの共感力の高さがここで生きてくることでしょう。その子の困りを見つけてやり、共に解決してあげてください。


今の僕の話にきっとあなたは納得できないでしょう。理想が強いあなたのことは僕が1番知っています。

今すぐ納得できなくていいんです。たくさん挑戦してください。たくさん失敗してください。

そしたらいつか、僕のような結論に辿り着くはずです!!



とはいえ、、、僕もまだペーペーの分際で、修行中です。たくさん経験を積んで共に成長していきましょね!



敬具















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