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歯車のつくりかた解説 ③熱処理

歯車に興味のない人間でも、歯車製造について理解ができる記事をめざして書きます。マイナーすぎる世界に興味を持ってくださる方々へ感謝。

前回の記事:歯車のつくりかた解説 ②歯切り加工

熱処理とは

金属を熱したあと冷却することで強度や耐久性を変化させることができる。刀鍛冶をイメージするとわかりやすいかも。

歯車製造の工程において用いられるのは、熱処理の中でも表面熱処理と呼ばれるもの。表面処理と呼ばれることもある。

この記事では、代表的な表面熱処理方法である、浸炭焼入れと 高周波焼入れについてまとめる。加工する鋼鉄の炭素含有量によって適した表面熱処理方法が変わる。

浸炭焼入れ(Carbonitriding)

低炭素鋼の表面に炭素をしみこませることで、表面は硬く、内部は柔らかい(靭性が高い)材質にすることができる。

自動車部品や機械部品に多くつかわれている。炭炉へ製品を投入し、高温で加熱する。

鋼は炭素含有率が高いほど硬度が高く、靭性が低いという特徴がある。
代表的な低炭素鋼にはSCM415(クロムモリブデン合金鋼)がある。

高周波焼入れ(Induction Hardening | IH)

加熱用コイルを用いて電磁波によって焼入れを行う。炭素量が中~高程度の鋼鉄素材の焼き入れに適している。

必要なエネルギーは電力のみで、ガスや石油の燃焼を伴わないというメリットもある。

まとめ

理解があっているか自信がないのですが、キッチンをイメージするとわかりやすいかも?ガスコンロみたいに加熱するのがが浸炭焼入れ、IHコンロみたいに加熱するのが高周波焼入れ、と理解しています。

もともとはガスコンロしか存在しなかったように、表面熱処理も浸炭焼入れしか存在しなかった。しかし、エネルギー効率が良く、比較的安全にキレイに使えるIHが登場したことにより、一部の素材は高周波焼入れへとシフトした。ということだろうか。

補足:レーザ焼入れ

高周波焼入れに似た表面加工処理にレーザ焼入れというものもある。ナニコレかっこいい。。。

高周波焼入れに似ているが、電磁波の代わりにビームを当てることで熱処理を行う。そのため局所的な焼入れに適している。また、高周波焼入れよりも素早く焼入れすることが可能。


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