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すぐに覚えたことほどすぐに忘れていくという話

Yoshiです。

僕はよくビジネス洋書を英語オリジナルで読んでいます。

もともとは英語の勉強のつもりで取り組み始めたのですが、あんまり英語の勉強にはなってないと正直思っています。

英語の勉強をしたいなら、自分が英語を使う状況下を想定した訓練を積んだほうが良い。ビジネス英語を鍛えたいならメールの読み書きとかですかね。

しかし、一方で想定外の効果があることに気づきました。日本語版を読むよりも、英語オリジナルで読んだほうが圧倒的に記憶に残るということです。

おそらくこれは言語の違いではなく、時間をかけて意味を調べながら読み進めていることが関係していると考えています。単純に英語オリジナルを読むときには日本語版の2倍以上の時間がかかる。わからない場所はあいまいにせず、時間をかけて咀嚼するからこそ理解が深まるのではないかと。

そこで一つの仮説が生まれました。読書によって知見を蓄えられるかどうかは、読書にかける時間の長さと深い関係があるのではないかということです。

速読よりも精読

速読派のみなさんごめんなさい。本の読み方は人それぞれだと思います。なので、科学的根拠に基づかない一個人の感想として見流してください。

でも、これは僕の経験上これはすごく当てはまってしまうのです。

昔、意識の高い新入社員だった頃の話です。「一つ頭の抜けた新人になるんだ!」と意気込んでいた僕は日本経●新聞を購読していました。朝の通勤電車内で新聞を速読する習慣を一年以上続けました。ですが、残念ながら経済の知識が定着することはありませんでした。

じゃあこの習慣を10年以上続けたら?この場合でも経済専門家からは程遠い状態だったでしょう。なんせ新聞を読んでいる時間はおよそ一日30分。その短い時間で記事の内容や背景を理解することは不可能だったからです。

一応、気になった記事はスクショして(電子版の特権)、定期的に読み直したりしていました。でも数週間前の記事の内容が頭から抜け落ちているということはザラで、二度と読み返すことがないということもしばしばでした。

自分にとって興味の薄い内容の記事を短時間で何度も読んでもムダということです。

じっくり時間をかけて何度でも

じゃあ、興味のある内容だったらどうか?この場合でも同じだと思います。

意識の高かった僕は、週刊ダイ●モンドや東●経済も購読したり図書館で読んだりしていました。

そうすると、10週間に1度くらいの確率で興味のある回に巡り合います。その時は確かに読んでいて面白いし勉強した気になります。

けれど大抵の場合、数週間後にはその内容をほとんど思い返すことができませんでした。読みながら書いたメモは殴り書きでなんて書いてあるのかわからない。そもそもなんでメモを取ったのかがわからないというケースが多発しました。(僕の字が汚いことも要因の一つではありますが・・・)

気づいたときには毎朝新聞を読んだり、毎週経済誌に目を通す習慣はなくなっていました。それらは勉強した気にはなるけど、ほとんど知識として定着しないことに気づいてしまったからです。

こういった観点から、本を読む数や時間を目標にすることはあまり効果的ではないと思っています。

じゃあどうすればよいのか。僕は同じ本を時間をかけて何度も読むことが大事だと思っています。

一周目では気づかなかったことに二周目で気づくことがあるというのは本当に多いです。

読み終えた本を本棚に寝かせておいて、しばらく後に読み返すと熟成されるなんてこともあります。カレーみたいですね。不思議です。

「インプットよりアウトプットが重要」と言われるのも同じ理由ではないかと思ったりします。文章に書き起こしたり、他人と議論するためには何度も繰り返し本を読む必要がある。アウトプットするためには結果的に深いインプットが必要になるのです。

noteを書いている皆様は勉強熱心な方が多いので、既に自分にとってベストな読書法を身に着けているかもしれませんが、少しでも参考になれば幸いです。

余談

英語オリジナルでビジネス書を読むことについての余談です。

時々、「オリジナルを読んだほうが著者の意図が伝わる」という意見の方に出会います。しかし、この意見に対して僕は少し懐疑的です。

日本語版は出版社の厳しいチェックを経て世の中に出版されています。英語力がネイティブ並みの方はともかく、それ以外の人間がオリジナルを読んだとしても日本語版以上に著者の意図をくみ取れるとは思えないです。

オリジナルと日本語版で本に使われている紙の質や表紙が違ったりするので、そうした雰囲気を味わえることは醍醐味かもしれません。


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