『世界最高のチーム』③相手の価値観を引き出す会話を心がける
『世界最高のチーム』
ピョートル・フェリクス・グジバチ (著)
「生産性が高いチームの特性」について解説した本書。経営者や管理者に向けた内容ではあるが、一般社員でも実践できそうな取り組みもたくさん取り上げられている。それらについて解説していこうと思う。
本書から得られた一般社員でも実践できそうな取り組み
定期的な1 on 1 ミーティングを上司に依頼する
相手の価値観を引き出す会話を心がける
自身の言動が心理的安全性を下げていないかを意識する
働きやすい組織を見極める評価指標をもつ
相手の価値観を引き出す会話を心がける
本書では、上司が部下の価値観を引き出すための「7つの質問」を紹介している。本書掲載の内容と表現は変更しているが、具体的に以下のようなものだ。
ピョートル氏の推奨する7つの質問
①仕事を通じて獲得したいものは何か?
②その理由は何か?
③仕事の質を自己評価するための基準は何か?
④なぜいまの仕事をえらんだのか?
⑤昨年の仕事と今年の仕事はどのように関連しているか?
⑥あなたの一番の強みは何か?
⑦支援してほしいことは何か?
※表現は本文から変更しています
これらの質問を通じて、上司は部下の価値観を知るきっかけができる。部下の価値観を尊重し理解しようとする姿勢を見せれば、部下も心を開いて本音で話してくれるようになるかもしれない。
もちろん、本書のキーワードである「心理的安全性」を高めることにもなるだろう。
ただし、これらの「7つの質問」はあくまで手段であり、何もこの質問に固執する必要はない。
上司の価値観も引き出してみては?
本書では上司の役割として、相手の価値観を引き出す会話を行うことが推奨されている。しかし、部下の立場であってもこれは大切な試みだろう
上司と雑談する時間があれば、「7つの質問」を使ってみてはいかがだろうか。上司の価値観を知ることで、上司からの指示をより深く理解することにつながるだろう。
普段、部下から見える上司の姿はごく一部でしかない。上司の過去の成功や失敗、そこから得た教訓や判断基準を知ることで、上司に対する見方を変えることになるだろう。
特に「上司は自分のことを何もわかってくれない」「上司はいつも理不尽だ」と思う方こそ、まずは上司の価値観を知るということから始めてみてはいかがだろうか?きっと何か進歩があるはずだ。
関連書籍
自分以外の人に関心を寄せるための方法として「外向きマインドセット」という考え方がある。相手の価値観を大切にすることに主眼を置く点は共通しているので、併せて理解するとなおよいと思った。
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