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『コンサル100年史』経営コンサルとは何者かを改めて考える

「戦略論」や「プロセスマネジメント」についてのnote記事を書いている過程で、これまでコンサルのフレームワークにたどり着くことが多かった。

そんなこともあって「そういえばコンサルってよくわからないな」と唐突に考え始めた。ひょっとしたら今後コンサルにお世話になる機会があるかもしれないことも鑑みて、あらためてコンサル、特に経営コンサルとは何者かということをまとめてみようと思う。

経営コンサルとは

大きな枠組みで経営コンサルを分類するなら、以下の3つに大別できるという。

①戦略系コンサル・・・BCG・マッキンゼー・ベインなど
②会計事務所系(監査法人系)・・・BIG4など
③IT系(システム系)・・・IBM・アクセンチュアなど

『コンサル100年史』並木裕太 著 より抜粋

ただしこれらも明確に領域が分かれているのではないし、近年はより境界があいまいになってきているという。各コンサル会社の起源を知るためには、この大別は知っておくと良いかもしれないと思った。

日本への浸透

1960年代後半~1970年代にかけて外資系戦略系コンサル企業が相次いで日本に進出した。1980年~1990年にかけてはマッキンゼーの大前研一やBCGの堀紘一といった著名コンサルも活躍。その過程で企業トップが戦略系コンサル業界を認知するに至った。

しかし日本発の戦略コンサルはなかなか育たず、今もなお「戦略コンサル市場」は外資系が大きなシェアを握っている。

その代わりに日本国内で大きな勢力となっているのが総研系ファームだ。野村総合研究所や三菱総合研究所などが含まれ、企業名に「総合研究所」が含まれているものも多い。

これらの企業はコンサルティング業務に加えて、調査・研究・分析などを行うシンクタンク事業も包括している。これは多くの総研ファームが、別の大手企業から派生・独立して誕生したという経緯に影響されている。

例えば、野村證券はアナリスト部門から派生して誕生。日本総研は住友銀行から分離独立して誕生したという経緯がある。外資大手コンサルと日経の総研系ファームは、発祥の経緯が大きく異なるが「コンサル会社」とまとめられてしまうことがあるのは何とも面白い。

現在の日本コンサル市場

日本の経営コンサル市場はより高度な専門化が進んでいるという。上記の総研系コンサルに加えて以下のような経営コンサルが代表例だ。

組織人事コンサルタント
人事制度の効率化、組織の活性化、教育研修を支援する

IT系コンサルタント
IT戦略支援、特定パッケージの導入の支援

ブランド系コンサルタント
企業のブランド戦略を支援、ブランド名やロゴ作成支援、マーケティング支援など

まとめ

「コンサル」は定義がはっきりとせず、由緒ただしい企業からなんだか胡散臭い企業まで幅広く存在する。

もしコンサルにお世話になる機会があれば、その企業の歴史を詳しく調べようと思った。それによって得意・不得意がわかるかもしれない。

僕自身はこれまで「戦略論」「プロセスマネジメント」というカテゴリを学んできたが、それらはそれぞれ「戦略系コンサルファーム」「IT系コンサル」の領域と重なっている部分が多いのではないかと推測する。今後より高度な仕組みがうまれるかもしれないので、両系統の動向に注目したいと思う。

参考書籍

『コンサル100年史』並木裕太 著

本書はコンサル、とりわけ経営コンサルについての解説書となっている。コンサルの定義、かつての功績、コンサルの実務内容などを学ぶことができる。

タイトルは「100年史」となっているものの、コンサルの歴史を語っているのは第一章だけとなっている。(Amazonのレビューにも同様の指摘があった。)

コンサルの歴史についてはそこまで興味はなく読み飛ばしてしまったが、コンサル業界の知識を得るためには良本なのではないかと思う。

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