『The First 90 Days』②転職や昇進したときの心構え
『The First 90 Days』/ Michael D. Watkins
前回の記事:『The First 90 Days』①転職や昇進した直後にやるべきこと
転職や昇進などを経て、役割が代わったリーダーたちへの指南書である『The First 90 Days』。それ以外でも、プロジェクト立ち上げや戦略が変わったことにより役割変更を求められたときにも参考になる本だ。
今回は最初の準備段階。心構え編。上記の本の内容を参考に、自分自身の意見をまとめていく。
優秀ゆえの過ち
もしあなたが転職や昇進に成功したのであれば、それはあなたに何等かの能力があると認められたことによる結果である可能性が高い。
しかし逆説的に、だからこそ陥ってしまう過ちがある。たとえば、以下のようなパターン。
①過去の自分自身の功績に依存しすぎる
過去に素晴らしい成果を上げたことから、それと同じことを繰り返せば再び成果を上げられると考えてしまう。あるいは、自分自身の得意な領域でのみ力を発揮しようとしてしまう。
②自分自身に課された役割を十分に理解できない
プレイヤーとしての功績があったとしても、マネージャーになったのであればマネジメントとしての役割を全うしなければならない。また、より広い視点をもって物事を判断しなければならない。
必要なのは今までの自分の成果やスタイルを一旦開放すること。そのうえで、必要なことを新しく吸収していくことだ。
もし役割が変わるまでに十分な時間がとれるのであれば、これまでの自分がやってきたことと、これからの役割についてじっくりと考えてみるのがよいだろう。
しかし、時には唐突に辞令が来ることもあれば、辞令も自分の意思も関係なく役割変更せざるを得ないこともある。その時にはどれだけ素早く気持ちの切り替えができるかが重要になる。
自身の異動経験を振り返えって
僕自身にも過ちがある。前職でオペレーション部署から企画部署へ異動になったときのことだ。当時の私は異動後もこれまでの延長上で仕事をすればよいと思っていた。しかし、そうではなかった。
企画部署ではそれまでに必要でなかった開発のためのスキルが必要だった。たとえばデータベース操作やプログラミングなどだ。異動前後に上司にそれらの学習計画についてもっと相談しておけばよかったというのが反省点。
僕は独学によって乗り切ろうとしたが、上司に自分ができること・できないこと・これから身に着けたいことを事前に報告すべきだった。そして、学習のための支援を要請するべきだった。(たとえば、プログラミングスキルの高い先輩に指導してもらえるように頼むとか。)
当時はできないことをできないと認めるのが恥ずかしかったのだ。また、向上心もあって自分自身で何とかしようという想いも強かった。今から思えば極めて自分勝手だし非効率な考え方だった。
結果としてこれまでやってきた領域を中心に業務をこなしてきたけれど、スキルを横展開させるためのチャンスを不意してしまったのではないかとも思う。人生で初めての仕事上での役割変更だっただけに、少し悔やまれる。
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