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『世界最高のチーム』④自身の言動が周囲の心理的安全性を下げていないかを意識する

『世界最高のチーム』
ピョートル・フェリクス・グジバチ (著)

「生産性が高いチームの特性」について解説した本書。経営者や管理者に向けの本書から、一般社員でも実践できそうな取り組みを紹介する。

本書から得られた一般社員でも実践できそうな取り組み
定期的な1 on 1 ミーティングを上司に依頼する
相手の価値観を引き出す会話を心がける
自身の言動が心理的安全性を下げていないかを意識する
働きやすい組織を見極める評価指標をもつ

自身の言動が心理的安全性を下げていないかを意識する

新しいアイデアを生み出すためには、チーム内での心理的安全性が不可欠。これは説明するまでもない。意見を求められても怖くて何も言えない、立場が上の人には逆らえない、こんな状況では健全な議論はできないからだ。

健全な議論は、互いの価値観を尊重しあえる状況になって初めて行うことができる。「自分の意見を何でも話してくれていいよ」と言っておきながら、話を途中で遮って否定したり、影で笑うようなことしていては、誰も本音で話せなくなってしまう。

そのため、あなた自身が相手の価値観を尊重していることを、言動で示すことが大切だ。興味関心を持つこと。共感を示すこと。やりたいことを支援すること。悩みを聞くこと。

もしあなたが周囲の人間が本音で語ってくれていないと感じるのであれば、こうした相手の価値観への尊重を示す言動が十分でないのかもしれない。

役職や年次が高くなれば、意図せずとも相手に気を使わせてしまうこともあるだろう。立場は対等ではなくても、互いの意見に貴賤はない。それを忘れずに、思ったことを気軽に愚痴も含めて語ってもらえるよう努めたい。

「オールドエリート」になっていないか?

本書では現場ビジネスパーソンの自発的な言動を止めようとしてしまっている、権威的で旧来的な管理職のことを「オールドエリート」と定義している。

利他よりも自身の利益を優先し、オープンな人間関係よりもクローズドなコミュニティを好む。部下の価値観を尊重しない管理職の典型例が「オールドエリート」であるともいえるだろう。

これは何も管理職にだけ当てはまる分類ではないと思う。自身の意見のみに固執していては、優れた他者のアイデアやプロセスを取り入れていくことはできない。

他人を信頼し、他人の能力を十二分に発揮してもらう。そのためには相手を動かすことを考えるよりも、自分自身の言動を変えていくほうが簡単だ。

相手は変えられないが、自分の言動は変えられる。相手の価値観を尊重していることを言動で示すことによって、気づきを与えてもらえるチャンスが広がっていくだろう。


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