飴玉を舐める速度について
こんにちは。
飴、舐めますか?
僕は飴玉を舐めていると、ついついコリッと噛みたくなってしまいます。
飴をコリッとやってしまったあとに後悔とともにこのような疑問が浮かびました。
「飴を舐める速度はどのようになっているのだろう?」
つまり、飴は舐めている間にどのように体積が変化しているのだろう、と。
計算
※実験のほうが10倍面白いので実験だけでも見てください。
まず計算をしてみましょう。
飴の体積を$${V}$$、表面積を$${S}$$とし、経過した時間を$${t}$$とします。
また、舐める速度の係数を$${k}$$とします。
$$
V=\frac{4}{3}\pi r^{3}
$$
$$
S=4\pi r^{2}
$$
体積は表面積(×係数)の値だけ減るとすると、
$$
\frac{dV}{dt} = -kS = -k \cdot 4 \pi r^2
$$
になります。
また、$${V}$$を微分すると
$$
\frac{dV}{dr} = 4 \pi r^2
$$
$$
\frac{dV}{dt} = 4 \pi r^2 \frac{dr}{dt}
$$
となります。
つまり、
$$
\frac{dV}{dt} = -k \cdot 4 \pi r^2 = 4 \pi r^2 \frac{dr}{dt}
$$
$$
\frac{dr}{dt} = -k
$$
です。
はじめの飴玉の半径を$${r_0}$$とすると、
$$
r(t) = r_0 - kt
$$
となります。意外にも半径は一定量だけ減少しているようですね。
$$
V(t) = \frac{4}{3} \pi (r_0 - kt)^3
$$
$$
S(t) = 4 \pi (r_0 - kt)^2
$$
実験
実験①
今回はこちらの飴を使います。
最初の半径($${r_0}$$)は1cmくらいですね。
ここから1分毎に飴を口から出して半径を測るわけですが、口に入れたものを見せるわけにはいかないので数値だけお伝えします。
概ね0.1cm刻みですが、どんどん半径の減り具合が大きくなっている気がします。
グラフにしてみましょう。
計算通りと言われれば計算通りですが、計算通りではないと言われれば計算通りではないです。
原因
こうなってしまった原因を考えてみます。
まず第一に飴が球ではなく楕円体であることが挙げられます。
球体の飴を探すのも面倒なので楕円体の飴のままでなんとか実験を進めようとした結果、体積を求めることにしました。
$$
V(t) = \frac{4}{3} \pi (r_0 - kt)^3
$$
ここから計算が正しいかがわかりますね。
ただ、高さを測っていなかったのでもう一度実験します。
実験②
結果だけお見せします。
わかりにくいのでグラフにします。
微妙です。
やっぱり楕円体で行ったことが間違いだったのでしょうか。
実験③
球の飴玉を買いました。これで実験してみましょう。
ところが、若干楕円体であることが発覚。不覚でした。
しかし、これ以上探しても見つからなさそうなのでこれで実験します。
お、良さげですね。
グラフにします。
なかなかいいですね。
これは計算が正しかったということでいいでしょう。
結論
飴が十分球に近ければ半径の減少の割合が一定だとわかりました。
(球状の飴を探すのが若干大変ですが…)
おまけ
$${k}$$の値(舐める速度)を求めてみましょう。
$$
r(t) = r_0 - kt
$$
※ここでの$${t}$$はかかった時間
舐め終わったときの$${r(t)=0}$$なので
$$
0 = r_0 - kt
$$
$$
kt = r_0
$$
$$
k = \frac{r_0}{t}
$$
つまり、
最初の飴の場合は
$$
k = \frac{1}{6.5}
$$
、2つめの飴の場合は
$$
k = \frac{1}{9}
$$
です。
$$
k = \frac{r_0}{t}
$$
これで皆さんも$${k}$$を求めてみてください!!!
(おしまい)
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