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慣れてくると失うもの



今日も電車で2時間半かけてパーソナルカラーの一級講座。

車内でぼーっと色の復習していたら
花屋で働き始めた頃の事を思い出した。



当時
ずっとやってみたかったこと。

だから何をするのも新鮮で、
毎日仕事に行くのにワクワクしてた。



シーズン毎に入れ替わる花の名前と価格を覚えるのが楽しかった。


入荷した花の葉を落としたり、切り戻す裏方の水揚げ作業も楽しかった。
種類によってやり方が違うので夢中で覚えた。



花束の練習にスパイラルを組むのも楽しかった。
親指と人差し指(昔の人のチョキ)の間に茎を斜めに斜めに重ねていくのだけど
重ねていく部分が一番細く、
伸びている両サイドが丸く広がるように作る。
(砂時計のキュッとなってる部分を作るイメージ)
一本でもズレたり違和感があると上手く縛る事が出来ず、グズッと崩れてしまう。

その代わり上手くいくと、
そのまま置いて自立でき、茎の斜めのラインがまるで美しい建築物のようになる。



アレンジメントの練習も楽しかった。
個性豊かな茎たちを3Dで立体的に挿していくのが難しく、花の高さや顔の向きもミリ単位でズレるだけで全体の印象が変わる。

慣れてくると『ここ余ったからちょっと無理して挿したな。』とか新人のアレンジをパッとみても分かる様になってくる。



そう、慣れてくると
あんなに難しかったものがパッと見ただけで分かる様になってる。



新人の頃、水揚げ作業のとき
まだ蕾の百合の品種の違いが分からなかった。
だって、蕾だもん。
先輩が、
あぁコレは鉄砲百合!こっちはオリエンタルね。
って言ったとき
漫画のような驚きと憧れの眼差しで見てしまったのを今でも覚えてる。



そして、少し慣れてくれば
その違いは秒で分かる。
というか、葉のつき方も蕾の位置も全然違った…


なんで、こんなに違うのに分からなかったんだろと不思議だ。


慣れる事によって習得したプロの目線。
それによって忘れていく素人の目線。



これからプロのカラーリストになるために
今のうちに、この“ 素人の目線 ”をしっかり覚えておこうと思った。

何を伝えたら、
どんな風に伝えたら、
お客様の中にストンと落ちて生かして貰えるか


きっと
今後お客様に説明する時に役に立つだろうと思う。

分かりやすい言葉で、丁寧に説明する事を心がけられると思う。

なんで、今こんな昔のこと思い出したんだ?
と思ったら

私はいま
あの頃と同じように学ぶのが楽しくて仕方ないんだなーって気付いた。

やりたいことを仕事に出来るって
幸せなことだな。
しみじみ。

という事で今日も楽しむぞ!

#エッセイ #日記 #フローリスト #パーソナルカラー  

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