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声を失くしたダウン症の息子から教わったこと

2011年のことです。

福岡では、「ドリームプランプレゼンテーション」が開催されようとしていました。

通称「ドリプラ」とは、福島正伸さんが命名した夢の発表会であり、

自身の夢を発表することで、支援者を集め諦めずに夢を叶える場のことです。

かつてイベントの支援者として、私も加わっていました。

その時に夢を発表しようとしていた方は、田中伸一さんです。

『ダウン症の息子についてのプレゼン』という題名でした。

当時20代前半であった私は、ダウン症の意味もよく知らずに支援をしていました。

10年以上の月日を経て、田中伸一さん(通称:しんちゃん)より連絡が来ました。

「本を出版しましたのでお知らせさせてください。」

とのメッセージです。

私はすぐに本を購入し読んでみることにしました。


本ブログでは、『お父さん、気づいたね! 声を失くしたダウン症の息子から教わったこと/田中伸一(著)』から引用し、

感動についての気づきと、親としての著者から学び、

自身の行動宣言をしていきます。

■ 感動は日常に溢れている

お風呂にお湯をためながら、私は台所で夕食の後片付けをしていた。お風呂の「ピ ー」というお知らせ音がなった。私はいつも通りにバスタオルを手に持ち、和室にいる 彰悟に「しょうちゃん、お風呂入ろうか?」と声をかけに行った。ところが、和室にい ない。あれっ、トイレかな? そう思ってトイレに行くが、そこにもいない。そのとき、 トイレの隣にある浴室で気配を感じた。
えーーーっ! なんと、
一人でお風呂に入っていた!
「 しょうちゃん、お風呂入っとったん!」
湯船に体育座りで浸かり、私のほうをニコニコ見ている。
「ぼく一人でお風呂に入ったよ」と言っているような笑顔だ。
「しょうちゃん、すごいね!」
これまで一人で先にお風呂に入ったことは、ない。お風呂のお湯がたまった音を聞い て、入っていた。 実は何でもわかってるんだ。 本当は一人で何でもできるんだ。私が、 何でも手を貸してあげないと、と思っているだけなんだ。 妻がいない日だから『おとう さん、ぼくは自分でできるよ」と教えてくれたんだ。
「しょうちゃん、すごいね!」お風呂でも、ずっと声をかけた。

お父さん、気づいたね! 声を失くしたダウン症の息子から教わったこと/田中伸一(著)

引用した一連のストーリーは、「子どもがお風呂に一人で入った」ということに過ぎません。

子育てをしていると、子どもの成長に驚かされ、日々の変化に感動する場面は多いです。

しかしその記憶は少しずつ薄れていき、当たり前のことが日常になっていきます。

本書では、小さな感動の積み重ねが、自身を豊かにしていくことが描かれています。

■ 障がいのある子の親の気持ち

「息子さんの 将来、心配ですよね」
何度か言われたことがあります。 そう思うのが普通かもしれません。息子の彰悟はダウン症で最重度の知的障がいがあり、しかも気道がふさがっていて、声が出せません。 気管切開していて痰の吸引の介護も常に必要です。私も息子が生まれた当初は将来に不安を感じていました。 でも、今はそんな心配はまったくしていません。

私から見ると、彰悟は自然と周囲の人を幸せにする力があるように思います。 それは、 彰悟が数々の試練を経て、幸せを感じる土台となる力を身につけてきたからだと思います。思い通りにならないことに耐える力、受け容れる力、感謝する力など、彰悟と過ごす毎日のいろいろな場面でその力を感じてきました。と同時に、彰悟はとってもかわいくて、そばにいるだけで優しい気持ちになれます。 実際に彰悟をかわいがってくださる方はたくさんいらっしゃいます。親としても本当にありがたいことです。

お父さん、気づいたね! 声を失くしたダウン症の息子から教わったこと/田中伸一(著)

「ダウン症で声も出ない」

自身の子どもがそのような状態だったらどのように感じるでしょうか?

将来を不安に思うことは当たり前の感情だと思います。

しかし、著者はご子息との暮らしの場面の積み重ねで、その心配は無いと気づいたと書かれています。

彰悟くんはとても強い子だと感じます。

それ以上に、しんちゃん(著者)の前向きな姿勢が、ご子息にパワーを与えたのではないかと思わずにはいられません。

■ 行動宣言

1、日常の生活で感じた感動をブログやSNSに記す

2、何が起きても前向きな状態でいる。

しんちゃんがドリプラで発表した後の清々しい顔を思い出しました。

10年前の記憶が繋がった瞬間です。


ここまで読んでいただきありがとうございました。

これからも学びを発信していきます。


秋の空 10月

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