身体を温め、食欲増進! ~ニラ~
今週の薬膳素材は身体を温めてくれるニラをご紹介いたします。
ニラと言えば、少し匂いがありますが、身体に良い各種ビタミンやミネラルが入っていることで知られています。
実は、ニラはにんにくなどと同じユリ科でネギの一種です。古くからスタミナのつく野草の一つとして扱われています。
中医学におけるニラの効果と栄養学を交えながらご紹介させていただきます。
1. ニラとは(中医学)
ニラは中医学では温裏類(おんりるい)という分類になります。
温裏類とは臓腑を温め、冷えを改善する食薬の総称になります。
中医学では、内臓や血脈、骨を裏(り)と呼びます。
カゼを引いてしまった時や過労等が原因で体内の陽気が虚弱になり、身体を温める作用が低下してしまうことで、四肢の冷えや頭部の痛み、食欲不振といった症状で現れてきます。
温裏類とはその名の通り、裏を温めることで症状を改善する食材の分類となります。
その中でニラは、肝臓や胃、腎臓に作用する力を持ち、各臓器を温める作用から、冷えの改善や食欲増進、疲労回復効果、解毒作用を見込めるとなっています。
では何故身体を温める作用や食欲増進、疲労回復効果があるのかを栄養学を交えながら次項で解説いたします。
2. ニラの効果(栄養学)
ニラは最初にも記載しましたが、各種ビタミンやミネラルを多分に含む食材となっています。
その中でも特筆すべきは硫化アリルというニラのにおいの元になっている成分が含まれていることです。
硫化アリルとは様々な種類があるのですが、代表的な成分にアリインとアリシンがあります。(アリインが代謝されるとアリシンになります。)
本記事ではわかりやすくするためアリシン、アリインでご紹介となります。
実はアリシンは以前長ネギの記事でもご紹介したのですが、今回はもう少し掘り下げてご紹介いたします。
2-a. 疲労回復作用
ニラに含まれているのはアリインという成分で、潰したり、切ったりすることでアリシンになります。
アリシン自身は不安定で、ビタミンB1と一緒に摂ることで、アリチアミンという成分になり、体内で安定できる成分になります。
実はこのアリチアミンという成分は優れもので、ビタミンB1と同様の働きをしてくれるのも関わらず体内の分解酵素(チアミナーゼ)の影響を受けないという性質を持っています。
その上、脂溶性であるので、吸収性も良いことから体内に長くとどまって効果を発揮し続けてくれるビタミンB1となってくれます。
ニラにはアリシンもビタミンB1も含まれているため、疲労回復に良いとされています。
2-b. 食欲増進作用
アリシンは、グルタミン酸ナトリウムとイノシン酸の旨味の相乗効果 (身近な例では昆布出汁とかつお節の組み合わせのようなイメージです。)
を更に増強・延長させるため、食欲増進作用のもとになっています。
2-c. 解毒作用
解毒のメカニズムとして、血液に入った毒素は、肝臓で有毒な脂溶性物質から水溶性物質に変換されて尿と一緒に体外へ排出されます。
アリシンは、この反応を進める酵素の活性を高め、肝細胞の解毒作用を助ける作用があります。
3. まとめ
ニラは四肢の冷えや疲労、食欲不振がある方にオススメの食材です。
身体を温める作用もあるので、これから寒くなる季節にはぴったりの食材です。
お鍋にしてもよし、炒め物にしてもよし、スープに入れてもよしと調理方法も多岐にわたり、使いやすい食材になります!
実は弊社の薬膳メニュー開発でもニラは候補食材に挙がっています。
是非利用して、疲れが溜まっている食欲があまりないような人に食べてもらえることを目指して開発を進めてまいります。
匂いも気にならないように工夫出来たら万人にとって最高ですね!
今週も最後までありがとうございました!
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