見出し画像

何故あなたは採用されないのか?

何故あなたは採用されないのか?

秘書検定、TOEIC、日商簿記等、転職をするためにとってみたけどなかなか採用に至らない。

現職でこんなに実績を出しているのに、全然希望の業界、企業で内定をもらえない。

なぜか???

それは「経営や事業」を、ないしは「企業側の意図や事情」を汲み、転職活動が行えていないからです。

それって具体的にどんなこと?だったら何を前提理解したうえで転職活動をすればよいのか?

企業側の事情や意図について理解いただき、転職活動、ないしはキャリアの考え方の一助にしていただければ幸いです。

何故書くか?

これまで以上に転職難易度が高くなるからです。長らく良好だった景気が冷え込めば企業は採用を手控える。その流れはもう起こり始めています。自分の人生の指針に合う、より良い場所で働くための知識と技術は、これまで以上に必要になるのではないかと思っています。転職リテラシーはたかければ高いほど良い。良い転職活動をしていただく一助となればうれしいです。

何故転職難易度は高くなるか?

ご存じの方も多いと思いますが、景気後退によって企業の採用意欲は低下します。

これまで極度の売り手市場(転職者優位)でした。「景気がいい→売れる→事業拡大する→人手がいる」は景気が良い時代ならではとなります。逆に言えば景気が冷え込めば、人手はいらない状態になります。

※もちろん業界職種によって全てがそうなるわけではありませんが、マクロ視点では間違いなくそうなります。

資本主義社会は経済成長することが前提の仕組みです。成長することが重要でそれが信用につながっています。新型コロナウイルスによるグローバルにおける経済停滞はリーマンショック以上のスピードで起きており、ここから2年~3年もしくはそれ以上で経済を冷え込ませます。アメリカでは試算として失業率が30%になると言われています。

※日本は内部留保の多い企業が多く、世界的に見て,良くも悪くも長期雇用を前提とした仕組みが成り立っているため、アメリカほどの失業は発生はしないです。

が、「今抱えている雇用者を守ること」に重きが置かれ、採用が控えられることは必至です。

であれば「今の会社に残ることを考えた方がいいのでは?」と思う方も多いと思いますが、一概にそうとも言えません。

なぜならこれまで景気が良かったからこそ生き延びられていた企業の淘汰が進みます。企業の利益体質が健全か、コロナで起きた変化が収益構造に大きな影響を及ぼしていないかが重要で、何となく大丈夫だろうと思っていた企業も大丈夫ではない企業がたくさん出ます。デジタルシフトについていけない企業も衰退します。

もちろん確率論では大手より中小零細への打撃の方が大きいですが、既存のビジネスモデルや社長の経営手腕、現組織体質等によって、大手企業も淘汰される時代です。

それはコロナによってより顕著になるのだと思っています。

そして自身の身を守ることはもちろんのこと、こんな時代の中でも自身が幸せになるための人生デザインを諦める必要はない。

いろんな選択肢を選べるようになった現代だからこそ、理想の追求は

「知っているか知らないか」「どう選ぶのか」次第でできるのだと思っています

知識は選択肢を広げ、良い知識は自分に合う選択をするための判断力をも養うと自分は思っています

自己紹介:

人材紹介会社大手「パーソルキャリア」にて「doda」ブランドにて東証一部の超大手企業から、先端技術のスタートアップまで、IT、コンサル、広告、物流、食品等、多様な業界、多様な職種にて、企業の採用コンサルタントとして、採用支援に従事。「企業も個人もきちんと幸せになれ、社会が良くなる転職マッチング」をしたいし追求しています。

news picsヘビーユーザー/AIジェネラリストG検定取得/心理学・経営学・経済学等の理論好き

①面接官も正しくあなたを見定められないことがある

面接官はプロばかりではありません。スキルを把握するため現場の社員が出てきたり、採用の決済権を持っているのが役員以上ですが、現場の理解がおろそかであるケースもあります。

そういったときに何が起きるかというと、ポテンシャルを推し量る判断ミスです。スキルで言うと、特に同業・同職種ではない方を採用するときに発生します。

この方は自社で活躍できそうなのかどうなのか?

企業の採用担当も皆が「採用のプロ」ではありません。現場で働く社員も面接判断をします。偉い人が面接のプロでもありません。ポテンシャルを見抜くための質問がいつ何時どのような方でもできるわけではありません。

人は1秒以内におおよそ直観でその人をわかったような気になるといわれます。いわゆる思い込みです。(※ノウハウが非常に溜まっている玄人はその判断が正しい場合もあります。)

例えば「この人はITコンサルタントを経験しているので、非常に論理的に物事を考えることができるのだろう」という考え方です。

実質傾向としては非常に正しいですが、それって人によりますよね?

人間は面倒臭がりなので、「権威」等に対して実際の有無に関わらず「この人は能力がある」と思いがちですし、さわやかな見た目の人には、「この人は誠実である」と思いがちです。

そして「この人は誠実である」という印象を一度抱いてしまったら、「この人が誠実である根拠」を探そうとしてしまい、欠点に目が届かなくなります。

これは逆のことも起きてしまいます。一度良くない印象を持つと、悪いところばかりを探してしまい、良いところに目がいかなくなります

こういった誤った選考判断をしないために、面接官をトレーニングしたり、複数名で分けて選考をしたり、適性試験をはさんだりするのが一般的ですが、場合によっては、あなたのポテンシャルを引き出す適した質問ができなかったり判断を間違えたりするケースもあります。

だからこそ面接では、対人印象を良くすることはもちろんですが、自分を正しく理解してもらうために面接官にアピールする必要があるのです。

②効果的に自分をアピールするためには「ポジションミッション」を正しく理解する必要がある。

では「どうやって」「何を」アピールするのか?

これらを紐解くために重要なことが「企業がなぜそのポジションを採用をするのか?」を正確に抑えることです。

企業には本ポジションを採用しようとしている事情があります。意図があります。そして採用したいのはどのような理由であれ、

「企業の経営活動上果たしてもらいたいミッションがある」から採用をするのです。

そうであるならば、「自分はそのミッションを果たすことができます。なぜならば~」と納得感をもって伝えられれば内定になる可能性はグッと上がりますよね?

これを当たり前の話だと捉えられる方も多いと思いますが、この「採用背景を正確に把握する」ことは

難易度が高く奥が深いです。

例えば、「営業のポジションに欠員が出ました。同社のマーケティングツールを売る営業として活躍していただくことがミッションです」

に対して、なるほどな。

という理解では圧倒的に足りません。

理由は、「自分はそのミッションを果たすことができます。なぜならば~」の「なぜならば」に答えられるだけの情報が圧倒的に足りないからです。同業で、同様の事業フェーズで、同職種であればおおよそのイメージが相互につくため問題はないのですが、異業界、異職種から転職を想定しているのであれば、あなた自身そこでどう活躍するか言えない可能性が高いですし、企業の面接官もあなたが活躍するイメージが持てない可能性が高いです。

ではどうするか?

抑えるべきポイントは下記になります。

①採用背景の理解
②目指すべき事業成果、本ポジションで成果を出すために必要な特性を理解
③組織構成の理解(年齢構成・役割分担)、組織カルチャーの理解

①の「なぜ採用をするのか?」を聞くことが重要なのはおおよそおわかりかと思います。

①を聞くことが理解の入り口です。その方自身が全てを理解されていて、かつ非常に説明が上手な企業やエージェントであれば、これを聞いたら②や③も一緒に全部説明してくれるはずです。

「なぜ採用をするのか?」を聞くことは大事であるということがお分かりだと思いますが、②と③は何?と思われる方もいらっしゃると思うので解説をします。

②目指すべき成果、本ポジションで成果を出すために必要な特性を理解

自分は何を成せば成果を出したと言えるのか?その成果は果たしてどうやって出すのか?をおおよそ理解するための質問になります。

そもそも採用とは経営上の戦略の一環として行われるものです。いわゆるその会社の経営が、事業が、良い方向に進展することを目的に採用は実施されるわけです。そうであるならば、「本ポジションの成果とは何か?」という目的をそもそも把握することは、アピールすべき方向性を把握することにつながります

そして「その成果は果たしてどうやって出すのか?」

これはなぜ知るべきなのか?

それは「業界・事業フェーズ・扱う商材」等によって成果の出し方がまるで違うからです。

同じ営業だったとしても、大手食品メーカーでの営業と、スタートアップでITソフトウェアの商材を扱う営業のスタイルはまるで違います。頭の使い方、成果の出し方もまるで違います。

どういったところが顧客で、どの部門への営業となるのか、その商材が売れるときというのはどういうときなのか、その商品が逆に売れないときはどういった理由なのか?(事業競合等を踏まえて質問するとより具体的に把握できます)

これらを把握していくことで、「どうやって成果を出すのか?」のイメージをつけていきます。

③組織構成の理解(年齢構成・役割分担)、組織カルチャーの理解

③の把握は、①と②で正しい情報が出てこなかったり、より詳細を正しく見極めをするときにも有効です。

例えば、「成果の出し方」がチームで成立するとき、あなたが何をすればいいかは「そのチームで目指す成果」と「自分以外の人たちは何ができて何ができないのか?」を把握できれば

「果たすべき成果を達成するために必要だが、自分以外の人達ができないこと」がしてほしいわけです。

ということは、それがアピールできれば良いわけです。逆に、他の人たちができることが最悪全くできなくても、やってほしいことさえできればOKなのです。

求人広告等は、募集要項を非常にざっくりとした項目で記載していることが多いです。

例えば、本当はSaaSのカスタマーサクセス2年くらいやってる20代の方が一番組織親和性が高いなと思っていても、

業界は違うけれど、営業として非常にロジカルに成果の再現性が高い方がいたら採用可能性はあるな。

ということで、可能性を少しでも取りこぼさないために必須条件を幅広めに設定をしたりしています。

また人事と現場で実際にどういう人だったら採用していいのかを把握しておらず、言語化ができていないケースもあります。その場合は必須条件をざっくり書いているケースも多いです。

そして年齢構成を把握する意味ですが、

20代しかいない組織と、40代しかいない組織は、おそらくコミュニケーションの取り方が変わります

チームで成果を出さないといけない場合、スキルはあるが、組織コミュニケ―ションにギャップが出そうな方が混じると成果が出ません。また40代しかいないからこそ組織を若返らせたいという要望があるケースもあります。

そして上司のマネジメントスタイルや、事業のフェーズや、経営者の意図的な文化醸成から、同様の志向性の人達が集められているケースがあります。

チームで成果を追い求める場合は、意図的に異質な存在を入れたいと思うケースもあれど、組織に軋轢が生まれないよう大概は同じような方を採用したい傾向があります。

上記を元に、「秘書検定、TOEIC、日商簿記等、転職をするためにとってみたけどなかなか採用に至らない」というケースで想定されることは、

「資格は持っている人」が採用したいのではなく、「ポジションミッションを遂行できる人が欲しい。あなたはポジションミッションが遂行できないだろう」と判断された。ということになります。

資格はあくまで「ポジションミッションを遂行できる可能性がある」という基準として応募の必須条件化されているケースがほとんどで、資格があるから採用しますということはほぼありません。(※その資格を持っている人がいることが顧客からの案件受注の条件になっていたりするケースもあります)

そうであれば「資格はもっていないけれどポジションミッションはこなせます。もしくはこなせる可能性が高いです。なぜならば~」を面接官が納得する形で説明できれば問題無いということです。

まとめ:

・面接官も正しくあなたを見定められないことがある。

・効果的に自分をアピールするためには「ポジションミッション」を正しく理解する必要がある。

・ポジションミッションは下記の理解で把握する。

 ①採用背景の理解
 ②目指すべき事業成果、本ポジションで成果を出すため必要な特性を理解
 ③組織構成の理解(年齢構成・役割分担)、組織カルチャーの理解


上記が基本となりますが、実際にこれが全てなわけではありません。例えば大きな組織が増員で、ポテンシャル採用をするケースなどは「志望理由」の方を「すぐポジションミッションを果たせるか」より重要視するケースがあります。

何故か?

そして「志望理由の考え方」はまた次回書かせていただきたいと思います。

もしご質問・内容不備等あればコメント、Twitter等でDMいただけますと幸いです。

Twitter:vBr7KSvkDjJZqwR



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?