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「なぜ観光資源も名産品もない郊外ニュータウンに移住者が集まるのか」-地域を活性化する公共施設マネジメント 移住者インタビュー編① 小西隆仁さん-


こんにちは。

RFAまちづくりデザイン室の本家です。

私がディレクターを務めるコミュニティ型公共施設「コミュニティ・マルシェ」での活動をもとに地域を活性化する施設マネジメントのノウハウを同じように地域での活動をされる方々の参考になればとまとめています。


(コミュニティ・マルシェ活動概要はこちら・・・)


第3章 〜移住者インタビュー編① 小西隆仁さん〜


本章ではコミュニティ・マルシェが活動を展開している鳩山ニュータウンに移住した移住者達はなぜ移住を決めたのか、移住をしてどのような活動をしているのかを取り上げていきます。

移住者インタビュー No.1

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小西隆仁さん

1995年生まれ
千葉大学 工学部建築学科 卒
東京藝術大学大学院 建築科 藤村龍至研究室 修了
現在は設計事務所 ALTEMY に所属


本家:「小西さんはなぜ鳩山ニュータウンに移住しようと思ったんですか?」

小西:
千葉大学を卒業し、東京藝術大学大学院へ進学。
大学院2年時にドイツとイタリアへ留学しました。
2020年2月、留学先のイタリアでコロナショックに直面し、唐突に帰国を迫られることになりました。
帰国が決まった際、僕の地元は関西なので、地元に帰るかどうするか、帰国後の活動について迷ったのですが、その時にRFAが始めたプロジェクト【鳩山町国際学生シェアハウス「はとやまハウス」】のことが頭をよぎりました。


鳩山町国際学生シェアハウス「はとやまハウス」

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以前に藤村研究室の活動で、コミュニティ・マルシェに設置する什器を製作するなど鳩山ニュータウンに行き、RFAの活動に触れたことがあり、鳩山ニュータウンに行けば自分の活動と学びを継続できるのではと感じ、日本に帰る飛行機の中で藤村先生に入居希望のメールを打ったのがすべての始まりです。笑

また、「ニュータウン」というものに純粋に興味もありました。


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2020年4月入居メンバー(左から永田伊吹さん、ジャン・ダソルさん、小西隆仁さん


本家:「その後、移住した当初はどのように過ごしましたか?」

小西:
自分は活動をするために移住したので、すぐにニュータウンを知るためにフィールドワークをするなど、活動のための準備を開始しました。
この間、授業は全てリモートだったので鳩山にいても都内にわざわざ行かず快適に滞在できました。

しかし、肝心のコミュニティ・マルシェが緊急事態宣言で休館してしまい、その間は家具補修、飛沫防止シート作成など、マルシェの活動のサポートなどをしました。


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同居人の東洋大学大学院・建築科の永田伊吹の存在が大きく、2人でまちづくり・建築談義を繰り返し、すぐに「運ぶ受付」の構想が浮かんできました。

この後、怒涛の勢いで5月に起業家の方々との出会い、6月には運ぶ受付着想開始、設計、資金調達、8月には活動開始と動いていきます。

(小西さん永田さんのニュータウンにおけるプロジェクト「運ぶ受付」の詳細についてはこちら・・・)



本家:「移住して地域にはうまく溶け込めましたか?」

小西:
もう1人の同居人である韓国人留学生・ダソルもRFAの活動や自分達の活動に感化されて地域で何かしたいと思うようになり、地域の方々向けに「韓国語講座」を開始した際、一緒に講座が盛り上がるように頑張ったり、マルシェのシャアキッチンで韓国料理を作り地域の方々に振舞ったりする活動で一建築学生の枠を超えた幅広い方々と関われるようになり、地域の中に溶け込めた感覚が湧きました。

世代を超えて様々なことにチャレンジできるコミュニティ・マルシェという場所の存在は大きいと思います。


韓国人留学生・ダソルさんが開催した「韓国語講座」

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本家:「移住して良かったと思うことを教えてください。」

小西:
人間性が変わったと思います。
優しくなったと周りから言われたり、物事をゆっくり考えられるようになりました。
何より活動できる場所があり、活動している方々と沢山出会える環境だったので、自分自身もチャレンジングな人間になれたのが良かったです。
実は都会の方が人と話すことが少なく、コミュニティの中に入ることが難しいのではと今は思います。

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本家:「その後、小西さんははとやまハウス滞在1年が経過し、大学院を修了。はとやまハウスを卒業後も鳩山ニュータウンに定住し、活動を継続することになりますが、どうして定住・継続をしようと思ったのでしょうか?」

小西:
大学院を卒業し、普通だったら「就職しなきゃ」と焦ってしまうと思うんですが、鳩山での活動で沢山の起業家の方々や楽しく様々な活動をしている方々と出会い、自分の中では必ず就職しなくてはならないという縛りが無くなっていました。
そういうこともあり「これまで行ってきた活動を無にせず何かしたい」という気持ちがあったんです。
「しなくてはいけない」ではなく「何をしたいか」で物事を考えられるようになったので純粋に自分の気持ちを優先して定住と活動継続を決めました。

本家:
ありがとうございました。
この後の展開のお話はまた次回伺わせてください。
今後ともよろしくお願いします。

----インタビュー実施 2022年4月----


小西さんは、この後、定住した物件でアトリエ兼シェアハウス「シェアアトリエniu」をOPEN。
設計事務所 ALTEMY へ入所。
2022年5月現在も「シェアアトリエniu」にて地域外のアーティストによる展覧会を開催し、順調に活動を継続しています。

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