「多世代交流みらいチケット」-地域を活性化する公共施設マネジメント 多世代交流の仕組み作り編①-
こんにちは。
RFAまちづくりデザイン室の本家です。
私がディレクターを務めるコミュニティ型公共施設「コミュニティ・マルシェ」での活動をもとに地域を活性化する施設マネジメントのノウハウを同じように地域での活動をされる方々の参考になればとまとめています。
(コミュニティ・マルシェ活動概要はこちら・・・)
第2章 〜多世代交流の仕組み作り編①〜
今回はコミュニティ・マルシェにて実践している多世代交流の取り組み「多世代交流みらいチケット」についての話です。
これまでコミュニティ・マルシェでは高齢者の方々と協力して子ども向けのイベントを実施したり多世代交流の取り組みは実践してきていましたが、イベントでの交流だけでなく、通常時から相互に関係性を構築できる仕組みはできないものかと考えていました。
コミュニティ・マルシェにて地域の方々と協力して2018年に実施していたイベント「こどもマルシェ」
そんな中、子ども食堂等で実践されているみらいチケットをヒントに考案したものが「多世代交流みらいチケット」です。
子ども食堂におけるみらいチケットは、子どもたちへ食事の寄付をするというものでした。
ですが、多世代交流みらいチケットでは食事だけでなく、勉強する部屋を借りたり、両親や友達へのプレゼント、お菓子の購入などもできるようにしました。
何より肝心なところは、手紙機能をつけて誰が寄付し、誰が使ったのかを分かるようにし、寄付者には子ども達からお礼の手紙が届く仕組みにしました。
これにより、大人達は実際に寄付を受けた子ども達の喜びを体感でき、子ども達は寄付してくれた地域の高齢者や大人達に次に出会った時に新たな交流が生まれるのでは、という狙いです。
チケットの販売開始日に町の方々に仕組みを知ってもらうべくイベントを開催しました。
マルシェに出品する焼き芋屋さんに御出店いただき、寄付したチケットで子ども達はできたての美味しい焼き芋を無料で食べれるというイベントです。
当日はたくさんの子ども達、地域の方々が参加くださり、世代を超えたとても素敵な会になりました。
20211225 多世代交流みらいチケット クリスマスイベント
盛況のうちにイベントも終了し、翌日からはコミュニティ・マルシェで通常のお買い物時から利用できるようになりました。
その後、続々と利用をいただき、子ども達の喜びの声が日に日に集まっています。
趣旨に共感いただける大人の方々にも日々チケットのご寄付を頂き、喜びの好循環が生まれています。
「学生シェアハウスの方々に寄付したい」と、直接大学生たちに寄付をして頂けたり、応援したい若者達に直接寄付し交流が生まれるなどこの取り組みによって新たな繋がりも多く生まれています。
※多世代交流みらいチケットは大学院生までの学生も利用可能です。
この取り組みを始めるまで、地域の方と関わる中で「子ども達に何かをしてあげたいけど、何をしてあげたら良いかわからない」「何か特技がある人はそれを子ども達に教えてあげることもできるけど、そうでない人はどのように接点を持ったら良いかわからない」という声などもあり、この取り組みを始めるきっかけにもなりました。
この取り組みによって、ほんのちょっとした厚意で、子ども達の地域での良い思い出になり、地域の方と繋がるきっかけにもなっている手応えを感じています。
この取り組みはきっかけに過ぎず、このような小さな取り組みの積み重ねることで更なる交流が生まれてくると思いますので、まずはこの取り組みをすべての町内の方に知ってもらい、新しい展開に繋げていけるよう頑張っていきたいです。