見出し画像

【参加レポート】とやま帰農塾2020 「五箇山掘レッキング塾」(2021/3/19~3/21)

とやま移住note管理者スタッフの一人「S」と申します。
富山県主催、NPO法人グリーンツーリズムとやま企画の田舎暮らし体験プログラム「とやま帰農塾」をご存じでしょうか?

0327_帰農塾


今年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、開催予定の10の塾のうち、4つの塾が中止となりましたが、そんな厳戒態勢の中、「ながたん塾」に続き、「五箇山掘レッキング塾
」(2021/3/19~3/21)が開催されました。

★☆五箇山堀レッキング塾の主な体験メニュー☆★
・塾長が案内する世界遺産・菅沼周辺散策
・報恩講料理
・かんじきを履いて集落散策
・赤かぶ堀レッキング
・古民家のライトアップ作業
・民謡体験・こきりこ節の踊りを見学
・石臼でそば粉挽き、蕎麦がき作り&とち餅つき

開催を決めた塾長の思い、感染症対策に翻弄される参加者やスタッフ、そこで学んだ大切な事とは?
管理者の「S」が実際に体験してきました!

1日目 【開講式】

塾長からの挨拶から始まり、県の職員の皆様、参加者より一言ずつ挨拶を交わしました。

画像2

【塾長が案内する世界遺産・菅沼周辺散策】

菅沼集落は世界遺産となっています。合掌集落は5世帯、9棟の合掌造りの棟があり、現在も地元住民が生活をしています。
生活を続けていかないと世界遺産が没収されてしまうそうです。

画像3

合掌造りについての説明
この建物の特徴は何といっても萱葺き屋根。萱は近くの山林から刈り取り、定期的に交換する必要があります。建物の中には囲炉裏があり、そこで火を焚き、煙が上がることで萱が燻され浸透し、そのおかげで30~40年もつそうです。

画像4

ちなみに萱は一度おろしたものは畑へ撒きます。畑へ置いておくことで、夏は草が生えず、秋はそのまま堆肥になります。全く無駄がなく、エコな素材といえます。
合掌造りの家の一階は家族の居住空間、二階は蚕を飼育するための空間となっていました。(昭和30年ごろまでは、実際に飼育されていたそうです。)
江戸時代の主な産業は、養蚕、鉄砲の火薬の原料となる塩硝が主な生産品でした。
この菅沼地区で生まれ育ち、現在も生活をされている塾長のお話はご自身の実体験をお話しされているので、リアルな感想や想いが伝わってきて、興味深くお話を聞くことができました。

【報恩講料理】

五箇山の菅沼地区では、年に一度、各家が報恩講を行います。
報恩講とは、浄土真宗開祖・親鸞聖人の命日(旧暦11月28日)前後、その遺徳をしのんで営む「報恩講」は真宗を心のよりどころとする五箇山の人々にとって最も大切な仏事といえます。
朱色の御膳を使用し、動物性の食材(肉・魚)を使わないこと、季節に採れないものは貯蓄しておいて報恩講でふるまいます。
包丁をなるべく使わず、全部縦横切りで作られており、ごはんをほんの少しだけ盛ってあるのは「遠慮せずおかわりしてください」という心遣い。

画像5

五箇山豆腐の煮物、煮豆、赤かぶの酢漬け、ぜんまい・里芋・ごぼうのえごま味噌の辛し和え、いとこ煮、にごり酒、ごはん、お漬物
どのお料理も素朴だけどしっかり出汁が染みていて美味しかったです。

【地域交流会、村づくり談義】

生まれ育った五箇山での暮らし、多くの人々に五箇山をもっと知っていただくために必要なことは何か、塾長の想いを聞きながら意見交換をし、有意義な時間を過ごすことができました。

画像19

2日目 【かんじきトレッキング】

かんじきは雪の上を歩くときに大変便利な道具です。長靴の上に取り付け、これで雪道は滑らず、深くめり込まず、さらに斜面などでずり落ちにくく、歩くことができます。
塾長から履き方を教えていただきながら、各自で取り付けました。

画像19

かんじきを履いて、集落を散策し、少し斜度のある場所も登ってみることに。参加者の皆さん、急斜面を登るのに必死でした。

画像8

ゴール地点についたら、塾長が幼いころに経験したウサギの罠の仕掛け方をレクチャーしてくださいました。

画像19

子供の頃は、ウサギの数が今よりも多く、害獣として扱われていたそうです。針金を木に括りつけた罠を仕掛け、罠にかかったウサギの耳を役場に持っていけば、とても良いお小遣い稼ぎになったのだとお話ししてくださいました。

【赤かぶ堀レッキング】

塾長が在来種にこだわり、ずっと育て続けている赤かぶを雪を掘りおこして収穫しました。

画像10

真っ赤に染まった赤かぶは冬の間、雪の下で春が来るのを待ちわびて育ちます。塾長自らが包丁で切り分けて食べさせてくださいましたが、まるで固い梨を食べているような感覚で、ほんのり甘くて美味しかったです。収穫前には、畑の中でネズミたちがこぞって食べにくるそうです。動物も甘くておいしいのがわかるんですね!
1時間ほどで、こんなにたくさん採れました。採れた赤かぶはおみやげとして持ち帰ることができます。

画像11

【古民家ライトアップ】

集落の一部の古民家のライトアップをお手伝いしました。ライトアップされるとこんなにも素敵な風景となります。

画像12

【地元の食材を使った夕食】

煮物(五箇山豆腐と野菜)、天ぷら(マイタケ、カボチャ、ピーマン)、焼き魚(イワナ)、こごみの酢味噌和え、ススタケ(マコモダケ)の煮物、うどの煮物、古代米(きなこがけ)、食前酒(にごり酒)、赤かぶの漬物、クマ汁
夕飯は地元の食材を使った料理が並びました。

画像13

【民謡体験・こきりこ節の踊りを見学】

地元のこきりこ踊りの名人(あきらさん)がこの塾の参加者のためだけに、特別に踊ってくださいました。
こきりこ節は、日本で一番古い民謡です。五穀豊穣を祈り祝う踊りです。
目の前で踊るその姿は、勇ましくも美しく、言葉では何とも言い難い、心に響く感動がありました。

画像14

3日目 【石臼でそば粉引挽き】

石臼を使って、ソバの実を挽きます。
昔はそば粉やきなこなど、挽きの作業は女性の仕事だったそうです。
ギザギザに刻まれた石を上下すり合わせてソバの実を少しずつ入れながら挽いていきます。ゆっくりまわすと細かくて、口当たりのいいそば粉に仕上がります。

画像15

画像16

【とち餅つき】

とちの実は、縄文時代から食べられていたと、言われています。
アクが強すぎるため、そのままでは食べられません。昔の人たちは様々な工夫をほどこしとちの実を食してきました。今回もこの餅つきのため、地元のお母さんたちが手間暇をかけてあく抜きを行い、用意してくださいました。
今ではあまり見かけなくなった杵と臼にもち米、とちの実を入れて、餅つきをしました。

画像17

【昼食 とち餅、蕎麦がき】
参加者みんなでついた出来立てのお餅はもっちりとして食べ応えがありました。

画像18

先ほど挽いたそば粉をつかった蕎麦がき。そばの香りがほんのりしてもちもちした食感。しょうゆベースの出汁とよく合います。

画像19

感想・まとめ

今回は新型コロナウイルスの影響により、参加者が少なかったのですが、それを逆手に取り、塾長自らが『今だけ、ここだけ、あなただけ』をモットーに今回の塾を開催していただきました。その分、じっくりと塾長の地域を想う熱い気持ち、五箇山での生活、先人の知恵、教えなど、この地に住んでいるからこその生の声を聞けたのは本当に貴重で、充実した3日間でした。
この五箇山の素晴らしさ、豊かさをもっと県内外の方々に知っていただきたいと思います。
皆さまも機会があればぜひ足を運んでみられてはいかがでしょうか。

そして「とやま帰農塾」2021年度の開催予定が決まりました。2021年度最初の開催は6月4日~6日の朝日町の「笹川塾」です。そのほかの移住関連イベントなどの情報は以下のサイトやSNSをご確認ください。

富山県移住・定住促進サイト「くらしたい国、富山」

富山県UIJターン就職支援求人サイト「とやまUターンガイド」

富山県就農ポータルサイト「とやま就農ナビ」

とやま移住 「Facebook」 「Twitter」 「LINE」 「Instagram

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?