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【参加レポート】とやま帰農塾2022 「灘浦塾」(2022/5/28~5/29)


とやま移住note管理者スタッフの一人「M」と申します。
富山県主催、NPO法人グリーンツーリズムとやま企画の田舎暮らし体験プログラム「とやま帰農塾」をご存じでしょうか?

新型コロナウィルス感染症の影響で、昨年度は開催できませんでしたが、今年度は開催予定とのことです (詳しくはこちらをご覧ください)。
開催される塾の一つ、海沿いの田舎暮らし体験ができる「灘浦塾」に管理者「M」が1泊2日で参加してきました。

★灘浦塾の主な体験メニュー★
・さつまいも苗植え体験
・魚さばき体験
・ところてん作り
・灘浦地区の文化について学ぶ
・氷見の海と山の仕組みを知る
・魚釣り体験
・クルージング

【氷見市 灘浦地区のご紹介】
氷見市灘浦地区は富山県北西部の石川県との県境にあり、天候に恵まれると海岸沿いからは美しい立山連峰が一望できます。暖流と寒流が交わっており、少しだけ暖かく、灘浦みかんの栽培も行われています。

1日目 【開講式】

氷見市小境荘に到着。受付をし、開講式が始まります。
最初に灘浦塾(なだうらじゅく)塾長の角間さんのご挨拶。

塾長の角間さん

その後、県職員、氷見市職員、地域おこし協力隊、氷見市観光協会の皆様よりご挨拶、県内外から参加された皆さんより一言ずつ自己紹介を行いました。

【さつまいもの苗植え】

農作業の準備をし、畑に向かいます
塾長からさつまいもの苗植えの説明がありました
協力しながら畑作りに挑戦しました

まずは畝にマルチシート(黒いシート)をかけて、マルチを押さえる金具でシートの端を押さえていきます。

子供たちも上手に苗を植えていました

30㎝間隔で、棒を斜めに差し込み、土に穴を開け、さつまいもの苗を植えていきます。ベテラン農家の方が丁寧に教えて下さいました。
“べにはるか” や “べにあずま”、“シルクスィート” 等、さつまいもの種類ごとに植え、植え終わったときには、達成感でいっぱいです。
9月の下旬から10月の中旬が収穫期ということで、どんなさつまいもが育つのか楽しみですね。

イノシシを捕獲する罠

作業後、キャベツ・ナス・インゲン・ネギ等が育てられている畑の説明を聞きながら歩きました。畑にイノシシを捕獲する罠が仕掛けられており、イノシシが捕獲されると、塾長が捌いて、村の方たちでジビエとしていただくこともあるそうです。

いちご畑があり、急遽、いちご摘みもさせていただきました。皆さんパックいっぱいに摘み、甘くて美味しいいちごを味わいました。他にもキャベツやインゲン、大さやえんどうをお土産にいただき、様々な野菜作りのお話を伺うことができました。

【魚さばき体験】

農作業の後は魚さばき体験です。
豊富な何種類かの魚が沢山入っています。

かさご・クロダイ・フグ・ほっけ・ハマチ等

まずは塾長がヒラマサ(氷見ではシオノコ)という魚のうろこを取り、魚のさばき方を説明して下さいました。まな板と魚の水気をきちんと取って行うと、上手くできるそうです。塾長は簡単にさばいているように見えますが、自分にもできるかと緊張ぎみで見ている皆さん。

魚のさばき方を見学
塾長の作ったお刺身を味わうと「美味しい!」とやる気が湧いてきました

スタッフの方々に手伝っていただきながら、さっそく1人1匹ずつ、身を刺身用、焼き魚用、頭の部分はお味噌汁の出汁用に分けながら、さばいていきました。刺身の切り方も2種類教わり、今晩の夕食用に各自きれいにお皿に盛りつけることができました。

【ところてん作り】

ところてんの原料となるテングサ

次はところてん作りです。用意するものは、テングサ(天草)とお水と酢です。テングサは乾燥させたものを使用します。この地域では海藻が取れるので、ご近所からいただくことも多く、それぞれの家のところてんの作り方があるそうです。

子供たちも楽しみながら、きれいに洗っていました

まずはテングサを水でほぐし、3回程、砂を洗い落とします。
大きな鍋に水とテングサと酢を入れ、ぐつぐつと30分ほど、煮ていきます。液体が皮膚や服に付着すると取れない為、やけどに注意し、ビニール系のエプロンをつけて作業した方が良いそうです。

熱いので気をつけながら注ぐ

テングサが煮詰まったところで、ガーゼを敷いたザルで濾し、トレイに流し込みます。透明感のある液体表面の気泡をライターで炙ると、表面がきれいになるそうです。
テングサを煮ている間、氷見では「ナガラモ」と呼ばれているアカモクという海藻の話や、最近は山菜や筍も採れたりしていたこと、一年中この地域では食材に困らないこと、塾長の子どもの頃の地域の様子を伺ったりしました。

【夕食にて灘浦地区の話】

自分でさばいたヒラマサのお刺身、焼き魚、岩ガキ、フグの白子、あら汁、濁酒、いちご等。地域で獲れた豪華な海の幸の夕食をいただきながら、動画でも氷見の獅子舞の様子や漁業について学びました。

—灘浦はどこを灘浦と呼ぶのですか?
石川県との県境から氷見市の手前に入る(阿尾)までのエリアを灘浦地区と呼ぶそうです。昔から、この辺りは石川県になったり、富山県になったりしているそうです。

2日目 【海から昇る朝日】

朝4時半に起き、小境荘から歩いてすぐの小境海岸へ。
5月頃は朝日が海から昇り、冬頃は山から昇ること、氷見の海でも時々蜃気楼が見えること等、塾長のお話にしばし聞き入り、目の前に広がる雄大な自然に包まれて、清々しい朝を迎えました。

美しい朝日が海から昇って行きます。

朝食には、前日に皆で作ったところてんをいただきました。

手作りのところてんは味わい深い


【魚釣り体験】

朝食の後、いよいよ魚釣り体験です。

ライフジャケットを着て、海へ向かいます

釣り竿を伸ばし、糸の先端についた針に気をつけながら、浮きを付け、餌となるオキアミを1パックずつもらいました。真剣になりすぎて足場を踏み外さないようにすること、釣ったら危険な魚(背びれに毒がある魚)もいるので、触ってはいけないという説明を受けました。

それではいよいよ釣りを始めます。

釣りは気長に。餌が外れたら、つけ直しましょう
フグが沢山釣れました!

参加者の皆さん、次々と魚が釣れていました!

この地域で生活していた人々の歴史に思いを馳せる

釣りの後は、歩いて大境洞窟の見学へ。
「大境洞窟住居跡」は国の史跡に指定されています。縄文時代と弥生時代の順番が発見されたきっかけとなった自然洞窟の遺跡で、6層の地層に分かれ、土器類も出土しているそうです。

【氷見沖クルージング】

「灘浦塾」の最後に、氷見沖クルージングです。

船に乗り込みます
富山湾最大の島、虻が島周辺を回り、氷見漁港へ向かいます
いくつもの定置網が仕掛けられています

氷見漁港に到着し、氷見市漁業文化交流センター「ひみの海探検館」で実際の定置網や、漁船や漁具の展示を見学しました。

【閉校式】

塾長より「灘浦地区はとても災害が少ない地域だと思います。住むにも良い地域なので、ぜひ今日の経験をお伝えいただければと思います。」
スタッフの方より「今回、海の体験だけでなく、“農”の部分も体験できればと思い企画しました。夏・秋・冬もまた違った景色が見えると思うので、またぜひ来ていただきたい。」とのお話がありました。
参加者の皆さんからは「地元の方とお話でき、子供たちも楽しんでいました。」「宿のご夫婦から農家の方までサポートいただき、また来たいという楽しみが増えました。この地域の暮らしを知ることができ、本当に良かった。」等のお声があり、山や海の身近な生活を体験し充実のご様子でした。

【感想・まとめ】

氷見市灘浦地区に入った日、海岸沿いから見える立山連峰が美しく、感動しました。地域に長く住んでいる方のお話の中で、この地域(小境)は「コンビニが無くても、静かで豊かな生活を送っている。」「環境に恵まれた場所。畑も海もある。」という言葉を聞き、雄大な自然を前に心豊かに生活をされている様子が伝わってきました。地域の方々が優しく、海と山が身近にあり、食材も豊富です。今回、灘浦塾に参加し、農業体験ができ、新鮮な食材を味わったり、海での実際の定置網の様子を見る等、貴重な経験をさせていただきました。ぜひ皆さんも灘浦地区に足を運んでみてはいかがでしょうか。

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NPO法人グリーンツーリズムとやま「帰農塾」

富山県移住・定住促進サイト「くらしたい国、富山」

富山県就農ポータルサイト「とやま就農ナビ」

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