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【Uターン取材】富山から届け!美味しいだけじゃない、コーヒーのかっこよさ。

みなさんこんにちは!“富山オタク”のことちゃんです。富山で働く面白い人たちをご紹介していきます!

今回は2021年の夏に富山にUターンし、今年コーヒー店を開業する焙煎士の清水栄治さんにお話を伺いました。

■清水 栄治(しみず えいじ)氏
焙煎士/Haiz coffeeを運営する「株式会社SABO」代表
富山市出身。大学進学を機に富山を離れる。
大学生の頃からコーヒーの世界にハマる。
喫茶店巡りの末、自身でもコーヒーの抽出を始めるように。
コーヒー店を開業するべく、2021年夏に富山へUターン。
2022年6月南砺市井波地域にHaiz coffeeをOPEN予定。


▶「いま、井波が面白い」。新天地、井波での挑戦

ーーー清水さんは富山の南砺市井波でコーヒー店を始めるとのことですが、井波を選んだのはなぜですか?

清水:2021年の夏、本格的にお店を始めようと物件を探し始めました。大学時代を過ごした東京や埼玉も考えていましたが、富山にいる友人に相談してみると「今、井波が面白いよ。」と教えてくれました。南砺市井波地域の様々な課題解決のために、業種業態の垣根を超えて集まる「ジソウラボ」というグループがあると。 

相談の2日後、早速富山に戻ってきました。友人の紹介で、古民家や伝統工芸を活かして宿泊施設や飲食店の営業から商品開発まで手掛ける団体「CORARE ARTISANS JAPAN(コラレアルリザンジャパン)」の代表で、井波のまちづくりにも力を入れている山川智嗣さんに連絡を取ることにしました。山川さんはジソウラボのメンバーの一人でもあります。その日のうちに会えるなんて思っていなかったので、ラッキーでしたね。

 この時、僕は初めて井波を訪れました。井波をもっと居心地のいいまちにするべく「いいコーヒー店をこの街に作りたい」と、山川さんが焙煎士を募集しようとしていることを知りました。その場ですぐに意気投合。井波にお店を構えることに決めました。

山川さん(左)と清水さん(右)

ーーーもう完全に運命ですね。初めて訪れた井波の印象はどうでしたか?

清水:初めて見る瑞泉寺に感動しました。見えない部分にも立派な彫刻が施されていて、日本の美学を感じました。この素晴らしい瑞泉寺を見るために、この先も大勢の人が訪れるのだろうなと納得させられましたね。

職人技がぎゅっと詰まっている瑞泉寺


▶ カエルの鳴き声が恋しい。離れて知った富山の自然の魅力。

ーーー清水さんは一度富山を離れていらっしゃるんですね。

清水:はい。富山は人があたたかくて居心地も良いのですが、一度県外に出てみたいなと思い、大学進学で富山を離れました。大学時代は埼玉、東京にそれぞれ2年間住んでいました。

ーーー離れてみて気づいた富山の良さはありましたか?

清水:やっぱり自然豊かなところですね。僕の実家は富山市の山手のほうにあって、幼い頃から自然の中で育ちました。カエルの鳴き声が恋しくて、YouTubeで音源を流して聴いていました。笑

ーーーえ!YouTubeで?!マニアックですね!笑 富山の田植えの時期はカエルの大合唱ですもんね。

清水:富山を離れてから、自然を求めてキャンプに熱中しましたね。周りも田舎から出てきた友人が多かったので、みんなでアウトドアを楽しみました。

アウトドアを楽しむ大学時代


▶ コーヒーの魅力に気づいた19歳

ーーー清水さんがコーヒーの魅力に気づいたきっかけを教えてください。

清水:僕は19歳からコーヒーを飲むようになりました。最初は映画の影響で「コーヒーってかっこいいな」という漠然とした憧れを抱きました。それから喫茶店巡りにハマり、コーヒーをたくさん飲んでいましたね。

ーーーブラックコーヒーを飲めるようになったときって、嬉しいですよね。喫茶店巡り、いいですね!ご自身でコーヒーを淹れるようになったのはいつからですか?

清水:大学生の頃、友人と和歌山の無人島にキャンプに行くことになったことがきっかけです。無人島ってそうそう行く機会もないし、せっかくなら自分でめちゃくちゃ美味しいコーヒーを淹れて飲んでみたいなって思ったんですよ。それで道具一式を揃えました。

無人島へ持っていったコーヒー道具

ーーー無人島!?インパクトがありますね。思い出に残る一杯だったのですね。

清水:無人島キャンプでの特別な一杯が忘れられず、自分でコーヒーを淹れる工程を遡ってみたくなりました。最初は趣味として街のコーヒー店で生豆を買って、お店のおじちゃんと相談しながら焙煎を教えてもらいました。


▶ 一杯のコーヒーにはたくさんの想いが重なっている

ーーー趣味で楽しんでいたコーヒーを生業にしようと決断したのはなぜですか?

清水:大学卒業後は、神戸で2年間、友人と飲食店を経営していました。そのお店ではコーヒーもご飯もお酒も出していましたが、その中でもやっぱりコーヒーが僕にとって一番面白いなと気づかされました。

コーヒーにはいろんな人が関わっています。生豆の生産者や輸出入する人、焙煎士、カッピング(品質を評価)する人、抽出する人。

目の前の一杯のコーヒーができるまでに、たくさんの工程があって想いが詰まっている。コーヒーのストーリーを知れば知るほどかっこいいと思ったし、みんなにも届けたいと思いました。

昨年の秋にはコロンビアのカウカ県に足を運んで、コーヒー豆の生産者に会ってきました。

コロンビアのカウカ県で育つコーヒーの木

ーーーコーヒー生産の本場を訪れて感じたことはありましたか?

清水:みんなコーヒーが大好きで、情熱をもって豆を育てています。

コロンビアのカウカ県では以前、缶コーヒーやインスタントコーヒーのような商品を作っていたそうです。5年前から生産の方向性を変え、高品質のコーヒーづくりに乗り出しました。良いものを消費しようと、世の中が変化してきた影響ですね。

彼らも安価なコーヒーを作っていたときは面白くなかったと言っていましたね。今はみんなのモチベーションが高く、楽しみながらコーヒーを生産しているのが肌で伝わってきました。

コロンビアで作られている生豆

ーーー私たちが良いものを選んで消費していくことは、遡れば生産者のモチベーションにも繋がっていくのですね。清水さんは、どんなコーヒーを提供していきたいですか?

清水:僕は日頃から、飲食も洋服も知り合いのお店でお金を落としたいと考えています。だからこそ、顔が見える関係性の中でコーヒーを作っていきたいです。

これからコーヒーを飲んでくれる人たちに、どんな人が作っているのか知ってほしいし、コーヒーを飲んでくれた人たちの声をコロンビアの生産者やコロンビアで出会った全てのアミーゴス(仲間たち)にも伝えていきたいです。そして、これからも楽しく良いコーヒーを作り続けてほしいと思っています。

コロンビアでのコーヒー生産者たちとの一枚

ーーーいよいよ今年6月にHaiz coffeeがOPENしますね。意気込みをどうぞ!

清水:富山で一番かっこいいコーヒー店にしたいですね!美味しいコーヒーを提供することはもちろん、生産者の想いや環境問題へのメッセージも伝えられるようなブランディングを考えています。

ーーーHaiz coffeeのコーヒーは生産者さんの名前がそのまま名付けられているんですよね。とっても素敵だなと思いました。お店のOPENが待ち遠しいです。これからも応援しています!

生産者の名前が名付けられたHAIZのコーヒー


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


【ライタープロフィール】

▷ 德田 琴絵(富山オタクことちゃん)
1992年生まれ。富山県南砺市出身、砺波市在住。
生粋の富山っ子。自称『富山オタク』!
趣味で、富山でアクションを起こす人に注目したメディア『#トヤマビト 』をつくる。
富山市内のインキュベーション施設HATCHのスタッフとしてイベント企画や広報、コミュニケーションサポートを担当。
2021年5月10日(ことの日)にフリーランスデビュー。
ライターとして、富山の魅力発信の活動の幅を広げるべく奮闘中!

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