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木の温もりを感じながら、素朴な音の世界にあそぶ

19世紀、スイスで考案された手回しオルゴール。その原理を応用した『ミュージック ボックス』です。木箱のスリットに曲譜(パンチカード)をセットして、ゆっくりハンドルを回すと……、白木の箱から、聴き覚えがある素敵なメロディーが流れはじめます ♬

「ます(シューベルト)」「魔笛(モーツアルト)」「メヌエット(バッハ)」「ブラームスの子守唄」「喜びの歌(ベートーヴェン)」「クリスマスソング」「聖しこの夜」……。


ドイツの小さな村にあったシャーフ(Schaaf)社。その社のロングセラー商品だった『ミュージック ボックス』は、2013年に製造中止になりました。しかし、スイスのカロリーネンハイム(Karolinenheim)社が、その音色を残そうと同じデザインで再生産を始めました。曲譜もムーブメントも、デザインも寸法もほぼ同じで、カエデ材の素材もそのまま活かされています。


ドイツの童謡や有名な歌曲などの曲譜のほかに、2枚の白譜が入っています。自分の聴きたい曲を書いて、オリジナルの曲や編曲を楽しむことができるのです。

付属のパンチャーを使って白譜に穴を開けます。出来上がったらセットして、ハンドルをゆっくり回します。パンチャーで開けた穴にムーブメントのピンが引っかかり、弾かれて音を奏でるというオルゴールの原理そのものです。

聴きたい曲を自分のテンポで奏でることで、自分が演奏しているような良い気分になります。白木の箱のなかで共鳴するので、重厚感があるメロディーが響きます。演奏に使わないときは、木の温もりを感じさせてくれる小物入れとしても使えます。


あまりにも素朴なメロディーには、どこか郷愁を感じます。デジタルサウンドでは味わうことができない、魂を揺さぶられるような感じがあります。


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