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力を合わせると、みんなが勝利するゲーム

ドイツ、ハバ(HABA)社のボードゲーム『果樹園ゲーム』です。このゲームは、プレイヤーどうしが競って勝ち負けを決めるのではなく、プレイヤーみんなで協力し合って進めていくというユニークな特徴があります。勝ち負けよりも、ゲームを進める過程を楽しむことに重きが置かれているのです。


りんご、洋なし、さくらんぼ、プラム、4種類の果物の樹に今年もいっぱいの実がなりました。早く収穫しないと、ずる賢いカラスがやってきて、その実を横取りしてしまいます。

さいころを振って、赤の目が出たらさくらんぼの実を、青の目が出たらプラムの実を、黄色の目が出たら洋なしの実を、黄緑の目が出たらりんごの実を、それぞれひとつずつ摘み取ってバスケットに入れていきます。
こうして、たわわに実った果物を収穫していくのですが、カラスの目が出たら9分割されたカラスのパズルの絵を1枚、盤の中央に並べなければなりません。

4種類の果物を10個ずつすべて収穫できればプレイヤーみんなの勝ちですが、カラスのパズルが完成してしまうと……。今年は「収穫できなかった。カラスに食べられてしまった」という悲しい結果になります。うぅ、残念。


ボードゲームは「非認知能力」を高めると言われています。「非認知能力」とは、数値化できない生きていくために必要な能力のこと。学力やIQといった数値で測れるものではなく、協調性やコミュニケーション力などの能力全般を指します。

ボードゲームが「非認知能力」を高める要素はさまざまあるのでしょうが、子どもから大人まで、年齢差があってもいっしょに楽しめ大人数で遊べることも要因のひとつではないでしょうか。
ボードゲームで遊ぶには一定の素養が必要です。ルールを理解すること、どうしたら勝てるかを考えること、記憶力……、そしてコミュニケーション能力です。友だちや家族と楽しく遊ぶためには、相手の話を聞いたり交渉したりすることが重要になってきます。大人たちや年上の友だちに混じって、大勢の人たちとくり返し遊ぶうちに、こうした能力が鍛えられていくのです。

なかでも、幼児向けボードゲームの代表格ともいえる『果樹園ゲーム』は、プレイヤーどうしが競うのではないところがみそです。みんなで協力することを学べるゲームです。みんなで力を合わせて勝利したときの喜びを学び、もう一度、遊びたいという気持ちにしてくれることでしょう。


1938年創業のハバ社は、企画・デザインから小さな木製部材までも、すべて自社で作るマイスター精神が息づいている会社です。子どもたちが長く遊べるような品質を追求し、個々のおもちゃに合った最良の素材を使って製品を作り続けています。

この『果樹園ゲーム』も、木製のさいころ木製の4種の果実紐でできたさくらんぼのへた木を薄く削って作ったバスケットと、デザイン、造形にこだわり続けた職人たちの息吹が伝わってくるようです。

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