【読書感想文】夜の底は柔らかな幻
初めまして
マーチと申します。
note投稿は初めて。そして読書感想文を書くのは小学生の頃以来です。
読書のアウトプットをしてみたいと思い立ち、今回この為にiPad用のキーボードを購入しました。
読んだ動機
さて、恩田陸さんの作品自体は学生時代からいくつか読んでいて、中でも好きなのが「常野物語シリーズ」でした。
本でも映画でもゲームでも、一度最後までストーリーを見てしまったら2周目にはあまり手が出ないタチですが「光の帝国」「蒲公英草紙」「エンド・ゲーム」の3部作は2度3度読み返して、社会人となって実家を出て上京した際も文庫本を持ち出す程でした。
今回もう一度読み返すかと思った時、ふと、類似作品を探してみてこの「夜の底は柔らかな幻」に行き当たった次第です。
世界観
早速比べてしまい恐縮ですが、常野物語(一部を除く)との違いは、今作では在色者と呼ばれる『異能者』の存在が人々に認知されていたことかなと思います。
あらすじでわかっていた事ではあったので不満はもちろんありませんが、日常に溶け込む(溶け込もうとする)非日常が好きな私にとっては少し物足りない部分でした。
能力については、例えば『空を飛ぶ力』だとか『物を動かす力』だとか、一つこれと定まったものはなく、一部の登場人物を除いては詳細の説明はされていなかったように思います。
また、作中には『フチ』や『ヌキ』、『ソク』など、この作品でのみ使われる用語が多数出てきます。
私はこういう単語を文中に出てくるたびに説明されるのではなく、読み進める内に少しづつ理解できていく感覚が凄く好きです。
個性的な登場人物達
個性的な人物たちが登場しますが、展開が進むにつれて性格・印象がどんどん変化していくのを感じました。
主人公の実邦はこんな描写をされていたので、まあまあ年齢のいった怖い女性なのかな、とイメージしていましたが、徐々に自然な、年相応の女性らしさが出てきて、最後の葛城との会話ではそれが顕著だったように思います。
その葛城氏も初めの冷酷で異常に実邦に執着する拗らせお兄さんから、終盤はなんだか苦労人になってしまって(だいたい青柳のせい)作中は全く穏やかじゃない状況でしたが少しだけ和んでしまいました。
余談ですが、私は刀剣乱舞を嗜んでまして、なんとなく葛城氏の見た目は実休光忠でイメージしてました。隻眼の燭台切ではなく。中身はむしろ神山倖秀ですね、よく考えると…。
その他黒塚や軍、みつきに青柳と敵も味方も魅力的なキャラクターばかりで一人一人語っていると凄く長くなりそうなので割愛します。
その結末
件の山の奥へと進むにつれて、こちらの没入感も高まっていきます。
「体育館」に面々が辿り着いて、いよいよかという段階での残りの頁の少なさには驚かされました。
クライマックスは怒涛のスピードで進んで行き、必死で追いつこうとしているうちに、突然目の前の道が無くなってしまうようなそんな心持ちがしたラストです。
なんとなく「もののけ姫」のクライマックスでアシタカとサンがシシガミの首を還すシーンを彷彿とさせます。山の中、神(?)と対峙して、という所も近いものがありますね。
読み終わって一番に考えたのは、
「あれ?黒塚どうなった?」でしたね。
今は、あの3人はあの場所で他のソク達とひとつになってしまったのかな、なんて想像しています。
最後に
他人に見せることを意識して読書感想文を書くのは初めてでしたが、きっと読みづらい部分が多かったかと思います。
もし、ここまで読んでくださった方、いましたら本当にありがとうございました。
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