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140字小説集

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140字小説だけ集めたもの。コメント欄に設定付き。
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2016年2月の記事一覧

下駄箱にチョコっぽい箱。ドキドキして開けたらカードに一言「宇宙人より」。一気に気持ちが迷子だよ。結局もらったのはその1個だけ。部屋にてチョコとにらめっこ。いたずら?それとも。差出人を想像した。火星人みたいなシルエット。望遠鏡で「ずっと見てました」とか笑う。遠く遠くの星から、俺を。

バス通学、隣に友達未満のクラスメイト。この気まずさよ。「あのさ…姿勢いいよね」この話題、発展性ゼロ。「そう?バレエしてるからかな」意外な答え。「…ちょっと踊ってみて」「えっ、ムリ」だけど翌日彼女の踊りに僕は気づく。手を挙げるとき、窓を閉めるとき、伸びをするとき、そのうつくしさに。