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短歌集『獅子座同盟12』に参加しています。

 残暑お見舞い申し上げます。桐野黎です。残暑っていっても暑すぎる。
 さて、今年も獅子座同盟に参加いたしました。五度目の参加となります(昨年の記事はこちら)。テーマが「星・宇宙・星座・獅子・夏」という本当に好みのものなので、毎年楽しみにしている企画なのです。
 千原こはぎ様、いつも企画運営ありがとうございます。冊子のデザインもいつもカッコよいなあ、と見とれております。
 PDFダウンロードはこちらから。

 ネットプリント情報はツイッタ(X)で「獅子座同盟12 ネットプリント」と検索して検索結果の「最新」のツイートを見ると出るかと思います(現時点での最新は8/9付けのツイートです。セブンイレブンの番号は一定期間後変更になるので最新のネプリ情報でないとプリントアウトできません)。

 しかし好きなテーマとはいえ、今年はついにコロナ罹患したりもして、なんだかばたついていて、このために落ち着いて新しく短歌を書くということができなくて、以前書いた未発表のものの中からテーマに沿うものを引っ張り出して構成することになりました。まあテーマが好みなので、過去作の中にもそこそこ該当するものがあったりするので助かりました。
 そしてもちろん、他の獅子座参加者さんの作品をまとめて読めるというのも大きな楽しみなのです。今年は21名147首が掲載されています。
 お一人一首ずつ、特に好きな歌を紹介いたします(掲載順)。

 宇祖田都子さん
 静かなる支離滅裂な四捨五入すれば天使は夏の三角

 早川夏馬さん
 渇望 諦念すらかすむほどに北十字星(ノーザンクロス)まがいものでも

 麻倉ゆえさん
 見えた時その眼は遠い星からの光を直に触っています

 かわはらさん
 星空のようなスカート風になびく あたしはあたしのために生きてる

 壬生キヨムさん
 その結果会えなくなっても暗闇を見ればお前を思い出、してしまう

 杏野白湯さん
 やさしさは少ない方が明るくて 星を見るためだけのベランダ

 千原こはぎさん
 爪の先に星を散らして夜にするすこしは強くなれた気がする

 水也さん
 透過する思い出たちに爪を立てもうすこしだけ眠らぬままで

 篠田葉子さん
 咆哮に命まるごとふるえるね星が輝きだす大気圏

 せぶんさん
 主役です!デカデカアピるド真ん中 輝け生きろ大きく大きく

 堂那灼風さん
 似たようなラベルを貼って遠ざけておく憧れの人も死人も

 宮嶋いつくさん
 足元を見る癖のある人は気付かないけれどライオンはいつもはだしだ

 月岡浅葱さん
 ありきたりな毎日だけどライオンがお風呂掃除をしてくれている

 おさとうさん
 いつかの夜 習字の帰りに出くわした 優雅に水辺を舞う星の名は

 森内詩紋さん
 願ったら叶ってしまうかもしれず星を見たいと言わない、今は

 箭田儀一さん
 砂時計逆さに戻し息止めるキスの長さに溶ける砂浜

 かきもち もちりさん
 カメラ・オブスキュラに映る獅子座ならわたし獅子座を名乗ってもいい

 夏生 薫さん
 あの夏の空へとつづく銀色の扉としての郵便ポスト

 高田月光さん
 平熱の背に靠れあひそれぞれの流星群を見送つてゐる

 白藤あめさん
 何度でもあなたと出会い直したい だから今だけ少しおやすみ

 私の歌からも一首。
 あさましく君を観測してしまう天体事象であるかのように

 昨年のこの獅子座同盟の記事で私の「遠さ志向」の話をしていますが、今年の獅子座同盟に載せた短歌や文章もそっち方向のことになりました。

 紹介した以外にも、たくさんの歌がそれぞれの個性で星座のように光っています。よろしければぜひどうぞ。
 ではまた。

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