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自律神経とは何か?

1)自律神経の働きは、自動的です。

自律神経とは、読んで字のごとく、
自動的に自分をコントロールする神経のことである。
Automatic self controlです。自動的と言う言葉が、ミソです。


例えば、あなたは呼吸をしていますか?していますね。だから生きていますね。
しかし、「吐いて、吸って〜」なんて命令しなくても自動的に呼吸していますね。これこそ自律神経が、勝手にコントロールして呼吸をしていてくれるのです。


胃腸の働きもそうです。「今日のランチは、何を食べましたか?」「ラーメンですか!いいですね。」「まだ胃の中にありますか?」ないですね!そうですね!
自動的に消化されていますよね。おめでとうございます!


胃も腸も自律神経の命令によって、「ラーメンを消化しなさい」と言われて、消化してくれたのです。たとえそれが、授業中でも上司に叱られているときでさえ自動的に動いているのです。夕方になって、カレーライスの匂いがしてくれば、お腹が「ぐ〜」っと鳴ります。これもまた自律神経の反応なんです。
すごい機能でしょう。

人前で挨拶するのに緊張している少年

面白いのでもっと教えましょう。
例えば、好きな人ができて告白するときに心臓がドキドキしましたよね?
あれも自律神経がドキドキさせているのです。
厄介ですよね!ここぞ!というときに緊張してしまうのです。
そして、顔が真っ赤になって、声が震えてしまうのです。
これも自律神経の仕業です。

意識すればするほど、つかみどころのない神経です。

2)自律神経の構造と機能を説明します。

自律神経は、交感神経と副交感神経の2本の神経のことを言います。イラストにありますように脳幹(脳の司令塔)から始まり、背骨を中心に全身に行き渡っています。交感神経は、緊張したときに働く神経です。副交感神経は、リラックスしたときに働く神経です。

自律神経は、無意識に働く不随意神経です。
自律神経は、交感神経と副交感神経の総称である。

人間は、生きている間ずっと、緊張とリラックスを繰り返して生きています。そして、現代人は、ストレス社会のためほとんどの人が緊張状態で過ごしている人が多いです。効率化されたシステムに合わせて行かないと生きていけません。慌ただしい毎日に追われて、人々の自律神経は、常に交感神経が優位な状態になっていると言えるでしょう。そして、たまに旅行に行ったり、自宅で週末友人と会ったりする時にリラックスしたときに副交感神経が少しだけ優位になる時間があることでしょう。

まさに自律神経は、感情のスイッチによって働いています。

「楽しいな〜」という気持ちが緩んだリラックスした状態だと副交感神経にスイッチが入り、「嫌だな〜、やりたくないな〜」という気持ちが張り詰めてくると交感神経にスイッチが入るのです。これは、私たちに人間がもともと動物だったことを思い出すとよくわかると思います。

私たち人間は、緊張とリラックスを繰り返して生きている。

例えば、あなたが獲物を襲うトラだったとしましょう。獲物を捉えるときのトラは、全身の筋肉を硬直させて獲物におそいかかります。すごい眼光で走ります。そのときのトラは、完全に交感神経にスイッチです。呼吸を浅くして、内臓の消火活動も停止、心拍数を上げて、筋肉に力を入れます。胃が動いていたら戦えません。睡眠が深くできたら、狩りに集中できません。ゆったりしているときじゃないです
。緊急事態だからこそ、すべての機能が緊張状態になるのです。そして、獲物を捉えるとホッとして副交感神経が働き始めます。胃液が出て、内臓が動き、心拍数がゆっくりになって呼吸が深くなってよく眠れるようになります。

3)自律神経失調症とは?

自動的に緊張とリラックスのスイッチによって、体を動かしている自律神経ですが、ときにトラブります。それが、自律神経失調症という症状です。うつ病と並べられる有名な症状ですが、軽度のものから重度のものまで様々です。特にストレス過多で昼夜逆転の生活などを繰り返していると、自律神経が常に「交感神経」にスイッチが入りっぱなしで体に異変が出てきてしまいます。

自律神経失調症というと、精神不安症のイメージがありますが、以外と本人が気づいていない場合が多いのです。頭痛が出てきたり、胃が痛くなったり、胸がぎゅーっと締め付けれるようになったり、眠れなくなったり、肌にブツブツができたり、何か体に異変が起き始めます。自律神経の役目は、多岐にわたります。無意識に働いているので、ある日突然に体に出てきます。

自律神経失調症は、急に調子悪くなる特徴がある。

現代人は、胃が痛いと胃腸科に行き検査を受けます。頭痛がすると、頭痛専門外来に行き検査を受けます。いづれも「異常なし」の結果をもらい安心するものの「一体この痛みは何?」という疑問だけが残ります。それが、目に見えない自律神経の仕業であることに注目しましょう。例えば、人事異動でA子さんが、4月から新しい職場に行ってから頭痛が始まった場合、同僚の「もう最悪だよね〜」の口癖が気になっているのが原因だったりします。脳にも胃にも異常はないのです。異常があるのは、A子さんの心の状態です。


「この人イヤだ!」という感情と自分の意見が言えないやるせなさが、A子さん自身を攻め立てます。「なんなんだ!あの子は!自分だけイライラをぶつけて、早くやめてくれないかな」と苛立っているとA子さんの体が完全に交感神経優位の戦闘態勢に入っております。やばい状態です。戦々恐々と言ってもいいでしょう。


自律神経は、ある出来事によって心が反応して体に投影されます。受験もそうです。テスト前になって頭痛になります。発表会もそうです。本番前になって急にお腹が痛くなります。大好きな人と初デートも眠れません。カラオケ大会の決勝戦に限って、緊張して高音がうまく出ません。悔しいです。


東洋医学の言葉「心と体は、一体である。」

これらの現象全ては、自律神経が、センサーのように素直に反応して痛みや不調として体にメッセージを送ってくるのです。これを東洋医学では、心身一如(しんしんいちにょ)と呼んでいます。「心と体は一体だよ!」という意味です。背筋が伸びて胸を張ったうつ病人はいません。怒られてばっかりなのに、「大丈夫ですよ」なんて笑顔で働き続けることはできません。

「心がイヤだ!」と言っているものは、いつか蓄積されて体にドカン!と出ちゃうのです。

それが、頭痛であり、胃痛であり、便秘であり、めまいであり、不整脈であり、不眠であり、顔面神経痛であり、ガンなのです。自動的に働く自律神経だからこそ、体の不調をみて、その設定が間違ってないかを確認するチャンスでもあります。ひどい状態になる前に、何か体にメッセージとして出ているはずです。素直に体の声を聞いて、生活の過ごし方を改善して行きましょう。

4)自律神経の理想的なバランスの取り方

自律神経のバランスが崩れてしまったら、何よりもまずは休息です。そして睡眠です。朝ちゃんと起きて、朝日を浴びて食事を取りましょう。ウオーキングやストレッチなど適度な運動をして血行をよくするとより気分も晴れてきます。生活は、リズムといいますが、早寝早起きを心がけて自然の循環とともに暮らしていくことをオススメします。

また、自律神経を調整していくにあたり、とても面白い特徴があります。それは、自分でもコントロールできるのです。


それが、「呼吸」と「頸椎2番」です。


呼吸は、空気を吸って吐く活動のことです。普段は、意識して行っていない呼吸ですが、深くしたり、浅くしたり変幻自在に変えることができます。

頭痛のひとや自律神経失調症の人は、呼吸が浅いです。呼吸をわざと腹式呼吸で深く行うといいです。やり方は、日だまり呼吸法のページをご覧ください。深い呼吸を行うと自律神経が整ってきます。目がスッキリして眠りが深くなり疲れが取れます。肌ツヤが良くなり、気分が爽快になります。日本の健康法は、大正時代までこの呼吸法こそが養生(健康を維持する方法)の根幹でした。ぜひとも深い呼吸で人生を生きましょう。

呼吸は、生命の根本です。


もう一つ、自律神経にアプローチする方法があります。それが、頸椎2番という骨にタッチしていくことです。自律神経の不調を整えていくことができます。緊張すると、首の筋肉がパンパンに張ってしまうのは、頸椎2番のセンサーが周囲の状況を察知して、自律神経が作動して首を固くしています。世の中に敵が多いといつも首はパンパンです。首を緩ませると、体全体が血行が良くなって元気がみなぎってきます。

呼吸法と頸椎2番にタッチして自律神経のバランスをとっていきましょう。

まとめ:

自律神経とは、人間が生きていく上で自動的に作動しているオートメーション装置です。あなたの感情や心の状態が体に反映される「心と体の架け橋」です。自律神経をうまくコントロールすることができれば、毎日を健康で豊かに過ごすことができます。


あなたの頭痛が、1日でも早く良くなりますよう!お大事に!