脱出しただけでは、何も解決しない。

ひどいDV被害や、
モラハラによる精神的傷とか、
もちろん
受け続けたまま生活するよりも、
脱出できたら幸せなんだけど、
被害者には
そのあとの人生も続いていて、
気づかずに
ボロボロになってしまった
体と心は
修復するのに、とても
時間がかかるし、
植え付けられた奴隷の心みたいなものを
権利のある一人の人として
自分を、自分の足で
たたせるには、大きな勇気がいります。

ずっと、ずっと、
否定され続けて、ダメな人間だと
言われ続けて、
自分で自分のことを
大切にできなくなって
何か大きな罪を犯したかのように、
償い続けなければならない精神は、
それを知らない人たちには
思いが及ばないほどの
真っ暗闇です。

私は、生まれたときから
まるで罪人のようでした。
大人たちから疎まれた子ども時代は
ただ、自分だから
こんな目に合うのだ、と
思っていました。
レイプから、といっても
結婚し、子どもを授かった大人時代は
結婚生活は苦しかったけれど、
私の血と肉から形成された
私の子ども達に出会わせてくれました。
私はいつも、
なぜ自分が生まれたのか、
生きているのか、わかりませんでした。
けれど、ひとり、またひとりと
生まれてくる子ども達を
抱きしめるたびに、ああ、きっと
この子達のために生まれ、
生きてきたのだ、と
そして、これからも
生きていていいのだと思うようになりました。

脱出は、物語の最終回では
ありません。
そこから続く果てしない日々を
生きていかなくてはなりません。
私は、運が良かったのか
本当に周りの人達に助けられて、
この世の中には
こんなにも良い人々がいたのか、と
感じることができました。

この世の、心優しい人々に
感謝しています。

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