殴り書き

キャリア形成出来てない理由を、親のせいにしてはいけない。
そもそも"誰かのせいにする"という形で不満は解消しない。

偶然、毒性のある親の下に生まれた。その毒は自分の意思を持つことを許さず、人のために動くことだけを許した。

親の言いなりになって育った。保育園の頃に抱いた夢は現実味がないと散々笑われたので早々に捨てたし、中学は親の提案したところに入った。大学もそうだ。厄介なことに、それらは私が選んだように見える。確かに反発せず、入学まで漕ぎ着けたのは私の力だし過ちだ。だが、そもそも私の抱く意志は母の抱く願望に等しい。そこに個性はない。

たいそうな前書きをしましたが、これは日常の愚痴です。

私は今、美容院でレセプション…つまり受付の仕事をしている。契約社員のような立場で、月給は固定。手取りになると少ない。

受付なので、お客さんを出迎えたり、ポイントカードを準備したり、カルテを出したりしまったりするのが仕事。ゴミ捨てとか雑誌の整理とか、まあ雑用だ。

働き始めて二ヶ月くらい。すっかり美容師さんと打ち解け、親しく話す仲になった。献立を聞いたり、地元の美味しい店を教えてもらったり、色々。親しくなるに比例して、お願いされる仕事が増えた。

頼まれた雑用をしながら、少し泣きそうになる。いくら仕事を増やしても、固定給は変わらない。雑用をしている間に来たお客さんは、他の人が受付をする。レジを触るのは全員ができる。

だから、私はいなくてもお店は回る。

あくまで居たほうが便利だから、働くことを許されているだけ。使えないと思われたら、敬遠される。あいつは仕事をしない、という評価がつき、陰口を言われる。陰口を叩かれることを知ってるのは、スタッフからスタッフに対する陰口をほとんど聞いているから。狭い社会だ、不満だってたくさん出るのは当たり前だろう。

雑用でしか給料をもらえない自分が情けない。

看護大学を三年生で中退した自分は、なんの専門性もない。一応事務の資格はあるけど、その資格がなくても事務仕事はできるらしい。
専門性も、実績もない自分。履歴書上では高卒扱いの自分が就ける仕事って、多分アルバイトとかパートとか、誰でもできる仕事ばかり。

ここでつい嘆くのは、毒親の下に産まれなかったら、こうならなかったんじゃないか、という考えがあるから。
全てを否定し、個性を許さず、奉仕することだけを学ばせる親の下じゃなければ、自由に夢を広げ、そのための人生設計をして、勉強して、夢を叶える努力ができたんじゃないか。

誰でもいい仕事なら、私じゃなくてもいい。社会は役にたつ人間を歓迎してるだけで、きっと私は、無駄でしかない。

そう思いながら、頼まれる雑用を笑顔で引き受ける毎日だ。
きっとこんなんだと、職場を変えたとて同じなのだろう。

ああ、もっとかっこいい人間になりたかったなあ。

夕飯作りを諦めたことを同居人さんにLINEして、コンビニで買い漁った食べたくもないお菓子を貪る。

ここまで読んでくださってありがとうございます。毒親育ちの自分に嘆くばかりだった人生から、少しずつ前を向けるようになりました。このnoteは、誰かが前を向くきっかけになればいいな、と思っています。もしよければ、また覗きに来てください!