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探究する探究者 vol.1「伴走」

探究学習とは、課題設定、情報収集、課題解決のアクション、振り返りをする学びのプロセスです。

「探究する探究者」では、私自身の経験と探究学習に関する書籍を元にして、探究学習に伴走する人に向けた情報をまとめていきます。
探究に関わる中でよく用いられる単語についての解釈や、実践での心構えについてお話していきます。
実際に現場に立っているけれど、探究学習に関わることに少し疑問や不安のある方は必見です!

それでは今回は「伴走」についてです。


伴走とは「学習者の何でも屋」

伴走という言葉を聞くとどんなことを思い浮かべるでしょう。
マラソンなどでよく聞く方も多いのではないでしょうか。

探究学習における伴走とは、ずばり学習者の何でも屋と言えます。
何でも屋というくらいなので、やること盛り沢山です。
なので今回は、かいつまんで5つの何でも屋さんのお仕事内容についてお話して、具体的なことは次回以降にします。

伴走の5つのお仕事

1.問い出し

探究学習を伴走するに当たって、最も重要なのがこの問い出しです。
生徒自身がどこに悩んでいるのか、この先どのように進むべきか分からない。そんな時は頭の中を整理するために質問をします。

探究を進めていく中で、何に困っているかも分からない状況に生徒が陥ることがあります。そういう時に隣で壁打ち相手として話を聞き、丁寧に質問をして行くことで、絡まった紐を解いていくことができます。

2.振り返り

探究学習のサイクルで一番大切なこと(私はそう考えている)がこの振り返りです。1.問い出しにおいての最終局面でもあります。

中長期で行ってきた探究をまとめ、振り返ることは簡単ではありません。
人間は忘れる生き物ですからね、忘れてて当然です。
なので始めの頃はどんなこと考えていたのか、次なにをしていたのか。
事実ベースでの振り返りと感情ベースで起きたことを俯瞰してみることが大切です。
事実と感情がごっちゃになるといい振り返りにはなりません。

ここでは振り返り大事だよ~ということだけ覚えてて、詳しくは次回?次次回に!

3.スケジュール管理

探究学習は主に1年間を通した活動になります。
そのためある程度どのような予定で進めていくのかを決めておくことが重要です。

例えば、探究のテーマ設定をいつまでにするのか、10月までにここまで活動してもらうために、今何を考えてもらおうか。年間を通した長期設計とその月毎の中期設定を考えながら進めることが多いです。

4.5.で話す内容になりますが、このタイミングで外部の人に話す方がいいかな、この情報を早めに出して次への目標の意識付けをしようか、などを考えてます。

4.情報提供(発表会など)

探究をより加速させていくような情報かつ、生徒が見ている視点だけでは思いつかない参考になる情報を提示することも大切な役目です。

マイプロジェクトアワードのような発表会を生徒が調べて来て、出たいです!とはなりません。
前もって振り返りや発表する場を意識しておくと、一つの目標に向かっていける活力になります。

5.外部の人とつなげる

探究をやっていると黙々とやり続けて、気づいたら同じところをぐるぐる回って進めていないということがあります。
もちろん悩むことはいい事だけど、そこから一歩抜け出すためにも全く新しい目線からアイデアを与えてくれる人物は大切です。

生徒の探究テーマに精通している人でも良い。
いつも関わらない人が話を聞いて率直な意見を言うでも良い。
新しい刺激でブーストさせたい時には積極的に活用していきたいです。

伴走は扇型で伴に走る。

伴走のやることは大きく5つほど。
問い出しして対話。
振り返りしっかり。
スケジュール感を持つ。
情報提供。
外部連携。

伴走といってもいつも隣で一緒にいるわけではない。
隣で一緒に悩む時間もあれば、少し前を行ってマイルストーンを敷くこともあれば、あとは手放しても大丈夫!と後ろに控えることもある。

伴走は隣というよりも前や後ろで生徒に見える範囲にいてあげながら、一緒に進むもの。

前で伴走者が旗を振り続けてもいけないし、一緒に悩み続けて生徒自身の頭で考えなくなるのもいけないし、放ったらかしすぎるのもいけない。
本当にこのあたりのバランスが難しい。

絶対にこれだという正解がないし、うまく行ったと思っても他にいいやり方があったりする可能性もある。

絶対がないからこそ、より良くなる可能性を常に探っていくことが何より大切なこと。そしてその可能性を追っていくことをデザインできるのが、伴走者の醍醐味だと思う。

まとめ

探究する探究者の第一回は「伴走」について。
伴走するとはどういうことかイメージが持てたでしょうか?
今回挙げたのが全てではないと思います。他にもあるでしょう。
でも私自身が意識しているのはこのくらいで、これだけ抑えておけば一旦はOKだと思います。とはいえ5つもあるんですけどね、はい。。

これから一つずつ見ていきつつ、探究学習を進めるに当たって外せないキーワードについてもお話していけたらと思うので次回もお楽しみに!!

一緒に探究を探究しましょう!





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