廃校教育キャンプで見つけた、自分の創りたい「場」と大切にしたいこと
11月11、12日。
教育に想いのある50人が成田に集まった。
これだけ多くの人が集まる場に行くのは、2年振り。緊張半分楽しみ半分でした。
キャンプに参加しようと決めた時、運営のみきに話したのは、「参加する理由はまだ見つかっていないので、当日までには見つけてきます」ということ。
福岡開催からずっと行きたかったけれど、行けないまま一年くらい経っていた。参加の理由も分からないくらい、教育に対するモチベも迷走してた気がする。というよりも不満がないから悩みもないみたいな。
それでも参加する時には「対話」について考えたいという想いが芽生えていた。5年以上大切にしてきている言葉だけれど、最近は全然できてなければ、どうすれば対話ができるかもわからなくなっていた。
そんな僕が参加して考えたことや想いを綴っていきます。
創りたいのはすみっこに
「あなたの理想の学校とは」3人で話しながらそれぞれが大切にしたい言葉を元に学校を文字通り作っていく。真っ白の紙に学校が一つ。絵の具に毛糸、新聞に綿。何を使ってもいいから何でも表現していいよ、というワークショップ。
僕たちの班では「愛」「夢中」「自己表現」がキーワードに上がった。
愛を中心に夢中が渦となり自分自身を表現する。
夢中に自己表現をする誰かにリスペクトを。
僕が上げたのは「夢中」だった。やりたいことを「頑張る」じゃなくて、ただ「夢中」になって取り組む。頑張りだすといつか無理をして頑張れなくなるし、やりたいことじゃなくなってしまう。だから夢中に楽しむ、楽しんでいる自分を大切にする。そう思って掲げた言葉だった。
できあがった学校を俯瞰して見て、とても満足した一方で、何か違和感を感じた。中心に向かっていく強い力に対して、逆行するような声が聞こえてきた。その声がする方に耳を傾けると、学校のすみっこで休んでいる人がいた。僕はそこに芝生の憩いの場を創った。
夢中にやりたいことに突き進む推進力はいつか減速する。一度立ち止まって充電できる居場所。それがあることで救われるものがあるんじゃないかな。ワーク終了1分前に思いついて、作ったもの。その時はまだピンとは来ていなかったけど、創りたい居場所のヒントになった。
学校と協力して今できること
ゲストトークで株式会社LX DESIGNの話を聞いた。学校の先生以外の人材が授業に関わる。外部人材が教育に関わるのは公営塾とも親和性の高い話だった。もっと学校と協力してやりたいな。今手伝わせてもらっている探究の授業でもできることがもっとあるんじゃないかな。そんなことを考えながら話を聞いていると、やりたいことがどんどん出てきて、ワクワクした。
探究的な学びを深めていくことから、広い意味でのキャリアに関わることが自分のやりたいことだと再確認できた。
真剣でも、ゆるくでも、休むでもない、自由
ゲストの話を聞いてここまでの一日を振り返り、みんなで考えたい問いを話合う時間になった。40分の時間、問いを深める時間でも、雑談でも、寝てもいいよ。どれも正直嫌だった。個人的にちょっと疲れてきて、夜に向けて休みたい!けど、この場を離れたくない!そんなことを考えていた。
そこで考えたのが、壁際でゆっくりまったりする場所をつくること。
真剣に話を聞いていた人がちょっと休める場所があったらいいな。良いことを言わないと、ちゃんとしないと、という気持ちを捨てされる場所があったらいいな。正に「理想の学校をつくる」ワークで創りたかった場所。
まあ結局みんなすごい集中力で来なかったし、たくさん来られるのも困ると思って宣伝もしなかったから、運営メンバーしかいなかったけど笑
でも確かな自信には繋がった。こういう場所を創りたかったのかなって。
灯りが紡ぐ言の葉
夕食後のワークショップ。
真っ暗な体育館で毛布や布団を被り、中心にはスマホと水の入ったペットボトルでできたライト。4人でライトを囲んでいたけど、僕らの班だけは僕特製の竹灯籠。柔らかな温かい灯りが溢れていた。
教育に関わるきっかけとどんな人に届けたいか。
答えは2つとも同じだった。もう届けられない相手に届けたいものがある。
「誰もが幸せになるためのチャレンジができる社会」
これが僕のビジョン。
最近は言葉にしていなかったけど。目指しているのはここにある。
チャレンジとは「選択と行動」。前に進むことも一度立ち止まることも、後ろに戻るのも選択肢にある。どの選択をするかは幸せになれるかどうかが鍵を握っている。誰かが決めるんじゃない。自分自身が幸せになるための選択をする。
言葉にしていなかっただけでなく、自分自身がその選択をしていなかったことにも気づいた。ずっとそんなことを考える余裕すら放棄していた。ただ日々が過ぎ去ることを待っていた。何も挑戦しない、ただ待つ。人に会うこともイベントに参加するのも、連絡することも減っていた。でもそうなっていることにも気づけていなかった。
頑張るのが怖かった。やりたいことがあっても、いつかやりたくないことになるのが怖かった。また何もできない、動けなくなる自分が来るんじゃないかって怖かったから。
竹灯籠の灯りを前にして、自分の大切にしたいと思っていたものは、自分にとって大切であり続けるものだと確信した。
目指す社会をつくる前に、まずは自分自身が幸せになるための選択と行動をする。このことに気づけたのは、灯りを介してみんなに話せたから。この暖かな温もりが大切だと思った。
創りたかった居場所が初めて実現した
夜、すべてのワークが終わり、自由時間。
一つの教室にいくつもの島ができて、そこここで話が盛り上がっている。
僕はというと壁側のすみっこに毛布を敷いて、誰か来るかを待っていた。
なんとなく、自分が声をかけて話をするよりも、話したいと思った人が来てくれる場を創りたかった。みんなが中心で話合っている場から少し離れたところで、周りを見渡せる場所で、心を落ち着かせながら、2,3人くらいの少人数で自分と向き合える場を創りたかった。
最初に来てくれたのは、ひなちゃんだった。
今までの時間を振り返ったり、キャリアの話をしたり、思うがまま、なるがままに話す。そこから一人二人と増えても、みんなで話すわけでもなく。話したい人が話したい人と話す。
円を囲んで話すのもいいけれど、壁にもたれかかって、話すほうが自分と向き合いながら話せる気がする。面と向き合うと緊張しちゃうし、相手の表情とかも気になっちゃう。後ろから誰か見てるかもと感じることもなければ、今目の前ないし隣で話している以外の人に視線を送ることもできる。
そういう精神的にゆっくりまったり落ち着いて話せる場所を創りたい。
もっといえば、その空間自体も設計したい。毛布で温かい、寒くない場所をつくるとか、竹灯籠で温もりを感じる場所にするとか。
自分の強みは、居心地のいい場所とは何か気付けるとか、逆に居心地の悪さを感じられること。
それを活かせた場作りが初めてできた。
僕の創りたい場は、
「半径3mの心澄み渡る安らぎの空間」
何十人といる場じゃない。5人までで声を張らなくても届くような距離感。心の余白が生み出す、自分自身と相手に向き合う対話。何か自分のモヤモヤが晴れるような。もしくはただモヤモヤを吐き出すような。焚き火や灯籠の灯りなど道具を使って、心を見通す。
そんな場所を創りたい。
拝啓 自分
二日目の朝。
自分自身への手紙を書くワーク。
書きたいことが見つかった人から紙を取りに行く。
みんなが用紙を取りに行く中、じっとその場に座っていた。
昨日のことを思い出しながら考えていると、一つの言葉が思い浮かんだ。
立ち上がり、紙を取り、書き始める。
テーマ「生きる」
愛の宣言
手紙のワークのあとは、この合宿を通しての気付きを宣言する時間。
いくつか宣言したいことは浮かんだ。やってみたいこと、挑戦してみたいことがあった。
でも全部納得行かなかった。どれもこれも、やりたいことがやらなきゃいけないことになる恐怖に打ち勝てなかった。
そのとき生きることを宣言したいと思った。それも愛を持って生きること。
それが今回自分が宣言したこと。
これまで約1年間、自分を愛することができなかった。日々をただ過ごすことに手一杯で人を愛することはおろか、自分を愛せていなかった。
そんなことに気づけていなかった。だから、やりたいことをやりたいままにやれずにいた。やりたいと思うことも次第に減っていった。
でも、今は違う。自分は根源的に誰かのためを想い、尽くすことのできる人間だと信じている。ただ、そう想うためには自分を愛せていなかった。
余白を余裕を生み出すことができなかった。余白を生み出すのが怖かった。だから埋めた。娯楽に逃げていた。大切にしたいものを大切にできなくなっていた。
だから今は自分を愛し、生きることで、やりたいことをやりたいまま進めていける。
それができる人間だと気づくことができた。
こうしてnoteが書けるのも、久しぶりに書けているのも、自分を愛せるようになったから。今の自分に必要なことを問い、その答えとなる選択をできているから。わがままでいい。ありのままの自分を受け入れる。
それができるようになって、他責思考に陥っていた自分が、少しずつ自責に考えられるようになっていることに気づいた。他責だって人間案外気づけないものだってことも知れた。
とにもかくにも、今は自分を愛して生きている。
廃校教育キャンプを振り返って
本当に参加して良かったと心から思った。
このメンバーでこのタイミングでこのワークショップの順番でこのワークショップをしたメンバーでだからこそこの結論に至れた。偶然だけれども、必然にも思えた。
ワークショップの一つ一つ、
みんなと話した一言一言、
みんなと過ごした一瞬一瞬
がこの結果にたどり着ける要因になった。
みんなにお礼を言いたい。
特に夜と宣言を共にしたトミー、あやねん、ももこ。深夜まで一緒に話してくれたひなちゃん、えみ。最初から最後まで一緒で外で超寒い中付き合ってくれたみれい。素敵な理想の学校を創ってくれたひなぴ、たなひ。そして、この合宿に参加する大きなきっかけにもなった、かおるにはほんとに感謝をしてもしきれない。
今挙げなかったけど、一緒に話をしてくれた人、一緒の空間にいてくれた人本当にありがとう。
ちょっとしか話せなかったとか、ほとんど話せなかった人も、きっとまたいつかどこがで話せると思うから、そのときを楽しみにしています。
話が長く長くなっちゃったけど、それ以上に長い長いトンネルをやっと乗り越えられた。
その間、たくさんの人に迷惑をかけたり、愛をもらって返せなかったりした。
だからこれから少しずつ返していく。受けた分以上に返しながらも、愛をもらっていく。今まで余裕がなくてもらうタンクに空きがなかったから、貯められなかった。
けど、今は自分で注げるし、空きも作れる。
自分の目指す「誰もが幸せになるためのチャレンジができる社会」の実現に向けて、自分を愛して生きることをモットーに進んでいきます。
それを実現するための自分の創りたい「半径3mの心澄み渡る安らぎの空間」を少しずつ創っていきます。
改めて、運営メンバー、ゲストの方、参加者のみんな。教育に想いを寄せる仲間であり、支え合いながら前にも後ろにも行けるチャレンジャーです。
これからも色んなところで交わり、協力し応援しながら進んでいきましょう。
最後まで読んでくれてありがとうございました。5000字書いちゃったぜ!
ゴエ
追記
2年前のRaise your Flag Connectで真央くんに言われたのが、「ゴエは半径5mの人を幸せにできる人」
そう思って活動してきたけど、今回感じたのは、もっと狭い範囲だけど、その方が温かさを作り出せるってこと。広げなくても、この輪はきっと誰かが広げてくれる。だから、まずはその一歩目となる場を創りたい。
そして、もう一つConnectを通して感じた、愛を人からもらうということ。giveすることがやっと分かったし、やっと出来るんだって感じれた。
2年越しの伏線回収ができてよかった。
2年前も参加して良かったなって、改めて感じました。
お気持ちを少しでも形にしていただけると、今後の励みになります。ほんとにうれしいんです。あなたのために書けることが。これからも応援よろしくお願いします!