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毎日がしんどいときの処方箋。ロンググッドバイ(村上春樹訳)

しんどいときには、チャンドラーが生み出した孤高のタフガイ=マーロウの心温まる物語を読むんですよ。ね。
(以下、すべての引用文は“ロング・グッドバイ 村上春樹訳”から)

ムカついたとき

ムカつくヤツっているでしょう。
仕方ない。どんな世界にだって必ずいるものですから。
ただ、そんなのに構っているせいで大切な自分の人生に下手なお絵かきをされたらたまらないですね。
ああっくそ!と思うときにはこんな表現を思い出しましょう。

「昨日の夕刊と間違えて君の頭を踏みつけないようにしなくちゃな。」

「いけ好かない人物になるための方法は190ばかりあるが、彼はそのすべてに精通している。」

「自分の仕事を汚らしく思えるときにはあなたのことを思い出そう。少しは気分が晴れることだろう。」

なんて素晴らしく的を射た表現なのでしょうか。
これらは全部マーロウの言葉。
彼は皮肉を言う天才で、一言でグサリと刺すのですね。

この世界を生きやすくする言葉

はい。
次は、自分のいる世界の見方をほんの少しずらしてくれるような言葉を。
 

「いずれにせよ最初の試みは失敗に終わるというのが通り相場だ。行き止まり。」
 
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。」
 
「その日が調子外れな1日になることは最初からわかっていた。
誰の人生にもそういうお馴染みの1日がある。」
 

 どうしても、どうしても、自分の目で捉えることのできる世界は、自分の置かれた世界と、奥行きも幅も似通ってしまう。
こんな現実がある。
 
けれど、自分は自分。
うまくいかない日もあり、跳ね馬に乗っているような乱暴な日だってある。
人生ってそういうもんでしょう?ねえ?
と、開き直るくらいがちょうどいい。

おわりに

「ああ、もう、ほんとに、どいつもこいつもいやんなっちゃうわっ!」 
こんな時は、酒をあおって寝る。
そして翌日、強いコーヒーを飲んで脳を覚ます。
あなたは思う。
「ああ、バカなことをしたわ。頭がガンガンする。」
そうしてまた1日が始まる。
1日を繰り返していく。
昨日までの鬱陶しいことが、今日の二日酔いに上書きされて、どうっでもよくなる。
 
 
まあ、こんなことはしないにしても。
マーロウは、ロンググッドバイは、人生を生き抜くための処方箋として有用な小説のひとつですよ。

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