見出し画像

【投資初心者必見】引っかかる前に知っておきたいNISA制度の落とし穴

NISA制度は非課税であるが故にメリットが強調されがちだが、どんなものにもメリットがあればデメリットも存在する。

以前「【投資初心者必見】知らなきゃ損にも・・・つみたてNISAで失敗しないための大前提とメリット・デメリット」という記事の中でも話しているが、それにプラスしてNISA制度のデメリット(落とし穴)をここで改めて紹介しよう。

1.損益通算ができない

前提として、投資をする場合は利益も出れば当然損失が出る場合もある。
NISA口座で利益が出ている場合は特に気にする必要はないが、損失が出た場合でも損益通算ができないというデメリットがある。

損益通算とは、一年分の利益と損失を相殺させることで税金を減らすことができる制度だ。
例えばA口座とB口座を持っていて、株式投資でA口座で100万円の利益、B口座で100万円の損失が出たとしよう。
通常の場合は、A口座の100万円に株式投資の場合20.315%の税金がかかるわけだが、確定申告で損益通算を行い、A口座の利益100万円とB口座の損失100万円を相殺することで利益を0円にすることができる。
利益が0円ということは、つまり税金も0円ということだ。

しかし、NISA口座ではこれができない。

証券会社で開いた通常の特定口座や一般口座の場合、投資で損失が出たとしても確定申告することで損益通算で相殺できるが、NISA口座の場合はこれができない。
というか、損失が出た場合の優遇措置は全て受けられない。

2.繰り越し控除ができない

損益通算が出来ないということは、当然繰り越し控除もできない。

繰り越し控除とは、利益より損失が大きい場合に、最長3年間繰り越して利益と相殺することができる制度だ。

例えば、年内の利益が100万円、損失が200万円だっとしよう。
損益通算を行って利益の100万円を相殺したとしても・・・
100万円-200万円=‐100万円となり、赤字のままだ。
しかし、繰り越し控除をすれば、年内の赤字100万円を次の年にも繰り越すことができ、次の年に100万円の利益を得たとしてもこれと相殺して税金を0円にできる。

しかし、NISA口座の場合は損益通算同様繰り越し控除もできない。

よってNISA口座では利益を出すことが前提となる点に注意してほしい。

3.外国株等に主に投資していく場合税金がかかることがある

「え?何で税金がかかるの?非課税制度でしょ?」と思ったことだろう。
私もそう思っていた。

しかし、NISAが非課税なのはあくまで日本での話
(日本の制度なので当然と言えば当然だが・・・)

場合によっては外国税が適用されることがあるのだ。

と、その話をする前にインカムゲインとキャピタルゲインというものを理解する必要がある。

そこまで難しい話ではないのでゆっくりと自分のペースで理解してほしい。

インカムゲインとは、資産を保有していることで得られる利益のこと。つまり、株式投資や投資信託では配当金が該当する。

キャピタルゲインとは、株を購入したときと売却したときの差益のこと。つまり、株式投資や投資信託では値上がり益が該当する。

よし、それではインカムゲインとキャピタルゲインが理解できたところで、話を戻そう。

なぜNISA口座で税金がかかる場合があるのか?
それは外国の税金はNISAでは対象にならないからだ。

例えば米国株を購入した場合、キャピタルゲイン(値上がり益)の場合日米租税条約により外国税はかからない。

しかし、インカムゲイン(配当金)の場合は10%の税金がかかる。

つまり、インカムゲインに対して外国税10%がかかり、残りの90%の利益に対して本来であれば20.315%の日本での税金がかかるという仕組みだ。
(取りすぎじゃないか?)

このように、日本の非課税制度と外国の税金は別問題として取り扱われることがある。
(もちろん、日本では非課税なので20.315%の税金はこれにプラスして適用されることはない)

これを理解しておかないと「NISA口座のくせに税金とりやがって!非課税なんて嘘ばかりじゃねぇか!!」と金融庁にクレームを入れて論破されることになってしまうので注意しよう。

もちろん、外国税に対しても外国税額控除というものがあるので、確定申告をすることで取り返すことができる場合もあるのだが・・・

NISAの場合は対象外なので注意しよう。


まとめ

・NISA口座では、損失が出た場合の優遇措置は一切受けられない
(損益通算、繰り越し控除等)
・外国株に投資する場合外国税がかかる場合がある(配当金など)

以上を踏まえた上で、どんなものに投資を行っていくのかを決めてほしい。

「配当金に対してNISAでも税金がかかることがあるならキャピタルゲイン狙いで行こう」と思うのであればインデックスファンドなどに投資するのもありだろう。

あくまで投資は自己責任なので、そこは念頭おきながら投資も私生活も楽しんでほしい。

それでは、私はまた怠惰で自堕落な生活に戻るとしよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?