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ツアーナースが選ぶ、旅行中の救急バッグ[衛生用品・救命編]

最終更新 2023年1月23日
→全体的に修正

この記事の目的
ツアーナース自身が、事前に救急バッグ定番の中身と用途を把握。参加者だけでなく、自分自身の身を守りながら従事できるよう、経験者視点での情報を羅列するので、足し引きして業務のお役に立てたら。
※学校を主とした団体サイドに、準備を強要する目的は一切なく、読者対象ともしておりません。あくまでツアーナース向け情報共有という主旨をご理解ください。

イントロダクション

中堅ツアーナース2人組で、
団体旅行で使う救急バッグの内容を検討してみました。

私たちのこと

物品内容を、旅行内容・目的から検討

そうなんです。
スキー教室・臨海学校・高齢者の1泊2日の年金ツアー・1週間の勉強合宿、それぞれで必要必要物品が変わるのは明白。

これを更に細かく見ていきます。

極論、幼児の日帰り遠足と、一般の10日間海外報奨旅行では起こりうる傷病や必要な物品も大幅に変わりますよね。

とはいえ、私達ツアーナースが同行する旅行は
中高生の林間学校・修学旅行の対応が大半ではあるんですけれどね。しかし、ツアーメインで年間通しで仕事をしていると、やはり上記表のように幅広く対応することになります。

ひとまず、ここでは全旅行に共通する物品を考えていきたいので、私たちの思う救急バッグの役割から、最低限欲しい物品を項目別にまとめていきたいと思います。

互いの身を守りつつ、悪化させず
必要時は、休養・受診などして安全安心な旅行ができるようサポートってところでしょうか。

カテゴリーを6つに分けてみました。

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[一般的に多い]衛生・救命用品

使い捨て手袋

年齢層が低いほど、ゲロや鼻出血、転倒など突発的な処置が多いので
素早く装着できるような工夫は必要です。

使い捨て手袋
特にコロナ禍では、団体にコロナ対応(だいたいは、保護者お迎えまで隔離)が出ると、10組なんかでは足りず。BOXごと準備してくださるありがたい団体もありますが、結局は各自で多めに持参して身を守っているというのが現実なのでは。

手袋を取り出しやすく
フェイスシールドのケースに、使用頻度の高いディスポグローブを入れるべし!というのは、もう10年以上前から横浜の某有名AHAイントラさんが広めたことでして。ご存じの方、実践している方は少なくないと思います。

じゃあ本来入っているフェイスシールドは?という疑問は、対応義務のあるプロならばポケットマスクを別途持参推進という流れになるのですが、後述。

私は、試行錯誤の上でフェイスシールドのケースがゴミ袋
別途、本来袋ケースとして使う💧型にグローブを入れています。圧倒的に取り出しやすいですよ。

この辺り、詳細は別記事にて
ー使い捨て手袋は多めに準備×速やかに取り出せるよう工夫

と、いきなりいつもの脱線で盛り上がり過ぎたので
嘔吐処理の項で、乗り物酔いあるある&対策も織り交ぜ別個に話し合います。

使い捨てマスク

コロナ禍、各自持参が徹底されているので準備されている数は少ないですね。手袋同様に、隔離対応時はその都度交換したいので出来れば予備も多めに(箱ごとでも良いくらい)欲しいとは思っていますが、なかなか予算的に厳しいですかね。
よって、結局多めに持参しています。

ティッシュ

アルコール入りウェット・ノンアルウェット・ポケットティッシュの3種あると良いかと。

年少者対応時にはトイレットペーパー丸ごと
特に幼児〜小学生は、常時いろんなものを垂れ流したりこぼしたりで大活躍するティッシュ。小学生メインで同行していた時は、トイレットペーパーケースと共に常備していました。そのくらい使います。
もう4年くらい小学生の添乗から遠ざかっており、ポケットティッシュ何個か程度で澄んでいますが、また再び小学生の添乗に同行するのであれば、これ買おうかなと思っています。

アルコール綿

いつ作成したのか不明な手作りアル綿が揮発していては、ツアーあるあるなので、アルコール入りウェッティは常備しています。
そうでなくても、各種消毒で使いますし。

ゴミ袋

こちらも、前述の手袋と被りますかね。取り出しやすく云々。
ゲロまみれっ子で、バッグから服から何もかもビニールに入れることもあるので、45or90Lサイズ各2枚ずつくらいリュックに潜ませておくと捗りますが、もうここまで来ると持ち出しばかりでなんだかななので、任意で。

手指消毒ジェル

コロナ禍、どこにでも置いてあるので意外と(救急バッグ付属分は)使用頻度が低いのですよね。逆に、石鹸がないor切れている施設があって困るので、小さなチューブ入りボディソープ類を常備しておいた方がよほど役立つという現実。

こちらも別記事参照

サバイバルシート(アルミシート)

レスキューシートなど、様々な呼び名があります。
震災直後あたりに、実際に100均一・モンベル・SO Lと各価格帯で試してみました。100均一だと、シャカシャカ音がうるさく、折り畳み直すのは困難。使い捨て。モンベルも悪くはないですが、シャカシャカ音の静けさや耐久性、暖かさはSOLに及ばず。
学校の救急バッグ程度だと、使用頻度も少ないと思うので100均でも良いのかなと思いつつ、私は自分の防災用としてツアー問わず常備しているので、有事は自分の使うと思います。タンカ代わりにもなるらしいので、これは入れておきたい必需品。

フェイスシールドマスク

感染予防の観点から、コロナ禍の人工呼吸云々は言われていますが
明らかな呼吸原性の心停止が添乗中に発生した場合、ツアーナースとしてそれでも胸骨圧迫のみで対応しますか?という問題。
答えは強要できるものではありませんが、自分のスタンスは常に念頭に置いて勤務した方が良いと思っています。

参考:厚労省の指針をまとめたコロナ禍のBLS

上記リンク先のシートに、コメントを追加しました

「小学生の旅行で、心肺停止なんて大ごとが起きると思わなかったし、救急バッグにもなかったので人工呼吸していません。」なんて、まかり通りませんからね。

個々様々な考えがあると思いますが
私は業務上、個人持ちが必須と捉えて下記のようにしています。あくまで、一例としてご参照下さい。

 ※ポケットマスク持参しています

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 ※折りたたみ式のバックバルブマスク

Twitterで“折りたたみ式のポケットバッグバルブマスク“検索で出てくる、練磨さんって私なんすけど、ついに手中に収めることができました。
多めに輸入した看護師さんからDMで連絡くださり、定価で譲ってもらいました。

折りたたみといえどもデカいし、気軽に入手はできないかなりマニアックな代物なので、こんなのもあるよーという軽い知識程度でお願いしいます。

ちなみに、2023年1月現在メルカリで出ていました。
こんなリンク貼ったら、救命系界隈からボコボコにされそうですが、流石にこんな無名の中年ナースnoteなんぞチェックされていないと思うので貼っちゃえ。

クリックでリンク飛びます

緊急時対応のフロー・記録フォーマット

アナフィラキシーショック時の対応

東京都の公式資料を基に、ツアー用の補足資料を作成してみました。
こちらは、別記事をご参照くださいね。

その他、救急搬送時の経過記録

各自治体などで無料公開されているものを参考に、ツアー用として作成しました。私は自作を使用していきたいと思います。
DLフリーですが、あくまで個人作成なので有事の責任は負いませんことをご了承ください。


病歴聴取のSAMPLEを抑えたことと、看護師が指示出しして他教員に書いてもらう前提のわかりやすい最小限内容のフォーマットとしました。
よって、GCSやJGSもあえて記載しておらず、BPやR程度でも略語も用いません(まぁプレホス業の基本ですけれど)。

[私たちが準備する]衛生・救命用品

以上です。
適宜修正・アップデートしていきます。