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民芸品・工芸品

観光地に行くと、その観光地ごとの民芸品・工芸品があります。しかし残念なことに、それが欲しいと思うものがそんなにはないということです。確かに目では楽しませてくれますが、「買いたい」と思う気持ちの壁を越えられないのです。

工芸品は芸術的な要素が強いため、主に観賞用に美しさや感動を突き詰めていくという趣があります。一方民芸品は、芸術的な要素もありますが、どちらかと言えば日常に溶け込んで使用されたり、観賞用としても価格的にもお手頃です。
あの工芸品が欲しいと思うとお値段が…、その点民芸品は購入できそうなお値段ではあるけれど、欲しいものがない…のいつもの構図になることがよくあります。

ただ民芸品も工芸品も「ある時代の佇まい」を継承しているだけのものが多いです。もう見飽きて、嫌味なくらいのエスニック感が出ていて…ちょっと家に置けないとすら思わせるような…
特に身近に感じる民芸品に関しては、日本人が得意とする「カワイイ」エッセンスを加えただけものが多いように思います。それが悪いというわけではなく、「=現代的(エッセンス)」かと言えばそうばかりではないと思います。だからなのか、真に新しさを感じること、欲しいと思うことがありません。

なんでもそうですが、時代が移り変わると同時に、モノコトもイノベーションを繰り返し、そのために何度もトライ&エラーを繰り返しながら進んでいきます。それが例え同じように見えてもです。確かに変わらなくていいもの、変わらない方がいいものもあるでしょう。しかしすべてが変わらないのであれば、あるいは極めていなければ、そこで止まって廃れていきます。

特にお土産品ともなる民芸品の世界には、クラシックとは対照的に、有名無名問わず、アーティストやクリエーターという存在が必要不可欠に思います。積極参加していくことを個人的には望んでいます。
『職人の技術×アイデア・デザイン』と同時に『オリジナル』というわけです。身近な民芸品こそ、いいデザインを生活の中に…一時代の定番になったら素晴らしくないですか?

しかしアーティストやクリエーターがそこに加わると、「お値段」が結構高くなったりして、民芸品の枠を超えて工芸品?になってしまうこともよくあると思います。
どの商品も同じことが言えると思いますが、もちろん「適価」がベストです。安ければ売れると思いがちですが、安いことで売れない商品も実際ありますので、「値段決め」は本当に難しいと思います。
また値段についての基準を、人それぞれが持っています。
例えば、同じ1,000円でも、スプーンなら買うけど、箸なら買わないといったような、モノコトが変わると金銭感覚基準が全く変わることもよくあります。

特に日常品や使う頻度が高ければ高い民芸品程、日常の生活空間に変化を見せます。ステキなモノに囲まれる空間です。そういうモノコトにこだわっている人も多いでしょう。例えこだわっていない人でも、例えばステキな箸が、茶碗が、お皿が「普通に」テーブルに置かれているのなら、それ(その光景)はステキなことだと思いませんか?民芸品は「日常」のレベルアップをしてくれるものだと思います。

『購入したい』と思える民芸品が、もっと観光地で売られないかなぁとよく思います。

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