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世界を作ろう!老若男女共生で観光地

日本でも外国人観光客(インバウンド)受け入れがだんだんと始まってきました。継続コロナ懸念はありますが、円安の日本において、また観光産業にとって、チャンス到来といったところでしょう。この時の為に、どれだけの観光産業は準備できたでしょうか?あるいは一方で、状況(経営)に耐えきれず倒産してしまった店や会社があるのかもしれません…

衰退地域、特に過疎化が進む地域で、観光から地域復活を目指すのがいいと思っています。観光地創生・ブラッシュアップを考えてみました。

①観光地=1つの世界!?

改めて観光(地)について考えてみたいと思います。
これまでの日本国内観光は、景勝地他鑑賞、郷土料理、アクティビティ、ショッピング等々、非日常(時間)に対してを様々なコンテンツで補ってきました。それが観光だと…海外でもそれは同様ですが、空港を降り立った瞬間、それらを体験していなかったとしても、周りにいる外国人(その時は自分自身が外国人ですが)、言語、臭い、目に入る建物や文字等々、非日常の情報が一気に自分に飛び込んできて、それだけで非日常感を感じられる場面であるし、コンテンツで楽しまなくてもすでに観光気分を味わうことができ、違う世界観を目の当たりにし、気分が高揚する瞬間なのではないでしょうか?つまり、観光においてコンテンツが重要視されがちですが、実は世界観を作り上げることが観光(地)において最も重要なのかもしれません。
日本人が見知らぬ海外の土地で過ごすとき、現地の人にとっては当たり前なことですら日本との違いに感動してしまいます。日本に来る海外の人達も同様ですよね。ゴミが落ちていない街、道端の自販機、24時間営業のコンビニ、ハイテクトイレ、時間に正確な電車、電車混雑時には列になって待つ人々等々。私たちが当たり前に思っていることが、外国人には珍しい様に映ります。つまり観光において、日本人が意図しない場面にカルチャーショックを受けていたりするのです。日本人が日本を観光するときはどうでしょう?そこにいる人も日本人、どこに行っても何から何まで日本であることには変わりなく、となればコンテンツで示すしかないのだと考えてしまいがちです。確かにそれも重要なことだとは思いますが、それよりもまず、「世界観に浸れる場所であるか否か」が重要な気がします。

②観光=6次産業という再確認と新たな可能性

一つ目に、観光産業=農水林業の一次産業×工業の二次産業×サービス業の三次産業と言われています。生産→製品→販売・通信です。
2つ目に、国は第一次産業に冷たいという事情があったりします。若い人は都会へ出ていく、日本は食料自給率も低め、後継者問題も内包しています。日本政府の方針で一次産業には冷たく、田畑はあるけど、使わなくなればすぐに復活させるというのは困難だし、それに携わる人も生活の為に少しでも収益を得たいはずで、結果働く人は高齢化。
3つ目に、コロナ禍において、仕事によってはリモートワークで済み、ストレスフルな都会を出て、地方に会社を移す会社も増えたことと思います。
この三つを併せて考え直せば、新たな可能性が見えてくるかもしれません。6次産業の可能性、そして社会問題解消の一端を担える可能性があります。

③観光×社会システム

コロナ禍、ロシア・ウクライナ戦争によって、観光は世界情勢によって影響を受けやすい産業だということを再認識しました。つまり、観光産業の外側のモノコトに影響を受けやすいということです。ならば逆の発想で、観光産業が外側にいい影響を与えるモノコトにはいったい何があるか?を考えた時に、社会問題へのアプローチができると思いました。

a.スローライフ

マネー至上主義的感覚でもって沢山の利益を何が何でも得たいという観光業創生はオススメしません。田舎に行けば、スローライフも魅力的な一面です
。何でも競争という社会ではあまりに合理性や効率性が求められ、うんざりすることもあります。そうではなく純粋に喜びや幸福といったことを観光産業を通して楽しく実現していくのがいいと思います。

b.介護と若年者永住

若い人が減って、ますます高齢化が進んでしまう過疎地域では、介護する人も困難な状況におかれてしまいます。そういう場合、高齢者一人一人が個でいると、それを援助する側の時間も労力も難しい状況になりますが、近くにいれば共助関係が出来上がるかもしれません。更に若い人がそこに留まる、あるいはやってくるようであればその問題環境も乗り越えらそうではありませんか?それについて観光業を利用して新たな社会システムを作るのです。人が集まれば、会話も増え、新しい何かを吸収できそうです。年齢や性別等を超えた関係というのは楽しいものです。年配者になればなるほど頑固になったりという話も聞きます。そんな頑固な人でも解きほぐしてくれる存在が現れたり、若い人でも頑なな人なら、人生経験豊富な年配者からの働きかけによって、心を解き放つこともあるかもしれません。新しいロールモデルになる可能性があります。老人ホームに入るより、実は誰にとっても有効な手段のように思います。
若い人をどのように集めるか?それは「場所を用意する」ことです。過疎地域であれば空き家や土地は沢山ありそうですし、コストを抑えながら新しく商業用の建物を立てたり改装したり、そこに入る店舗等を同時に募集してもいいし、元居る人達にやってもらうのもいい。どんな店舗・スペースにするのかを地域で皆で考えていけば、意図的に内容をなるべく被らないようにすることができます。可能であれば1~2階を店舗スペース、2~3階を住居スペース(高齢者の為にエレベーター付き)低層階の商業スペース兼集合住宅にするのもアリですね。昔の(今もありますが)商店街のモダン版イメージですね。なるべく一所に集まれば、上階の住民(高齢所も)が下階で仕事ができたり、お互いを共助、あるいは介護してくれる者がいれば効率よく面倒見やすいのではないでしょうか?医者等が街にいなくて往診してもらうにも回りやすいです。
資金の問題もあります。その地域全体で考えて、行政の力が必要な場合もあるでしょうし、良心的な資産家や銀行家、クラウドファンディングを利用する等、皆でアイデアを集めれば一人だけで考えるより可能性が広がります。

c.人生100年時代なら健康に生きたいから新たな喜びを

日本は高齢化が進んでいます。仕事を現役リタイヤして年金生活になっても、一部を除いて手放しでその後の人生を豊かに生きていくことも困難なのではないでしょうか?人生100年時代とも言われる昨今、100年生きていくなら誰もが健康に生涯を終えたいはずです。そう思うと、現役リタイヤ以降の時間がありすぎませんか?働こうにも雇ってもらえず、あるいは仕事すらないのが現状のように思います。
観光業を推進すれば、働けそうな仕事を皆で作っていったりできそうではありませんか!お金お金とは言わずに、長生きしただけの知識や知恵で、また若い人達と一緒に考えたりしながら進めることができたら、それだけで楽しいと思います。雇用創出を自らの手で、そして生涯学習と思って新しいことにもチャレンジしたりもいいのではないでしょうか?観光業で幸福感ある豊かな人生を作る為の働きかけ、つまり楽しく働いていく環境を自分達で作っていくのです。個人が一事業を作っていくというよりは、皆で作っていくイメージですね。観光業は6次産業。誰でも「何か」できるはずです。何ができるかを皆で話し合うというのも楽しいプロセスですし、そこから観光を作っていくのも自然な流れのようにできる思います。かといって今までしたことがないことにチャレンジしてもいいでしょう。今まで農作しかやってこなかった高齢者でも、ちょっとオシャレして、食事処の給仕をしたっていいですよね。給仕の仕事ではキビキビしないとダメ、失敗はゆるされない、若い人がやるものというような固定観念を廃し、都会にはない新常識や新世界を作り上げることもできそうです。

④観光客はインバウンドだけではない

コロナ禍で私達が思い知ったのは、パンデミックが起こると、インバウンド集客がどうにもならないということです。滅多にはないだろうとはいえ、今後ないとも限りません。日本は島国ですから、パンデミックに関しては水際対策次第=政府の対応次第ということになりますが、それが上手くいけば、日本在住民は国内だったら自由に活動ができそうです。(グローバル社会でそれも難しいのかもしれませんが…)またパンデミックが落ち着いたら、まずは日本国内から先に自由になれます。したがって、日本在住民にも喜ばれる観光地を目指したいところです。もともと日本は内需の国です。観光地の世界観をどうしていくのか?コンテンツをどうしていくのか?観光インフラをどうすればいいのか?広報はどうするか?等なるべく有効な手段を取っていきたいものです。インバウンド目的に偏るのではなく、できればインバウンドにも日本人にも受け入れられる共通の魅力というモノコトを再考慮したいですね。

⑤小規模地域観光推進→魅力がなければ作り出せ!

観光創生したい地域、そして小規模地域や過疎地域であれば、全体をコントロールしやすいという意味では観光創生は最適だと思います。もうすでに観光地であるところも同様かもしれません。
私の地域は観光資源等何もない!と思ってしまうのは、当たり前すぎて見えなくなっているに過ぎません。他の地域との差異がわからないだけなのです。確かに他の地域の真似をしてもダメで、観光において差異をなくすことは逆効果です。第三者の目を通していろいろな発見をしてもらい、少しでもその差異に気付くべきです。

a.魅力に気付くか否か

自分が住んでいる場所の魅力は何だろう?と考えた時、「これだ!」というモノコトがあればいいのですが、何もない…と思いがちです。特に過疎地域では特にその傾向があるように思います。魅力がないから若い人が外に出て行ってしまうと…そういう場合はもともと地域外の人に尋ねてみることです。その方が気付きやすい。気付いた後は、お互いに話し合いで、その魅力をどう表現していくか?補うべきものがあれば、それをどうしていくかです。小規模エリアなら、老若男女みんなで考える機会を持てそうです。

b.既存コンテンツ

もうそこにある既存コンテンツ。観光化していなければどう開発していけばいいか…ですね。例えばそれが「自然の美」だとしたら、それを実際にどう満喫してもらうかです。直接足を運ぶ方法もあれば、観光開発によって自然が損なわれる恐れがあると思った時には、間接的に少し離れた場所から眺めを満喫できるよう展望台等を設置してもいいですね。ただ展望台があるだけよりも、カフェ併設なら商売にもなりますし、観光客もよりゆったりとした時間を過ごせそうです。時間によってはより絶景になったり、瞬間を切り取ったその場所だけのコンテンツになり得ます。
既存コンテンツの中には、開発をしたけれど、どうも人気のないコンテンツもあることでしょう。どう改善するかが第一課題となると思いますが、改善するにも運営するにもコストがかかりすぎる問題、実はそのコンテンツが無理矢理すぎて観光地のイメージにそぐわないといった場合等、そのコンテンツそのものをやめてしまうという勇気も必要かもしれません。

c.新コンテンツと新旧世代融合

観光産業のいいところは、ありとあらゆるモノコトが観光になり得ることです。それは無限大といってもいいのかもしれません。
コンテンツと言えば①③でも述べたように、観賞、体験、ショッピング等に思われがちですが、精神的なこと、システムや状況も観光になり得ます。人の優しさ親切さ、ありとあらゆる場所で働いている高齢者、老若男女の共存共助世界等。観光客がそれらをもし目の当りにしたら、新世界観として感じてもらえるのではないでしょうか?そこから元気や勇気をもらい、日本人である誇りを再確認したり、自己肯定感が生まれてくるかもしれません。それも1つのコンテンツとして捉えることができます。あえて方言をそのまま使用すればその場所のオリジナル感が増しそうです。(観光客にあまりに伝わらなすぎるのもちょっと困りますが…)これらを外国人は顕著に評価してくれる傾向があります。分断社会のアンチテーゼにもなりそうです。


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