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【第1話】 越えよ激坂! さらば大阪

はじめまして、旅する自転車です。
これは仕事で大阪に住んでいた頃のお話です。マウンテンバイクにとって大都心はどうも退屈で、灰色のビル街にいるとムズムズしてしまいます。少し外に目を向ければ、琵琶湖に淡路島、さらには紀伊半島と、関西には自然たっぷりの楽しいエリアがたくさんあるようです。休日を使って、海や山へ出かけてみたいと思います!

ということで関西ツーリング第一弾は、大阪を抜け出すことから始まります。

大阪から北は京都と兵庫、南は堺や和歌山。どちらに進んでも結局待っているのは大都市や観光地。それならば東を目指してみようではありませんか。大阪と奈良を分ける生駒山地、その山を越える暗峠。この暗峠こそが今回のコースの目玉でもあります。

暗峠とは

大阪府東大阪市と奈良県生駒市の境にある、国道308号および大阪府道・奈良県道702号の峠。標高455mでありながら、つづら折りが少なく直線的な道路のため勾配はかなり急。特に大阪側には「斜度31%」という国道としてありえない地点もある。峠付近の道路は石畳になっていて、これは日本の国道としては唯一といわれている。

さあ、いざ出発!

5月28日、天気は晴れ。サイクリングにはもってこいのコンディション。10時頃、借り上げのマンションを出発。大阪らしい東西一直線の道路を東へ進んでいく。綺麗に整備された5車線一方通行の道は、次第に道幅の狭い2車線道路へと変わっていく。そして空を覆うように伸びる建物は低くなり、気がつくと目の前にこんもりとした緑が広がってきた。この山こそが今日のみどころ・生駒山地だ。

目の前にそびえ立つ生駒山地に圧倒されながら、東大阪から東へと進んでいく
近鉄奈良線の高架下をくぐると、いよいよ暗峠へ続く道がスタート。看板だらけでなんだか情報過多ぎみ
さっそく容赦ない勾配が襲う

登れるわけがない

大阪側の麓から暗峠まで2.4㎞・385mアップ。単純計算で斜度16%。自転車で登れるわけがない。序盤は頑張ってペダルを踏み込んでいたが、これは無理だと理解し手押しに切り替え。完全にお荷物となったマウンテンバイクを押し上げながら進む情けない姿を地元の中学生たちに晒す結果に。しばらく思考を強制停止し登り続けると、ついに暗峠へ到着。時刻は12時。茶屋が一軒立っていたので、休憩がてらお昼とさせてもらうことに。

登り途中、来た道を振り返ると大阪の市街が広がっていた
これは完全に手押し。辛すぎてほとんで写真を撮ることも忘れてしまうほど
峠へ到着。参勤交代の道として使われたという重要な道。右手のお店で一休み
年季の入った標識が旅情を掻き立てる。ついに奈良県に突入だ
いくつかメニューがあったが、迷わずカレーうどんを注文

山は二つあった!

昼食を済ませたら一気にダウンヒル。奈良県側の道路もなかなか急勾配で、写真なんて撮っていられる場合ではなかった。下り切ると再び線路と合流。規模の小さな市街地が広がっていた。南生駒駅周辺の住宅街のようだ。特にすることもないので街を素通りすると、なんと、またしても激坂が待ち受けていた。一瞬絶望を覚えながらも、実際登ってみると大したことないの小さな丘程度で一安心。山を越えると、のどかな田園地帯が待っていた。平城京跡に立ち寄ったりしながら、今回の旅の目的地・奈良に到着。時刻は15時をまわっていた。

暗峠頂上付近の景色。奈良盆地が眼下に広がる
近鉄奈良線南生駒駅の近くの道。これでも国道というのが面白い
二つ目の山を越える道。こんな道路でも国道
なんと立派な平城京跡

次回、奈良のお山・若草山へアタック!
頂上にはいった何があるのか!? そしてマジックアワーは見られるのか!?
乞うご期待!


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