【第36話】沖縄本島一周編その② 読谷村→今帰仁村
こんにちは。
3月21日〜27日の沖縄本島一周ツーリング。前話では、羽田空港を飛び立ち那覇空港へ、そして約40㎞走り読谷村とやって来ました。2日目となる今回は、市街地から離れて沿岸の景勝地を巡っていきます。どんな出会いが待っているでしょうか…。
▼前回のお話▼
読谷村の朝は遅い
3月22日、沖縄ツーリング2日目の朝。宿主にお別れを告げて、ゲストハウスを後にした。ここからわずか800m、世界遺産・座喜味城跡へ。城郭の外周は365m、堅固な石垣が聳えている。まさに要塞だ。小高い丘の上から海や町を見渡す。まだ朝の8時だったからか、人の姿はなかった。続いて5㎞ほど北へ向かう。やって来たのは沖縄西岸屈指の景勝地、残波岬。高さ30mの断崖絶壁が約2㎞にわたって続く。朝の出発時から次第に天気は悪くなり、分厚く空を覆う雲と相まって、南の離島とは思えない荒々しい光景が広がっていた。今にも雨が降りそうな空だ。そしてお腹が空いた。朝から大したものを食べていない。道中、共同売店を見つけたので立ち寄る。共同売店とは、沖縄や鹿児島の離島で多く見られる、集落の住民が共同で出資・運営する商店だ。生活必需品からスナック菓子や酒まで取り揃えるので、私は個人的に「島コンビニ」と呼んでいる。さらに嬉しいことに多くの場合、イートインスペースがある。今回も例に漏れず、店の奥にテーブルが用意されていたので、ソーキそばを購入し味わった。
沖縄の西岸、恩納村をゆく
店を出てしばらく走ると、再び国道58号へ合流した。今日は、あるいは今日もなのか、とても風が強い。海岸すれすれを走るこの道は、洋上から途切れることなく風が吹き付けてくる。真っ直ぐ走るのがやっとで危険なレベルだ。ロードサイドに観光施設があったので避難した。おんなの駅 なかゆくい市場。道の駅のような雰囲気だ。先ほどのソーキそば休憩が9時30分頃、そして今は10時。なぜか食欲が収まらず、海鮮丼を頼んでしまう。ついでにサーターアンダギーも食べた。今度はここから約10㎞走り、万座毛へと到着した。高さ約20mの琉球石灰岩からなる絶壁が続いている。ここを出発する頃には空を覆う雲は減り、天気は晴れへと変わっていった。さらに国道は海の際まで迫り出し、南の島らしい遠浅のマリンブルーをより近くに感じられるように。視界を遮るものはなく、常に展望が広がる道を17㎞ほど走った。休憩がてら立ち寄ったのが、今回3番目となる、道の駅 許田だ。フードコートやパン工房、宝くじ売り場まである、かなりしっかりした道の駅。だがしかし、ついさっき食事をとったばかりだったので、道路情報センターだけチラッと見て去った。
名護を越えて今帰仁へ
道の駅を出てしばらく走ると、沿道の景色は市街地へと変わっていった。沖縄中部の中核都市、名護だ。特に立ち寄る場所もないのでノンストップで通過。名護市を過ぎると、左へ左へと進路が変わってゆく。西側に飛び出した本部半島の輪郭をなぞるように国道449号を進む。島の呪いにでもかけられたのだろうか、またしても空腹がやってきた。ペダルを漕いでも漕いでも、道と海が広がるのみで、飲食店どころか民家すらもない。わずか10数㎞の道が、とても長く感じられた。やっと見つけた店は、沖縄料理の店だった。ソーキそばと肉丼のセットを注文。喜びに震えながら完食した。店を出たのは15時を過ぎた頃。曇り空のせいで少し薄暗い。10㎞ほど進み、今帰仁城跡へとやって来た。沖縄へ来て今回3番目となるこの城跡は、城壁の長さ約1.5㎞、面積37,000㎡と、城全体の規模としては首里城に次ぐ大きさらしい。
今日の宿はここからわずか3㎞ほどの場所にとった。国道58号の沿道に立つ、「かめかめ」さん。宿へ到着したのは17時30分頃だった。シャワーを浴び、自室のベッドに一人横たわる。特にやることもないので、翌朝へ向けて早めに眠りについた。
次回、ツーリング3日目。
蒼い海と白い橋が織りなす美景へ。沖縄本島一周編はまだまだ続く…。