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親に気を遣うということ

母の誕生日が近いので、誕生日祝いをしようということになった八月。
夫と娘たちの休みが合うのが16日しかなくて、その日に集まろうと升本のお弁当を予約した。
ところが、よりにもよって台風がピンポイントでやってきた。
暴風域に入る確率60%と、ビミョーな感じ。
直撃は避けられそうだけど、どこまで荒れるかわからない。
予報もお天気サイトごとにかなり違う。

これが自分の誕生日なら、即「中止しよう!」と言えるのだが、今回の主役は母。
その母が「やめよう」と言わない。
娘たちにお小遣いをあげたいんだけどいくらがいい?と聞いてくるぐらい。
危ないからまた今度にしようとは言わない。
そうなると、私も「日を改めよう」と言い出せない。

親には気を遣うのだ。
特に高齢の親には。

そんなこんなで、LINEの返信が超絶遅い娘たちに、升本に着く直前まで「来るの?来ないの?」と返事を催促し、ようやく全員集まることが決定。
夫はまず予約していた美容院へ。
こんな日に整えてもらっても、すぐグシャグシャでしょうと思うものの、なかなか予約が取れない美容院なので強行。

夫と分かれ、お弁当とケーキを手にして帰ろうとしたら、嘘でしょ??????という豪雨。
ビルの出口で、「自転車で来たのにどうしよう」とおばさんが泣いている。
当然のことながら、その雨の中を美容院へ向かった夫もずぶ濡れ。
ついさっきまで薄日が射すぐらいで、傘を使わずにいたのに、天候急変とは正にこのこと。

実家に向かっている娘たちは大丈夫だろうか?
なんでこんな日に・・と重たい気持ちになりながら帰宅。
程なくして娘たちも到着。
あの豪雨のときは電車の中にいて、無事だったそう。
よかった。

夫の帰宅を待たず、母を呼んで、四人でお弁当を食べ始める。
食べるのが早い夫は、どうせ後から来ても追い付くから。
結果的に五人そろってお弁当を食べ終え、ケーキでお祝い。
娘たちと私から、母へプレゼント。
娘たちからはジョーマローンのハンドクリーム。
私からは無印の発酵美容液とヴェレダのパドルブラシ。
87歳になる母はとても嬉しそうだ。
母が喜んでくれたから、まあよしとしよう。

それにしても、この日まで、日に何度も何度も天気予報をチェックし、なんでウェザーニュースとYahoo!天気でこんなに違うの?!とイライラしながら、いつなら移動できる?外を歩いて大丈夫?と悩み続けたので、かなり疲れた。
悪天候を心配しながら、娘たちと連絡を取り合うのも、お弁当やケーキを用意するのも、本当に疲れた。
身体的なものではなく精神的に。

この気疲れ、気遣いの正体は一体何だろう?
親元を離れて夫と家族を作り36年。
元々他人だったはずの夫といる方が気楽だし、自然でいられる。
親の前ではスン!としてしまう。
甘えたり、意見を押し通したりなんて、絶対にできない。
遠慮というよりも、面倒なのでスルーしてしまう。

難しいなあ、親子って。

私は娘たちにとってどんな母親なのだろう?
娘たちとは、私と母のような気まずさを感じずに過ごしていきたいのだが、私が気付かないだけで、娘たちに気を遣わせていることもあるかもしれない。
大人になり、自立した二人との付き合い方を、これから慎重に見極めていきたいと思う母の誕生日祝いの一日だった。

娘たちは台風の影響を受けずに無事に帰宅。
やれやれ。


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