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「難しいことをやめて集中しなくてもできることをするようにしたら鬱になった」と言ったら

夫に、
「簡単なことをするにも、集中しなきゃだめなんだよ」
と言われた。

え?

間もなく二年になる。
夫が膵嚢胞という厄介な良性疾患に見舞われ、良性ではあるがオペが必要、それもすい臓がんオペと全く同じ、膵頭十二指腸切除術という非常に難易度の高いオペが必須となってから、気力という気力が失われていき、せめて短答試験合格だけでも!と取り組んでいた予備試験へのチャレンジから身を引いた。
そもそも、奇跡が起きて合格率3%の予備試験に合格したとしても、その先の司法試験を受ける気は全くなかった。
だったらもうやめよう。

そうして、夫の手術が済み、合併症と闘いながらも、何とか平穏な生活を取り戻しつつあった時に父の死。
完全に心折れた。

しばらくはリハビリ期間。
何をして過ごしていたんだろう?

小難しい法律のテキストのほとんどを手放し、それらを目にすることもなくなり、一年が経つ頃に、

やっぱり、私は勉強が好きだな・・

そう思うようになった。

だけど、ドラマを見る時間すら躊躇するような難しい勉強はもうしない。
余裕をもって家事ができ、夜は録画してあるドラマを心おきなく見ることができる。
それでも可能な勉強。
その第一弾が簿記三級だった。
この先、簿記二級、FP三級、FP二級・・と受けていきたいのだが、ゆるゆるゆるゆる勉強していると、なんだか鬱っぽくなってくる。
必死さが得られない。
意欲的になれない。
集中力がない。

「難しい勉強をやめて、集中しなくてもできることをするようになったら、鬱っぽくなってきた」

そう言う私に、夫はビシッと言った。

「それはおかしい。どんなに簡単なことにも集中力は必要だよ。目の前のことに集中することが大事だよ」

そうだ。そうなのだ。

私の最大の弱点は飽きっぽいこと。

海軍士官だった祖父が、洋上から父とおじにあてた手紙の中にもあった。

飽きやすきは人間の弱点なり

もしかして、父やおじにも「飽きっぽさ」があったのか?
これは遺伝か?(責任転嫁)

敬愛してやまない祖父もそう言うのだから、これは克服しなければならない私の課題だ。
60にもなって、飽きっぽさを克服しようだなんて、いささか恥ずかしい。
私に人並みの集中力と持続力があれば、もう少し違う人生があったのかな?と思わないこともない。

しかしまあ、過去を悔いても仕方ないので先へ進もう。
簡単そうに見えることにも集中して取り組もう。
目の前のことに真剣になることが大事だ。
どんなことにも懸命になることだ。

ちなみに、「簡単なこと」というのは、あくまで司法試験に比べてという私なりの基準で、簿記やFPが簡単だと思っているわけではありません。悪しからず。

P.S.
岸田奈美さんのドラマを見て思った。
岸田奈美さんの強さは、あの並外れた集中力。
これと決めたら、周りが見えなくなるぐらいのめり込む強さ。
やっぱり人間、集中力が大事だよ。
夫を見ていてもそう思う。
うーーーーーーーーーん。

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