写真まとめてみる。
思ったこと書いてみる。
今日、絶対に行くんだ。 って、前日から決めていた。 新しい人生の幕開けの日。 その日はとてもいい天気だった。 階段を登りきると、猫が一匹こちらを見て座っていた。 驚かせないようにしゃがむと、近寄ってきて足元でごろんと寝転んだ。 お腹を盛大に見せてきたので撫でるも甘噛みされた。 …ツンデレかい? 最後に頭を撫でてさよならした。 私の目的は君じゃなくてこの先の場所なの。 そこを目指して歩きつつ上を見上げる。 木々の間から太陽が輝いている。 思わず足を止めて
距離の取り方に迷う人がいる。 この人がいてくれて良かったなと思うこともあれば、なんかもうしんどいなと思うこともある。 普段はとてもいい人。 だけど時々、執拗に傷付けてくる。 その度に心は痛むし、泣きたくもなる。 あぁ、この人にとって私は傷付けてもいい存在なんだな。と悲しくもなる。 それでもこの人を理解したいと思うのは何なんだろう? そう思いながら、いつでも切り捨てられるように私は密かに心の距離を取ってしまう。 矛盾しながらも関わりたいと思えるこの人は、私の人生
母との会話。 私「あの小さい花可愛いよね、紫のやつも好きだな」 母「そうなの!だから草むしりしなきゃと思うけど抜けなくて」 私「確かにちょっと抜きたくないねー」 母「だからね、枯れてから抜こうと思ってるの」 とってもほのぼのしていた気がする。 私達と生きることよりも、早く父の元にいきたいと願う母。 姉はそれが悲しくてショックだと言うけれど、私はそれでいいと思う。 それも含めて父を一途に愛した、今でも父を愛している母なのだと思う。
年を取ったら涙腺がゆるくなる。 まだ子どもの頃からよく聞いていた。 何故だろうと思っていたけど、その現象が自分にも訪れ始めている今日この頃。 体験するってすごい。 辛いこと、嬉しいこと、悲しいこと、大人になるまでにたくさん体験してきた。 体験すればするほど、共感してしまうことが増える。 そうかぁ。こういうことかぁ。 体験すれば、他人の気持ちが分かる。 だから嬉しくても泣いてしまう。 だから悲しくても泣いてしまう。 あと四十年も五十年も生きるとする。 今よりもっと色んな
うまれた小説あつめてみる。
ここに越してきてよかったと心底思う。 四階建てのアパートで各階横並びに四部屋。 階段が一ヶ所にしかなく、そちらを手前とすると、その三階の一番奥が俺の部屋だ。 一人暮らしだから、誰に気を遣うでもないが喫煙者の俺はよく玄関の前でタバコを吸う。 ベランダは大概洗濯物が干してあって狭いのだ。 玄関の前でタバコを吸うようになって、しばらく経ってから気付いたことがある。 その時間帯に、裏のスーパーの店員がごみを捨てること。 それからアパートとスーパーを区切るブロックで出来たフェンス
瞳がよく見える距離で見つめ合った。 瞳の色が懐かしくて 優しい眼差しが懐かしくて 気付いたらあなたの頬に手を添えて言っていた。 「おかえりなさい」 なんでこんな言葉を口にしたのだろう? 無意識に出た言葉に私は驚いた。 あなたも一瞬驚いて、目をぱちくりさせた。 けれどすぐにまた優しく見つめてくれて 「ただいま」 と、返してくれた。 その一言が嬉しくて私の瞳から涙が溢れた。 自分でもどうして泣いているのかわからなかった。 ただ、胸の奥が熱くなって涙になっ
「河合さんが残業なんて珍しいですね」 一緒にお店を出た、塚本さんが言う。 「そうですね。私も久しぶりに残業しているの見ました」 「明日、河合さんお休みでよかったですね」 「確かに。明日も仕事だと思うと私は残業したくなくなります」 「私もです」 そんな話をして、私と塚本さんは車に乗り込んだ。 キーボードを打つ音だけが響いている。 存在感を出来るだけ消して、私は河合さんの視界に入ってるはずの場所に座っている。 いつもの河合さんならとっくに気付いてくれていると思う。
いつものように河合さんの後ろを歩く。 さっきまで河合さんの副流煙をもらっていた。 いつもと同じ匂い。 でもどうして私達は水族館に来ているんだ? 「河合さん、水族館好きなんですか?」 「あんまり来たことないです。でもくらげ見せたくて」 「くらげ?」 私の頭の中に朧気なくらげがぷかぷか。 同じくらいクエスチョンマークもぷかぷか。 「松野さん今日元気なかったですよね?」 だからくらげ? 「すみません。あまり表に出さないようにしてたんですけど」 「大丈夫。他の