瞳。

瞳がよく見える距離で見つめ合った。

瞳の色が懐かしくて

優しい眼差しが懐かしくて

気付いたらあなたの頬に手を添えて言っていた。

「おかえりなさい」

なんでこんな言葉を口にしたのだろう?

無意識に出た言葉に私は驚いた。

あなたも一瞬驚いて、目をぱちくりさせた。

けれどすぐにまた優しく見つめてくれて

「ただいま」

と、返してくれた。

その一言が嬉しくて私の瞳から涙が溢れた。

自分でもどうして泣いているのかわからなかった。

ただ、胸の奥が熱くなって涙になった。

ただ、わたしはずっとずっと待っていた。

あなたからの言葉を昔から待っていた気がした。




「どうしてただいまって言ってくれたの?」

と、不思議がる私に

「自分でもわからないけど、そう思った」

と、不思議そうにしているあなたが愛おしかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?