読書メモ0919:物語思考

タイトル:物語思考

著者:けんすう(古川健介)

読み終えた日付:2023/09/19

感想:

起業家でエンジェル投資家のけんすうさんによるキャリア設計術。自分を物語の主人公にしたためて動かすことで理想の実現を目指すという発想が新鮮であった。


人は誰でも希望をもち理想を実現したいと願っている。それは過去からの延長線上で未来を決めてしまうのが普通だと思う。今までにこういうことをやってきたから、未来はこうなるのではないかと。著者はまず将来の理想像(キャラ)を詳細に設定して「一番なりたい状態に近づくために、一番効率的なキャラは何か?」をまず考えるべきだと説く。そのキャラがどのように行動するかと客観視して実際に動かすこと。

矢沢永吉さんの例が興味深い。矢沢さんはインタビューに答えるとき「おれはいいけど、YAZAWAならどう言うかな?」と考えるそうだ。つまり個人の「矢沢永吉」と歌手でスターの「YAZAWA」像を切り分けて「YAZAWA」になりきっているそうだ。

また、なりたい理想像を実現している人たちがいる環境に飛び込むことで理想に近づくという。人は自分で自分のことをよくわかっている、というのは間違いで他者からの評価や置かれた環境で自分を判断してしまうものだという。


行動しても最初から上手くいくことは少ない。ほとんどの場合は失敗する。それも「自分が失敗している」と主観でみると悲観的に捉えてしまい大きなダメージを受けるが「物語の主人公が失敗している」と距離を置く、そのストーリーを作っているだけという発想も参考になる。


最後にこの方法をそのまま真似するのはかなりハードルが高いが、重要なエッセンスを吸収して普段の行動に落とし込めたら、現実が変わるかもしれないと思った。

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