「ゲーム機の恐怖」第七話
時間
電源ボタンに灯る
いいね、いいね、いいね!
こりゃいいね!いいねったらないね。ないって言ったって”いいね”があるんだよ。
全身にビリビリする運命みたいなものを感じるな。よしよしよし。電源ついたな?CPUはどうだ?まだ寒いか、そうか。あはは。そのうち熱くなるからよ、今のうちに凍えとけってんだ。あはは。
コントローラーはどうだ?相変わらずユラユラしてやがる。ったく脳天気だな。それがてめぇの良いところだな。はは。
廃熱パネルも順調。レンズも…動くねぇ。たまらないねぇ、この感覚。ビリビリしてくらぁ。
っしゃ。気合入れて奉仕するからな。ところで今日は何するんだい?
そうかいそうかい。お!?いいねいいね。信長公な。任せときなよ。え?孫の代まで語り継がれるような速さで読み取るからよ。
おう、おめぇら。ちゃんとついてこいよ!CPUもよ、ゾクゾクしてるかもしんねぇけどよ、すぐに熱くなるからな、安心しろぃ。
始める
久しぶりに信長の野望っつぅのも悪くねぇ。うん。良い選択をしてんな。どこの武将で開始するんだぃ?珍しいね、島津家ときたもんだ。良いね。端っこから制覇するっつぅのも粋だね。いやいやいや、別に腐してるつもりはねぇ。
おぅ、端っから仕切り直しして全国統一してくれよ。
そうだよ、ゲームはやり直すことができんだよ。どこの国から始めても良いしどの状態でもいんだよ。でもよ、人間様はこうはいかねぇ。神様仏様工場様でも元に戻すことはできねぇんだよ。だからよ、ゲームだけでもやり直ししようぜ。な?
新鮮な気持ちでよ、統一しようぜ。な?
良く観たらよ、目の下、クマ作ってやがらぁ。寝てねぇのか。眠れねぇのか。そうか。まぁ、そういう時もあらぁ。無理に寝ようとしても目が覚めちまう。しかもよ、眠ったからって全回復するわけじゃねぇよな。特に心はいけねぇや。眠って忘れれるもんじゃねぇ。その辺はゲームのほうが楽で良いやな。
まぁ、そんな難しい事考えててもいけねぇ。思う存分、楽しみな。
変化
しかしよぉ、裕哉の部屋も大人になったもんだな、おい。
もっと小せぇ時分にはドラえもんとかゾロリさんとかばっかだったけど、今じゃ見てみろ。難しい本読んでやがる。
大モテ運?良いね。なんか重いモノが持てるようになるんだろうな。
ブジジット…なんちゃらの日記?ほえぇ、今じゃ他人の日記まで読めるのかい。
遺書?こいつはいけねぇ。いいか、裕哉。生きろ。
ドラクエの世界の歩き方?歩けるようになるのか。へぇ。
面白ぇ世の中になってきやがったな。うん。
お?
おお?
おおお?
おぃ、見ろよ。アルバムのやつ、あんな所に居やがる。呑気なもんだよったく。てめぇが裏切らなければ俺がヒヤヒヤしなくて済んだってのによ。問題だよ、あぁ大問題だよあいつはよ。少し懲らしめてやろうか。
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